大劇場『ダル・レークの恋』 初日
1998.11.7 14:00開演
星組大劇場公演『ダル・レークの恋』初日の幕が開きました。
この公演、宝塚が5組体制となってから初の公演であり、新しいトップ娘役としてユリちゃん(星奈優里)が星組に帰っていらした公演であり、そして、そして、あの春日野八千代先生の代表作との呼び声の高い演目の再演であり、、といういろいろと話題の高い公演でした。
星組さん達もそれなりのプレッシャーを抱えての初日だったと思うのですが、人数の少なさを感じさせない、見所満載の公演であったことをまずご報告しておきます。
実は私はとってもおまぬけな事に本日プログラムを購入することを忘れてしまいまして、正確で詳細なご報告が出来そうにありません。ですので、正に記憶のみを頼って以下、簡単に感想のみを書かせていただきます。
幕開きは白いターバン姿に黒エンビ服・黒マント姿のマリコさん(麻路さき)と男役さんの場面です。プロローグということでしばらくダンスシーンが続きます。マリコさんは歌を…多分主題歌だと思うのですが、少しもの悲しい曲です。もちろんダンスも…ここは羽山先生じゃないかなぁ?という振付でした。浅黒いお顔にターバンがお似合いで。(*^_^*) 途中踊る淑女Aとして万里柚美さんと朋舞花さんが踊るターバンの紳士Aのノルさん(稔幸)とブンちゃん(絵麻緒ゆう)の相手役としてデュエットダンスを踊られています。
次にユリちゃんが出てきてゆったりとした曲の中で群舞と共に、主役コンビのデュエットダンスになります。ブンちゃん(絵麻緒ゆう)もノルさんと一緒に出ていらしてそれぞれ娘役さんと踊られていたと思います。
ここで主役コンビはいきなりリフトを…。受け止める直前にマリコさんがユリちゃんに「どんと来て」みたいなお顔をされたように感じました。なかなかよい雰囲気の新コンビのスタートでした。
その後、ノルさん(稔幸)の場面となります。ノルさんは金色のインド風のお衣装でバックにトオルちゃん(朝宮麻由)とオトコちゃん(音羽椋)と金の男・女を従えていたと思います。ご存じの方も多いかと思いますが、初日前にノルさんがお怪我をされたそうで、初日までに回復されるか心配だったのですが、大丈夫です。全場面にご出演されていたと思います。ここのノルさんは出てきた瞬間から「悪い男」という感じでいい感じでした。
そして、最後にさえちゃん・妃里梨江ちゃんを中心にポーターとメイド達のダンスとなり、そのまま物語の導入部になります。
まず最初のプロローグでおそらくほとんどの生徒さんが出演されていたと思います。そして、それぞれに見せ場が作られているように思いました。
お芝居では、主役ラッチマンは、歳は28・9といったところでしょうか。「誠の群像」の土方よりは若干若そうな感じ。現在と7年前と(少し未来もあ
りますが。)あるのですが、7年前のラッチマンは少し危なそうで、若さゆえのつっぱしりのようなものが感じられて、ものうげにしているところなどが超好み。
現在のラッチマンは7年たって大人になった男という感じで、過去に遊びつくしたから今は誠の愛を探していてカマラ姫(星奈優里)に出会ったのでしょう。しかし、愛する人は身分制にこだわりを持つ人、自分は一人の男として彼女を愛し愛されたいと思っている。ここが二人の間のギャップとなっていて、ラッチマンはそのギャップを取り除こうと必死だったと思います。そして一つの賭に出たのがダル湖畔での出来事であったと思うのです。安直には結ばれない恋愛。苦悩する男はお手の物のマリコさんですが、今回はその苦悩をも隠そうとする男でかなり複雑な心境をうまく表現していたと思います。
ダル湖畔ではいきなりピンクのベット?ソファー?らしきものが登場して、場内には「おぉぉぉ〜」というどよめきが…。(^^;)「とうとうマリコさんもここまで来たか…うーん(--;)…でもポッ(*^_^*)」というのが私の感想です。どのように説明したらいいのか悩んでおりまする。そのまま描写していいんだろうかぁ〜。とにかく綺麗な場面です。
あ、ここのラッチマンはターバンをとっていて、魅惑IIのクロード様みたいなロンゲです。ユリちゃんは踊り出すととめていた髪留めがとれて超ロングがバサーッと落ちてくるんです。そして二人は…。
ラッチマンは他にターバンから少しだけ髪が出ているパターンと、ターバンからもうちょっと出ているパターンとパリでのオールバックがあるんですけど、ターバンから髪を出しているパターンは改良の余地ありです。でもでも、オールバックは超格好いいです。
トップ娘役として帰ってきた星奈優里ちゃんは「満を持して」登場しただけあって堂々としたものです。マリコさんとは過去にコンビを経験済みですので息もあっていました。カマラという人は身分にこだわってしまって、決して本心(ラッチマンを一人の男として愛していること)を認めることが出来なかったのですが、「身分や立場にこだわる」のと「でもラッチマンを愛している」が交互に出ている感じはよく出ていたと思います。少々切り替えが早いような気がしたので、揺れ動く雰囲気をもう少し出していただけると私好みなんですけど…。
