多重債務者問題について

 

多重債務者が社会問題になっている。家族の病気などのような不意の出費をきっかけに、借金を重ね、やがては高金利のヤミ金でのお金を借りることになり、利息ばかりを払い続け、業者には「格好」の利用客になってしまう。多重債務により、基本的な生活が奪われてしまい、自ら命を絶つという最悪の事態も少なくない。多重債務者問題を解決することは、人として生きる当然の権利を誰もが享受できるようにするだけではなく、やがては適正な納税者になる人を支援することであり、本人だけではなく社会的に重要な課題である。

 多重債務者に陥ってしまうのは、貸金業者の高金利に原因がある。2006年の法律改定前は、利息制限法では1520%の金利が上限とされているが、違反しても罰則規定がないために、出資法による上限29.2%を超えない程度の金利、多くの場合25%前後、グレーゾーン金利での貸付がされていた。急な出費を補うための借金が、やがては複数の業者から不利な条件での借金を重ね、みなし弁済によって、消費者が任意に支払っている状態にされている。みなし弁済は厳格に解釈すべきという最高裁判決により、多くの債務者が過払い金の返還が受けられるようになった。

200612月の貸金業法の改正のポイントは、グレーゾーン金利を廃止して、出資法の上限金利は20%、利息制限法も50万円未満で20%に、返済能力のない債務者に貸付を行わないこと、違反した業者への罰則が厳しくなったことである。

それでもまだ高金利であることに変わりはない。経過措置として小額短期貸付では25.5%という高金利が2年間継続される。また借金を断られる人がさらに「ヤミ」に流れる危惧もある。多重債務の背景には貯蓄ゼロ世帯、非正規雇用者、低所得者の増加などの格差の問題がある。多重債務者個人ではなく、社会問題として解決していく必要がある。

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貸金業法改正

貸金業法改正

2006年の12月に改正されたので、旬な話題として出題の可能性大と予測しています。
あれこれ考えるより、上記の経産省のサイトをみるのが一番だと思います。
改正のポイントは6つ

貸金業の訂正化、
過剰貸付の抑制、
金利体系の適正化、

ヤミ金融対策の強化、
多重債務者問題に対する政府をあげた取り組み、
経過措置

ポイントは、太字にした2点だと思います。
なんでこの改正がされたか、そこを考えると、自ずと全体像が見えてきます。

改正前の問題点

刑事罰の上限金利となる出資法の上限金利は29.2%
民事上無効の上限金利となる利息制限法の上限金利は、貸付額の応じて15〜20%

利息制限法の例外として、貸金業規制法では、1任意性 2一定の書面要件を満たせば有効としている。これがグレーゾン金利です。

このグレーゾン金利が最高裁で、有効な弁済と認められない判例が多くみられるようになった。
つまり、任意性、一定の書面要件を満たす場合にのみ「グレーゾン金利」は有効ということです。

改正貸金業法では、「みなし弁済」(グレーゾン金利)を廃止し、出資法上限金利を20%に引き下げる。

次に多重債務者の問題です。
多重債務者が発生しないために総量規制を導入しています。

まず個人向け貸付は、指定信用情報機関に登録して、貸付時に他の借り入れを把握します。

貸金業者に借りての返済能力の調査を義務づけます。

自社の貸付が50万円を超す場合
総借入残高が100万円超となる貸付

この場合、年収などの資料の取得を義務づけます。
そして、その調査の結果、総借入残高が年収の3分の1を超える貸付など、返済の雨量kを超えた貸付を禁止します。

下記の文章は、多重債務者問題について書いていますが、貸金業法の改正のポイントが、グレーゾン金利の廃止のみになっています。
総量規制についても書く必要があるでしょう。
総量規制、グレーゾン金利、それぞれで800字で書けるようにしておけば、どちらが出ても大丈夫だし、改正の全体像がつかめると思います。

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