2000年2月19日(土)

この間、大学での授業の中で、日本は本当に豊かなのか。 という学生さんたちとのやり取りに大変興味深いメールをいただいた。

ちょっと面白いのでここに掲載させていただきたいと思う。

『うちで、「ドゥニャンさんが学生さん達に押し切られそうだから応援しなくちゃ」と話していたら、夫が、「そりゃ、ドゥニャンさんの負けだよ」と口をはさんできました。
実は自分の専門に関する話なので黙って聞いていられなかったみたいです。

国連で出している豊かさを計る尺度に「国連人間開発指数」なるものがあって、簡単に言えば、@所得A寿命(社会保障や医療制度がバックグラウンドとなっている)と識字率(教育制度がバック)から、いろいろ考えて割り出した数字で豊かさを計るそうです。

それによると、日本は4位、ロシアは71位(1999年)と格段の差があるそうです。
その核になっているのは、「個人のもつ潜在能力を十分に生かせる条件がいかにそろっているか」で、この思想はノーベル賞を受賞したインド人のセン教授の考え方だそうです。

たとえば、ロシア人の平均寿命は60歳代(だと思のですが)なので、潜在的にもつ生命力を全うすることができない。したがって日本人と比べて20年も損をしている。ロシア人の識字率はかなり高いほうだが、それに合う職場が確保されない、所得が低いので外国へ行けないなど、とりまく環境との関連で思いっきり勉強ができない。所得については言わずもがな。

ドゥニャンさんや私たちはこうした条件が少なくともロシア人よりはそろっていて、自分でライフスタイルを選択できるがロシア人はできない。つまりロシア人は潜在的能力はすぐれていても生かし切れていないのでドゥニャンさんはそこのところを一緒に泣いてあげないといけない・・・(夫) そうです(笑)。 
ちなみに「人間開発指数」順位は、@カナダAノルウェーBアメリカC日本Dベルギー・・・・30位韓国 70位西サモア 72位エクアドル 73位マケドニア・・・98位中国・・・と、話し始めるととどまるところを知りませんのでこの辺で切り上げさせますね。』

というメールである。
なるほど、確かにそうだなぁとうなずける。となると、やっぱり日本は世界に名だたる豊かな国の一つなのだ。


だけどぉ!!


なんとなく納得したくないなぁ、日本がとっても豊かな国である事を・・・というのがドゥニャンの心情である。

だって、長生きしたって老人として大切にされる国ではないし。教育現場は荒れて来ているって言うし。
第一、個人として生きにくいって言うのは、確かな事なんではないのかしら??
自分の主張を持ったりしたら、たちまち叩かれる経験を持った人は多いのではないか。
せっかくの知識や知恵を披露すると、傲慢な人と煙たがられるかもしれないので、それを押し隠している人も大勢いるかもしれない。
それになんと言っても、子ども達に自由がない。
教育に割かれる予算が年々削られていっていると聞く。

せっかく世界の中で信じられないほど恵まれている条件持っているのに、それを無駄にしている今の日本という国。
何とかならないものかしらねぇと、考えてしまったドゥニャンである。

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