とはいえ、トップお披露目初日であることを感じさせない、安定した演技でした。今後練れてきたらどうなるのか…すごく楽しみな方です。
ノルさんは実は黒い役が似合う人なのかなぁ〜と思いました。お衣装も、白よりも黒の方がしっくりしていると思いましたし。物語は1部でかなり進行していますので、ノルさんのペペルは1部の後半で早くも登場します。リタ(羽純るい)を愛しているとみせかけるところはいかにも悪そうで、でもリタをその気にさせる魅力を感じさせてグー。その後豹変してしまう辺りも本当に悪そう。座談会にある通り悪に徹しています。途中ラッチマンに銃をつきつけられたところでは「二人だけが悪」のアレクセイが少し出ていたかも。演出がなんだかそっくりだったもので…。とにかく、ノルさんの「ワル」の魅力にはまりそうです。
物語については、プログラムもないことですし、ここでは深く言及せずに速報らしく、フィナーレナンバーについてご報告しておきます。
まず、物語の終了後最初はブンちゃんが銀橋を歌いながら渡ります。結構銀橋上に長くとどまっていたような印象があります。直前にラッチマンが歌っていた主題歌の別バージョンです。ここはインド風のお衣装です。
次にユリちゃんが飛び出してきて、鉄格子の影の下で崩れおちたようなポーズを。ユリちゃんが去るとノルさんが男役を従えてセリ上がってきます。そして最後にマリコさんがセリ上がってくると男役がマリコさんを頂点に三角に並び男役のダンスとなります。これが非常に変わっていて、まずお衣装はテカリ素材の銀色のスーツ。シャツは開襟です。マリコさんはオールバックノルさんは少し前髪を両サイドに垂らしていて、どちらも遊び人風。ダンスはインド風を思わせる手つきなんですが、ステップは現在のダンスであり、音楽もアップテンポなものです。フォーメーションがいろいろ変わり、三角、十字一列で千手観音みたいな手の動きを見せるもの…など、オペラをはずしてみてみたくなるような場面です。とてもおもしろい振付で、必見です。
ユリちゃんがでてくるとマリコさんを残して男役が去り、ユリちゃんが後ろに下がると娘役4人を従えてセクシーに踊ります。それをマリコさんは端でひざまづいて見ています。顔付きはかなり怪しいです。娘役さんは肩を出したスタイルの銀色のミニドレスで、左脇が割れてそこが濃いグレーの生地になっていて動くたびにそこも動くのがなんともセクシー。
やがてノルさん始め男役さんが戻ってくると、それぞれのデュエットダンスとなります。
主役コンビはここでマリコさんがユリちゃんを逆さに抱き上げて肩にのせるという大技を見せてくれます。最後は群舞の中マリコさんとユリちゃんが乗ったセリが少し上がったところでポーズ。
この場面、最初のユリちゃんの登場から主役コンビのポーズまで、スピード感を感じさせる素晴らしい出来で、個人的にはジュビレーション!の「ジュエリー」の場面以来のゾクゾク感を味わいものすごく気に入っています。
その後でロケットとなります。ここは人数は今まで通りだと思うのですが、出演者が割と上級生まで出ている感じでここにきて星組の人数が減った事を意識することになりました。
場面変わって大階段にスモークが焚かれ、階段上にユリちゃん・マリコさん・ノルさんがポーズを取っています。噂の男役の足が透けるというお衣装ですが、白い生地の柄が透けているというもので、言うほど(^^;)透けていません。あ、マリコさんだけでなくノルさんも同じ生地です。でも、言うほど(^^;)透けては…。もっと透けているかと期待していたんだけど、、、。ユリちゃんもそんなに透けてなくて、むしろ芝居のラッチマンとのダル湖畔でのポッ(*^_^*)のシーンの方が、エッチかも…。
そんな中(どういう中だ(^^;))ノルさんの熱唱に合わせてトップコンビの白いデュエットダンスとなるのですが、、、どちらかと言えば前の銀色の衣装
の場面の方が見応えがあったような気がします。今後この場面の成長を楽しみにしています。
で、パレードとなります。
ここでいきなりエトワールのそんちゃん(秋園美緒)がベールの裾を踏んで歌い出しの直前で転んでしまい、場内がヒヤッとしましたが、大事にはいたらずそんちゃんもしっかりと美声を聞かせてくれました。
パレードではやはり人数が減ったことを感じました。ユリちゃんなんて、たった一人で降りてこられますし。階段上の下級生の他は花道から花道まで一列でO.K.です。ここにきてたったこれだけで公演していたのかぁ〜と感心してしまいました。
パレードの最後ではマリコさんが自分が挨拶した後ユリちゃんの手を取って前へ連れだし、二人が揃って客席に挨拶を。マリコさんらしい心遣いだったと思います。
★Nifty-serveより転載★
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