メリー・クリスマス

あなたは会場の正面に向かって、窓側を歩いて進みました。
すると、前方の窓が開いているらしく、カーテンが揺れています。
この真冬に!寒いぢゃないかーっと思ったあなたは窓を閉めようとして、そのバルコニーに人影を見つけました。

寒風吹きすさぶそこで、タキシード姿で升酒をあおるは、美女丸君でした。

手すりに斜めに身体をあずけ、どこか遠くを見ているふうな彼に、あなたはしばし声をかけづらく立ち尽くしてしまいました。

と、その時、強い風が吹いてカーテンを舞い上がらせ、あなたは思わず声をあげて身じろぎしました。
その声に、美女丸君がこちらを振り返りました。彼とバッチリ目が合ってしまったあなたは、

「か、風邪をひきますよ」

「熱燗お持ちしましょうか?」

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