5−3 クロストマイナー(5thposition)(仮称)
・先ほどのように、メジャーのダイアトニックスケールはルート音の6度のマイナースケールとまったく同じ要素を持つ。ということは、セカンドポジションに対応させることもできるはずだ。つまり、ハーモニカのキーの3度上(6度下)の曲を演奏することになる。これもご参考までに対照表を作ってみると。
boogie woogie's 5thposition
SONG | C | Db | D | Eb | E | F | F# | G | Ab | A | Bb | B |
HARP | Ab | A | Bb | B | C | Db | D | Eb | E | F | F# | G |
・このポジションは、結構使える。早速、スケールを見てみよう。
fig.12 5thposition "Abm" on "E"
・上図は、EのハーモニカでAbmのマイナースケールを吹いたところを表している。(緑の円がルート音を示している。)このように、2番吹音、5番吹音、8番吹音がそれぞれルート音になる。中音域の2度の音が出ないため、唄ものを演奏するときには、ちょっとハンディが大きいが、もっとも表現力のある3番吸音を使って、5thから4thにベンドダウンできるメリットによって相殺される。用途としては、やはりマイナー曲に使うべきポジションじゃないかな。
・我々ブギウギでは"Minnie the Moocher"なんかで使ってるこのポジション。参考曲を挙げてみると...
"CENTRAL TRACKS BLUES" ;1928
ハーモニカはテキサスのテクニシャンWILLIAM McCOY。DbのブルーズでハモニカはAを使っている。このポジションが意外とブルーズにしっくりすることが分かる名演。収録CD"TEXAS: BLACK COUNTRY DANCE MUSIC(1927-1935)";DOCUMENT RECORDS/DOCD5162。
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