わたしにとってのメインレースが終わってからも、しばらくはその余韻に浸っていた。14分のレースでこんなに楽しめるとは、である。
続いて男子800メートル、400メートル、100メートル、女子の200メートルの決勝だった。場所を移さずに観たので、遠かったけれど、迫力は感じられた。
男子800メートルって、トラック2周。よくもまたこんな中途半端な距離をと思う。残念ながらというかわたしの知識不足だけれども、知っている選手は1人もいなかった。大学生が多いかなという印象をもった。
400メートルは、小坂田、田端、山村、邑木選手と、見たことはあるという顔ぶれだった。オリンピックでリレーを走られていたからかもしれない。リレーといえば、シドニーで、バトンミスの小坂田選手が、なんとも印象的だった。400メートルということはトラック1周。46秒そこそこで走ってしまうのか。すごい。これは小坂田さんの貫禄勝ちという感じ。レース後に選手同士がハイタッチをしている様子は、見ていても嬉しくなる。陸上というのは、ライバルと一緒に戦うものなのだと改めて思う。小坂田、田端選手はA標準を突破。世界陸上が楽しみだ。400メートルもマイルリレーも頑張ってほしい。小坂田選手は神戸高塚高校から京都産業大学、大阪ガスということも、このときに知った。
女子200メートルは、新井初佳選手があっさりという感じで優勝。新井選手はかわいい。ついでに坂上香織選手もかわいい。100メートルも200メートルも標準記録に届かず、世界陸上には出場できない。100メートルの追い風参考記録が、惜しまれる。
男子100メートル。アップのときは、ロングタイツで、レースはランパンの選手とスパッツの選手がいる。女子の短距離はハーフトップだけれども男子はランシャツ。ウェアって、なぜそのウェアなんだろうと思う。レースは後半で朝原選手が出てきて、接戦を制する。これも貫禄勝ちという雰囲気だった。朝原選手も兵庫夢野台高校から同志社大学、大阪ガス、という小坂田選手とよく似た軌跡だ。
(女子1万 プロローグ)
とここまで観戦して、最後の女子1万が始まろうかというとき、突然、空が暗くなって雨が降ってきた。そこの観戦ポイントは気に入っていたけど、雨に濡れる勇気はなかったので、メインスタンドの屋根のあるところに移動した。
女子1万は、すでに標準記録を突破している選手がたくさんいるので、いったい誰が出てくるのか楽しみである。高橋、弘山、山口、藤永選手など、有名選手がいっぱい。わたしの注目は、高橋千恵美選手と山口衛里選手。山口選手は兵庫リレカで欠場だったので、観たいと思っていた。かわいいというか美しい。山口衛里さんだったら、○○賞とかでステキなドレスを着ても絶対似合うと思う。
高橋千恵美さんは、腕のふりかたと積極的な走りが好き。やんちゃ娘ですって感じの走り方が気持ちいい。
女子1万は、男子とちがって、A標準を突破している選手がたくさんいて、当然その選手たちのだれが世界選手権の出場権を獲るか、一方、標準記録を突破していない選手は、優勝と標準記録の両方を狙うことになる。世界選手権への出場資格はいろいろ細かい規定はあるが、標準記録を突破していることと、日本選手権で3位以内に入ることが、条件となっている。順位と記録、それぞれの選手の背景を知って、レースを観ると、また違った見方ができる。とにかく生で観るだけでもその迫力に圧倒されるが、記録などちょっと知ったうえで観戦するとまた違った楽しみがある。陸上というのは、人との争いのようで、実際は自分との闘いで、一緒に競技する選手は「好敵手」のような存在なのであろうか。競技としての陸上というものに、さらに興味をもった。