「だ、だだだだ大丈夫です!自分で歩けます!」
「いいから大人しくしておいで。ったく、おっちょこちょいなメイドだね。ま、からかった私も悪いんだけど」
心でアタフタしながら、あなたはちぢこまったまま薫さんに抱き運ばれ、控え室に到着しました。
薫さんは近くの椅子にあなたを座らせて跪き、そっと靴を脱がせてくれました。
「誰か呼ぼうか?」
「いえ、大丈夫です。自分で出来ます!」
「そう。じゃ、これ。ちゃんと手当てしなよ」
「はい!ありがとうございました!」
「じゃあね」
赤面した顔が恥ずかしくて早口なあなたに救急箱を渡して薫さんは行ってしまいました。
そして足の手当てを終えて、あなたはしばらく、先ほどの夢のようなひとときをリフレインして思い出し笑いをしたりしていました。
するとどこかから水音がかすかに聞こえてきました。雨かしらと思ってあなたは