Harmonica virtuoso |
1939年9月14日、Deccaのレコーディングに現れた彼は、まずPEETIE WHEATSTRAWのセッションに5曲にわたって参加する。当時ピーティはホーンなどジャズ風のバックを好んで使っていたので、その流れでウイリーにもお声がかかったのではないだろうか。
G調のミディアムスロー5曲をいずれも1stpositionで小粋に決めたこのセッション、ウイリーの演奏もなかなかで、"YOU CAN'T STOP ME FROM DRINKING"ではピーティーに仰せつかったソロを気合を入れて務めているのをはじめ、"ROLLING CHAIR"では、唄のバックに6小節のロングトーンを響かせるなど、存在感をアピールしている。
同日、続いてウイリーはLEE BROWNの4曲の吹き込みに参加。G、Bbの各2曲をこれまたそつなくこなしている。特に"MY DRIVING WHEEL"ではソロをもらい、かなりはりきってセッションに臨んでいるのがなんとなく伝わってくる演奏ぶりだ。(なお、このセッションにおけるハモニカはROBERT LEE McCOYであるとする向きもあるが、スタイルからいってウイリーに間違いないだろう。)
そしていよいよ、翌年にはウイリーのソロ吹き込みが実現する。Columbia-Okehへの4曲の録音がそれ。全ての曲が、ウイリーのアイディアの集大成というべき充実をみせているのが素晴らしい。
まず、"NEW BLOCK AND TACKLE BLUES"で、ストレートなジャズ調ブルーズを披露したと思えば、"BREATHTAKIN' BLUES"では4thposition(仮称)を駆使して高域でSt.James Infirmaryマナーのテーマを吹き倒す。
参考音源(兼参考文献)
Chicago, 14.Sept.1939
Chicago, 14.Sept.1939
Chicago, 10.Oct.1940
* on JPCD1505-2
THE SOURCES
1939年〜40年にかけてシカゴで行った録音が知られるハモニカ吹き。そのスタイルを一言で表現すれば、BLUES BIRDHEAD直系のジャズハーモニカ。高域を駆使した彼のハーモニカは、震えるようなビブラートに彩られ、クラリネットやコルネットにくらべても全く遜色のないジャズ臭さを発散させるのである。
PEETIE WHEATSTRAW, v; acc. unknown, p; prob. Lonnie Johnson, g; unknown, d; Rhythm Willie (Willie Hood), h 91776-A YOU CAN'T STOP ME FROM DRINKING 91777-A I WANT SOME SEE FOOD 91778-A ROLLING CHAIR 91779-A LOVE BUG BLUES 91780-A CONFIDENCE MAN LEE BROWN, v; acc. prob. own p; Rhythm Willie (Willie Hood), h; poss. Bill Gaither, g; unknown, sb; unknown, d; unknown, sp 91781-A LITTLE BROWN SKIN GIRL 91782-A LOCK AND KEY BLUES 91783-A TREATED LIKE A DOG 91784-A MY DRIVING WHEEL RHYTHM WILLIE AND HIS GANG; Rhythm Willie, h; unknown, p; unknown, sb; unknown, d C3407-1 NEW BLOCK AND TACKLE BLUES * C3408-1 BREATHTAKIN' BLUES * C3409-1 BEDROOM STOMP * C3410-1 BORDING HOUSE BLUES *
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