スタート
会場のMCは、わかちゃんです。彼女は、ウルトラも走った経験があるので、ランナーの気持ちに沿ったアナウンスで、とてもいい感じです。
ゴールするとき、わかちゃんが名前を呼んでくれるのですが、今年も、呼んでもらえるかなぁ、もらいたいなぁと思いながら、スタートを待ちました。
去年のような怖さはないけれど、なんともいえない不思議な時間です。
これから100キロ、最大で14時間、走り続けることになります。
なんと表現すればいいんだろう。
あきらめ、意気込みなど、いろいろな気持ちが交錯するなか、10秒前のカウントダウンを聞き、スタートしました。
沿道に知っている人がいるかもしれないと、見ながら走ったけど、見つけられずでした。
あとから聞いたら、スタートのときに来ていらしたとのこと。ごめんなさいです。
4時半のスタートなので、当然ながら真っ暗です。
暗い中を、多くのランナーが静かに走っていく様子は、ちょっと不気味な気すらします。
わたしは、ペースがよくわからず、なんとなくまわりについて行きましたが、ちょっと速かったみたいです。
もう少し、後ろに並んでいればよかったです。
真っ暗で、横の溝に落ちるのではと思うくらい、なんかとっても不安で、不安のトンネルを黙々とくぐっているという感じでした。
スタートしてから、しばらくは一応、フラットなところなのですが、コース全体からすればフラットということで、若干、上っているような気がしました。
5キロは33分17秒11
前半の50キロはキロ7分を目安にと思っていたので、ちょっとペース速いです。
でも、気温も低いせいか、なんとなく身体が動いたので、まずまずといったところでしょうか。
5キロを過ぎてから、まず最初の峠、七竜峠です。
でも、暗いので上っているという感じではなく、むしろ進み具合が遅くなって、上っているんだと気づくくらいです。
わたしは、上りはそれなりに練習したつもりなんですが、まわりのランナーについていくのがやっとでした。
やはり、わたしはもう少し、後ろからスタートしたほうがよかったようです。
10キロまでの5キロは33分46秒11、1時間7分3秒
上りにもかかわらず、35分を切っているのは、やっぱりヤバイ。
これでは100キロもちません。
それにまだ10キロだというのに、気持ちは「ようやく10キロ」という感じでしたから。
足に異変
10キロを過ぎて、そのあとコースは、一気に下がっていくのですが、そこで右足の甲に痛みを感じました。
とばしすぎたせいでしょうか。
でも、このペースは、100キロのペースにしては速いけど、普段の練習ではこれくらいで走っているので、この距離で痛みを感じるというのは、なんとも不気味な予感です。
今、痛いということは、このあとも痛いということ。
残り90キロをこの痛みと共存しないといけないと思うと、とっても怖くなりました。
自分の脚に「痛くない、この痛みはなくなる、痛くない、治る」といい聞かせました。
でも、10キロからは、コースは下り。
右足を踏み出すたびに「痛い」と言いたくなるほどで、とてもこの痛みは治まりそうにありませんでした。
やはり、痛みと共存して完走することを考えなければなりません。
15キロまでは、31分43秒19、1時間38分46秒
下りなので、やはりペースが速くなっています。
スタート時には雨が降っていたのですが、このくらいには、もうやんでいたのでしょうか。
よく覚えていないのですが、着ていたビニール袋は、わりと早めにたたんで、ウエストバッグに納めました。
ウエストバッグには、氷砂糖とブドウ糖を入れています。
わたしは、100キロになると食べれなくなるので、エネルギー補給は、この氷砂糖とブドウ糖が頼りなのです。
口のなかにはつねに氷砂糖があるようにしておきました。
5袋連になっているものが売っているので、それをウエストバッグに入れ、トランジェットにもその小袋を入れて準備していました。
この氷砂糖は、わたしのウルトラにあわせて作ってあるみたいで、なかなかいいです。
16キロには、大きめのエイドの久美浜SANKAIKANがあります。
この時間にももう明るくて、ここでトイレを済ませて、エイドでアメやチョコをもらって走りだします。
エイドの滞在時間はできるだけ短くしていますが、このようにちょっと大きめのエイドでは、心ばかりゆっくりすることにしています。
トイレも途中だと、待たされることがありますから。
久美浜に入ってからは、久美浜湾を1周するなど、全体にフラットなコースです。
ここを落ち着いて走って、35キロ以降の2回目の七竜峠に備えなければなりません。
わたしは、35キロから45キロをしっかり走ること、それをひとつの目標にしてきましたから。
久美浜湾
久美浜湾を右に左にみるコースはほんとうにきれいです。
全体にアップダウンの激しいコースのなかで、久美浜を走るところだけは、フラットですから。
