2月に入って、高校受験もいよいよ追い込みの時期になりましたが、試験対策の最後は”健康”ではないでしょうか。 しかし、そんな目標にまっしぐらの中にあっても、ちょっとばかり頭の隅に入れて置いて欲しい物があります、それは通学の手段として自転車を利用される場合のこと。 入学先が決まって、手続きを済ませる頃には、それまでの長い緊張が解けて、子どもさん任せに自転車を購入されるケースが増えています。 それでも、ちゃんとした自転車を購入できればいいのですが、中には価格だけで選ばれると、考えていた利用にそぐわないとか、3年間の通学に耐えきれず、自転車として”走る、乗れる”ことは同じだからと、1万円以下の自転車を購入し、毎日20分以上の距離を通学している方もおられますが、大半は高校卒業までは保たず、大きな修理代が掛かることから、買い換えをしなくてはならない状況を迎えることもしばしばあり、結局、丈夫ではなく、耐久性のない自転車を購入したがために買い換えを余儀なくされ、むしろ自転車に掛かる費用が高く付くこともあるのです。 個々の説明にはいる前に、自転車の価格と品質に付いて簡単に言っておきましょう。 基本的に価格と品質は比例した関係にあって、部品品質も組立品質にもおおよそ5段階のランクがあると思って下さい、その組み合わせで自転車の価格が決まっているのです。 ですから、ここやここでも説明しているように1万円以下の自転車と5万円クラスの自転車とでは明らかに使ってある部品が違い、組立品質も違うのです。 通学用に自転車を買い求めるのであれば下から2ランク目、金額的には2万円クラスの商品を考えていた方がいいでしょうし、変速やライトなどの装備を充実させると3万円クラスというのが選択の基本です。 更に、坂道が多いなど、自転車に掛かる負担が大きいと思われるようならば、4万円台後半以降のしっかりした商品を購入されると良い反面、それほどきつい坂もなく、ほとんどが平坦路であるならば、充実した装備の自転車であっても4万円前後の商品であれば十分だとは思います。 とは言え、通学用の自転車は、いわば商売道具なので”ある程度”の価格の自転車を購入された方がいいでしょうし、考えても見れば、バスなどの交通機関を利用した定期代の2〜3ヶ月分で国産メーカーのちゃんとした自転車が買えるのですから、”あえて”1万円以下の自転車を購入されるのはどうかな?と思います。 装備の選択について 1.変速 ・・ 変速についての詳細はこちら 自転車の変速には内装式で3段と4段、外装式では6段というのが一般的です。この種類の中で一番多くで回っているのは3段ですが、少々極端にギヤ比が離れているので緩い坂程度、勢いで上ることができるような坂の場合、変速を必要とすることは少なくて、そうした環境でお使いの場合、変速使用率は3割前後と低いのが実状です。 いわゆるメーカー車での採用は少ないのですが、内装4段になると通常使うギヤが2つに増える事、ギヤ比があまり離れていないことから変速自体スムーズで違和感がありません。もし、変速を必要とされるならば内装4段を選択されると良いと思います。実際、4段変速の使用率は7割程度に上がります。 外装式になると採用車種が限定されますが、細かく幅広くギヤ設定ができますから結構きつい坂でも対応でき、お使いになる地域によっては必需仕様かもしれません。ただし、多くの場合、変速の構造上、両立スタンドの取り付けができない場合がありますのでご注意下さい。 2.ライト 通常は、タイヤに発電器のローラーを当て、タイヤが回転する事を動力源に発電しライトを点けるダイナモライトが採用されています。しかし、この場合発電に多くの動力を必要とする為、発電効率が低く、従ってペダルを漕ぐのが重くなる欠点があります。 価格的には4〜6千円ほど高くなりますが、車軸中心に発電器を内蔵し、暗いときに走ると自動で点灯する”全自動ハブライト”という商品もあります。この商品の場合、発電効率が高くライトが点いてもほとんどペダルが重くならず、特に女性の場合は助かることだと思います。 3.部品を変更したい スタンドやライト、ハンドルやベルの変更に、荷台(リアキャリア)を 装備したいなど、カタログや実物を見られて変更を希望される方もおられますが、お買い求めになるお店が自転車専門店であれば可能かと思います。 例えば、”部活をするから荷台と両立スタンドがついた物”といえば、婦人車の中から選ぶことになり、男性が乗るには具合が悪いことだってあります。しかし、部品を変更する事を前提に考えると、選択肢の幅が広くなり、より多くの自転車の中から気に入った自転車を選ぶことができますね。 もちろんスーパー、量販店でも変更する事は可能でしょうが、部品の下取りというサービスは無いでしょうから、別途部品を購入し、取り替えの工賃を支払って交換することになると思います。 しかし、自転車専門店であれば元々付いている部品は新品であり補修部品として使えますから、それを下取りして部品代差額だけを請求、、交換する手間は掛かるので工賃は請求されるかもしれませんが、気に入った一台を手に入れることができるのではないでしょうか。是非おたずねになってください。 ※当店では差額のみで、工賃は必要ありません。 ちょっとこだわって 自転車専門店が仕入れる自転車には大きく二種類があります。ミヤタやブリヂストンといった完成車メーカーの物と、自転車が部品の状態で送られてきた物を組み立てて販売する物です。 メーカーの物はある程度組み立てられた状態で送られてくるために、大きな仕様変更は無理な場合もありますが、部品の状態で送るメーカーの物ですと、販売店段階で自由に部品を交換しながら組立ができる事があります。 極論で言えば、フレームと色さえ決まれば、その他の部品は自由に変更できるとお考えいただいて良いかと思います。まさにセミオーダー感覚です。 そうすると、4段変速と全自動ハブライトがついた物だと、いわゆるメーカー車ならば4万円を超す物になりますが、部品から組み立てる物では2万円台でも可能です。 ただし、それには組み立てる時間が必要になりますから、少しばかり時間的なゆとりを持ってご相談、ご購入をおすすめします。 今ではスーパーや量販店でも売っている自転車ですが、目的にあった自転車を間違いなく購入するには、経験のある専門店のアドバイスは必要不可欠だと思います。また、お客様が気づかない事も専門店ならばアドバイスできますので、そうした違いを感じ取っていただけたら嬉しく思います。 今度の自転車は是非、自転車専門店で! |