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このページに記載されている主な内容
・断熱煉瓦のの種類と用途
・断熱煉瓦の効果(他の耐火物との組み合わせ効果)
・断熱煉瓦と耐火断熱煉瓦

断熱煉瓦の構造的な特色として、内部に沢山の気泡を含み、それが断熱層となって
温度を外部に伝わる事を防ぎ、熱効率を高める点にあります。素材が違っても、空気層
で断熱する方法は同じで、その分、耐圧強度とか、構造的に耐火より脆い点があります。
単独で使用するか、他の炉材と組み合わせて使用するか、さまざまな組み合わせが、
それぞれの炉によって考えられます。(表張り・裏張り)

覚えておいて欲しい事
断熱煉瓦は、熱を遮断する用途、保温性、熱効率を高める事に利用される。
単独で使用出来る場合もあれば、耐火煉瓦の性質を補う意味で組み合わせて使われる
場合もある。どこに、どんなものを使うかは、選択の幅が広いので知識が必要となる。

断熱レンガのカテゴリー(A種・B種・C種)と分類
A1・A2・A3・A4・A5・A6・A7 A種
B1・B2 B5・B6・B7 B種
C1・C2・C3 C種

大別して、断熱レンガは、A種・B種・C種と3つに分類されます。またその中で耐火度により
番手でさらに分類されます。A種・B種・C種の性質でもっとも違う点は、かさ比重と耐圧強度、
熱伝導率
の違いです。A種はかさ比重も軽く、伝導率も低いのですが、強度がなく、C種になる
と耐火煉瓦に近くなっていきます。決まっている訳ではありませんが、平均的な数値と目的に
よってから当社はB種を使う場合が多いので、B種を中心にお話します。A種・C種を
もっと知りたい方はメールをください。

断熱レンガとは、おもに伝熱を遮断し、炉の熱効率を高めるために使用します。ですので、
炉壁の構造上から、耐圧・耐火の優れた耐火煉瓦と組み合わせて使う場合が多いのですが、
単独で使用される場合もあります。写真をご覧頂くと、同じカテゴリーに属するB3とB4でだいぶ
色が違いますね。B1〜B3までは原料となる珪藻土の特徴が良く出ています。珪藻土とは
皆さんにお馴染み、魚を焼くときの「七輪」がありますが、あれとほぼ同じものだとお考え下さい。
軽くて、気泡を多く含むので、その性質によって熱を遮断するのですが、強度的に少し弱いのが、
また水には弱いのが弱点です。B4以降は写真のようにシャモット質が増えてくるので、色は白く
なり、ざらざらした感じになりますが、レンガとしては強度がしっかりしてきます。

例えばの一例ですが、断熱レンガを
図の様に施工します。炉内部の温度が
1200℃に達した時、熱伝導率の高い
耐火レンガだけでは、230ミリの幅を
活かしても外部に900℃もの温度を
伝えてしまいます。
この耐火煉瓦の裏張りに断熱レンガ
(B2)を入れただけで、外部に到達する
温度は130℃まで引き下げ、それだけ
熱効率を高める事が出来るのです

実際の場合はさらに、外側に断熱ボードを
張ったり、レンガの組み合わせを変えて、
その窯の条件に一番あった組み合わせを
考えます。これも築炉の技術なのです。

耐火断熱表面 耐火レンガ表面 LBK30(メガネ)

わざわざ耐火断熱レンガと呼ぶには理由があります。耐火レンガの耐火性・強度と断熱レンガ
の断熱性を併せ持った特長を持っているからです。両方の特徴を備えている分、価格は高価に
なります。上記は表面の拡大写真ですが、一見して、耐火レンガとは違う事がお分かり頂ける
でしょう。断熱レンガに見られる「気泡」の状態がよくわかります。で、断熱レンガよりは強度に
優れています。メーカーによってLBKとかRAいう表記で呼ばれます。セラミクスや陶器の連続
焼成炉やシャトルキルン等でよく見かけます。

こういう分野はまた、各メーカーが技術開発を頻繁に行う分野でもあり、各社特徴を持った
製品があります。そうした中から、使用条件にマッチした炉材を選ぶのも、私共の仕事と言う
事が出来ます。

LBK30(メガネ)のメガネとは、ローラーが穴の間を通る特殊なレンガです。ローラが回転し
その上を焼成物が連続して流れる炉に使われます。