このあいだは、しっかり走るというより、むしろこのあとのためのつなぎといっていいでしょうか。
ここをゆっくり走るのか、急いで走るのかで随分と違ってくるのですが、わたしは、どうやら意気込んで速く走ってしまったようです。
20キロは30分49秒98、2時間9分36秒
キロ6分近くで走ってどうする?なんです。
いくらなんでも速すぎです。
足のほうは、相変らず痛いというのに。
痛さを忘れようとするけれども、ほうんとうにこの痛さは、どうしようもないようでした。
足の甲の痛さに加えて、そのちょうど足底にマメができる予感もしてきました。
右足だけが、熱くなっているのがわかります。
こんな脚で、70キロ以降の急な下りが下れるのだろうか、とても不安になりました。
20キロといえば、普段、走っている距離です。
走っていない距離で痛みが出てくるならわかりますが、経験済みの距離でこんなことになるなんて。
なんか想定外のことが起こって、どうしていいのか戸惑い、不安がとても大きくなりました。
スタートして2時間が過ぎて、あたりはすっかり明るくなっていました。
朝なので、気温はそれほど高くないので、コンディションは足以外はとってもいいように思いました。
25キロは35分37秒52、2時間45分14秒
キロ7分程度なので、ちょうどいい感じです。
最初からいえば、ちょっと速いめですが、この速さを維持していれば、最初の関門は余裕をもって通れます。
30キロの関門は4時間10分なので、それほど厳しくないのです。
スタート時は雨で、その雨はすぐにやんだけれども、まさか暑くなるとは思ってもいませんでしたが、このあたりでだんだんと喉が渇いているのを感じ始めました。
エイドでは、しっかり水かスポーツドリンクを飲んでいますが、それが、アミノバリューばかりでちょっとばかり飽きてきています。
網野でやっているからアミノバリューってことはないでしょうけど、アミノバリューの味があまり好きでないわたしは、ちょっと戸惑いです。
エイドでは、水を中心に塩や梅干をとるようにしました。
なぜか、わたしは塩が好きなのです。
梨エイド
正確に何キロ地点か忘れたのですが、久美浜町な梨園の横に「梨エイド」がありました。
エイドといっても、梨園で摘果したものが積んであって、包丁がおいてあります。
自分でむいて食べなさいってことなんですが。
これはかなり迷いました。
ここで梨を食べたら、このあとの2度目の七竜峠のための力になりそうな気はしましたが、悠長に梨をむいている時間があれば走ったほうがいいかと。
さんざん迷って、梨エイドはパス。
でも、こういうところでフルーツ食べると力になるんですよね。
泣く泣く、梨を見送って走っていたら、前の人が、梨を半分に切ったのを分けて食べていました。
あっそうか、梨は皮をむかなくてもこうして食べればよかったのです。
そう思ったら、ますます梨が食べたくなりました。
梨は、水分が多いから、いいんですよね。
以前、福知山マラソンを走る前には、必ず梨を食べていました。
わたしには縁起のいい果物なんで、来年は、きっとこの梨エイドに寄りたいです。
来年にあるかどうかわからないけど。
30キロは33分51秒27、3時間19分05秒
関門が4時間10分なので、50分の余裕。
余裕といってもたいした余裕ではないです。
随分と速く走っているつもりなのに、そんなに余裕がありません。
20キロあたりからは、60キロの部の距離表示も出るので、60キロの部の表示があったあとに100キロの部があると、別の目標もできます。
時間は、ほとんど見ないで、5キロごとの時間を確認しておきます。
35分から40分の間にいれば、なんとかなるだろうということで、だいたいフルマラソンの距離を5時間と目安にしています。
35キロは35分24秒29、3時間54分29秒
35キロで4時間をきっているということは、もしかしてわたしのフルマラソンの記録とそんなに変わらない感じで不安になりました。
前半、突っ込みすぎですから。
このツケは必ず、後半にくるはずです。
足の痛みは、消えるでもなく、踏み出すたびに痛みを感じます。
今よりも先、この足がどうなるんだろうと思うと不安になりました。
このあたりは景色がとってもきれいなのです。
朝早いということもあって、空気も澄んでいます。
こういうところを走れるって、とっても贅沢なことだと思います。
五色浜は、ほんとうに浜の色がいろいろで美しい。静御前の生誕の地も海辺にあります。
崖と海と空、この素晴らしい景色が見れる幸せを実感する一瞬です。
さて、走るほうは決して順調とはいえませんが、走る前から勝負は35キロから45キロと思っていたので、この10キロをしっかり走ることを何度も心の中で言い聞かせていました。
「今、頑張らないと、いつ頑張る」と自らを叱咤激励していました。
40kは42分18秒43、4時間36分48秒
40キロが4時間半って、ちょっとできすぎです。
この5キロは上っているので42分は妥当としても、トータルで4時間36分って、わたしにとってはフルマラソンのペースです。
これはオーバーペースだし、気温も上ってくる感じ。ますます心配です。
この日のウエアは、半袖と短スパッツ。
雨の対策は考えていたけど、暑い対策は全然、考えていませんでした。
半袖の袖をあげて、ノースリーブのようにして暑さをしのいでいました。
エイドでは、首のところに水をかけて、身体を冷やすようにしました。
40kのエイドを越えて、しばらくしてから自販機でアクエリアスを買いました。
アミノバリューばかりで辛くて、アクエリアスが飲みたかったのと、40キロからしばらくエイドがないので、ここで補給しておかなければと思ったからです。
例年は、怪速亭が私設エイドを出してくださっていて、ほんとうに助かるのですが、「今年は怪速亭はないから、自力調達しなければ」と思っていました。
冷たいアクエリアス。やっぱ、わたしはアクエリアスが好き。
さあ、ここからの5キロがまた正念場です。
この5キロをしっかり走ったら、浅茂川の大きなレストステーションがあります。
浅茂川についたら、あとはしばらくは平坦なコースなので、少しは楽に走れそうです。
そうしてしばらく進んでいくと、私設エイドが見えました。
「あっ、ふき子さん!」。こういうときに知っている人の顔を見るとほっとします。
今年もエイドに来てくれたんだーと思うとほんとうに嬉しかったです。
エイドは、ほんとうにランナーの気持ちがきれそうなところに出してくださっているので、大盛況でした。
やっぱりランナーは、「ここ」というのがわかっているからねぇ。
わたしは、今年はエイドがないものと思ってアクエリアスをもっていたので、エイドには寄らずに進みました。声をかけてもよかったのですが、とっても忙しそうにされていたから遠慮しました。
でも、そうやって今年も来てくださっているというのは、すごい力になりました。
35キロから40キロ、40キロから45キロとふたつのヤマがあると思っていましたが、40キロからの5キロは、覚悟をしていたせいか、そんなに苦しまずに済みました。これも経験でしょうか。
ここの坂で、今年の秘密兵器「ドライパイナップル」を試してみることにしました。
ドライフルーツは、加古川マラソンのときに食べて、とっても元気になったという記憶があります。
甘さといい、ミネラルといい、ぴったりだと思いました。
それで、ウエストポーチに入れていたフルーツを一口、口に入れると、なるほど美味しいです。きつい甘さは快感です。
でも、甘すぎて、むせてしまいました。
幸いにも、そのときはアクエリアスをもっていたので、大丈夫でしたが、何もなければ甘すぎて、喉が乾く原因にもなりそうで、食べるときは要注意です。
でも、飲み物さえあれば、これはなかなかいい食べ物です。
次からも携帯するようにします。
45キロは37分53秒05、5時間14分41秒
フルマラソン5時間のペースと思っていたので、ほぼ予定通りというか、ちょっと速すぎでした。
45キロは浅茂川のレストステーション。
ここにはうどんがあったり、マッサージがあったりするのですが、それはパスして、スープとオレンジジュースを貰いました。
それから、アメとようかん。
一口のようかんは、何度か食べましたが、わたしにはちょうどよかったみたいです。
ここのエイドでは、ゆっくりされる方は多いけど、わたしは、おうどんを食べている余裕はないので、早々に出発。
ここは地元の高校生が、見送りに名前を呼んで応援してくれるのです。
ナンバーカードで名前を確認して、「がんばれ、がんばれ ○○」とみんなで言ってくれます。
これはねぇ、ほんとうに力になりますねぇ。
押されるように前に進むって、こういうことなんだと思います。
しばらくはフラットなコース。
というか、網野の街中を走るので、信号待ちもでてきます。
わたしなど、どちらかというと信号待ちをしたいのに、できなくて、「あっ。惜しい」って感じになります。
信号待ちにイライラすることもなく、地元の方の応援を受けながら、1歩ずつ。
そろそろ半分の50キロももうすぐです。
次の大きなエイドと関門が55.9キロで7時間45分。45キロで5時間14分なので、一応、今のペースではあまり心配しなくていいみたいで、安心です。
ただ、痛さを感じている右足だけが、とっても不安でした。
50キロは、41分29秒、5時間56分11秒
次の関門までの約5キロ、しっかり走らなければと思います。
半分まで走ったのですが、丹後の醍醐味はこのあとの碇高原、これで半分なんて思いもしません。
碇高原へ登るチャンスに近づいたくらいでしょうか。
それでも目標にしていた35キロから45キロは、とりあえず走れてひと安心です。
後半の苦しみは次のページに書きます。