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『ダル・レークの恋』
星組全国ツアー☆三好
1998.4.26 夜の部


  愛知県三好町にある文化センターサンアートでの星組公演を観劇しました。
 三好町の町制移行40周年記念行事の一環らしかったです。
 なんでも25日13:00の部には三好町に住む70歳以上のお年寄りが多数招待されていたそうで…(伝聞ですが)客層がいつもの公演とは全然違っていました。私はこの回を観ていませんが、終演後でてこられた皆さんは心なしかお顔のお肌がツヤツヤしていたような…気がしました。(^^;)

 サンアートは座席数が1000程でキャパが少なく、特に関西から行きやすい立地条件でもありチケット確保が困難な公演となりました。サバキ待ちされている方が何人もいらっしゃったのですが、難しかったのではないでしょうか?
 私もようやく4月26日17:00を観劇することが出来ました。

 前方の座席で観劇しましたので、舞台全体を観ることが出来ませんでした。それゆえ、人数が減った事による舞台上のバランスなどは全然分かりません。それでも、見た目「えっ、少ないのね。」というところが多かったと思います。
「剣ジュビ」地方公演のときにはここまで「少ない」とは思わなかった記憶があります。

 幕が開いてマリコさん(麻路さき)のラッチマンを目の前にしたとき、プロローグは幻想的な作りなせいかまず最初に「美しいなぁ〜」と思ったのですがそれだけでジーンと泣けてしまいました。美しさが心に染みてくるんですもの。
 でも、私はラッチマンがカマラと別れたのは悲しいけれど正しいと思っているせいか、他のマリコファンのみんなが泣いたという最後の台詞で泣けるということはありませんでした。私にとって、舞台にいるのはラッチマンそのものだったからでしょう。

 感傷にひたる間もなく、幕が開けば役代わりのハッチさん(夏美よう)とミッキさん(千秋慎)の貴婦人が…。私の前にはミッキさんがいらしたのです
が、おぉ〜綺麗だぁ〜。で妙に迫力がある〜。ラッチマンとカマラが中央で踊っているのも、下手端で貴婦人4人がごちゃごちゃしているのも同時に見ることが出来る位置で良かったです。以前と全く台詞は同じだと言うのに、この違いようは一体何なのでしょう?あの場面を単なる転換のための時間かせぎにするのか、そうではなくおもしろい場面にするのかは役者次第なのだなぁとしみじみと実感しました。
 ハッチさんはオヤジみたいな声と態度で笑いを取っていましたが、あれは最初から?私の好みとしてはミッキさんみたいないぢわるおばさん風で笑いを取って欲しいなぁ〜。だってオヤジはこの後でやるじゃないですか。(^^;)

 さえちゃん(彩輝直)のクリスナはなかなか良いのではないでしょうか。威厳は若干足りない気もしますが、なんと言っても品が良いですね。ブンちゃん(絵麻緒ゆう)は抑えた中に王族の威厳を感じさせていましたが、さえちゃんはそのときそのときの感情を丁寧に台詞に表していて、それでいて持って生まれた気品がカバーして王族を表現している印象でした。

 同じく役代わりのラジオン(朝澄けい)ビーナ(亜づさ真鈴)カップルは、本公演での二人(彩輝直・妃里梨江)に比べて少しおとなしめですが、歌は
こちらのカップルの方が安定しているみたいです。

 ラッチマン様については、今回観たのが上手だったのですが、今まで下手で観ることが多かったので新鮮に感じることが多かったです。
 中でもおぉ〜〜(◎o◎)!と思ったのは、「愛のバレエ」の男らしさですわ。分かる方向けのマニアックな説明になりますが、背中を向けたラッチマンにカマラがしがみついた後、一旦ベッドに倒れて立ち上がり上手でラッチマンがカマラを支えながら2回ほどカマラが背を反らせるところがありますよね。このとき、私はいつもラッチマンの表情に注目していたのですが、今回初めて下の角度からラッチマンの全身を観ることが出来まして、、、そしたらですねぇ、ラッチマン様の足もとがむちゃくちゃ男らしいんですの。もうバーンと足を広げてもちろんカマラを支えるためなんですけどそのシルエットが格好よくて力強くて男らしくて…、、いやもう、惚れ直しました。(*^_^*)
 
 ダル湖の祭りのところで「カマラ…」とキスした後、何故か唇を触るラッチマンは三好では復活していました。聞けば仙台から復活していたとか…。きっと川口・市川でのファンの嘆きの声がマリコさんに届いたのでしょうね。  

 1幕ラストで「まだやることがあると言ったでしょう!」とジャスビル(英真なおき)を追いかけるラッチマン。ジャスビルが一度隠れるので抜いてしまい、「あれ?」ってなりますよね。私が見た回ではこの後ジャスビルが後ろからラッチマンの頬に指を近づけて振り向いたラッチマンはジャスビルに指で頬を押されるという、いつもとは反対にジャスビルにいたずらされてました。

 2幕の幕開きのエトワール(朝澄けい)は、帝劇での代役の時よりも格段に余裕があり、のびのびと演じていたと思います。踊る女にきんさん(朝峰ひかり)がいるのですが、表情・ダンス共に元気で明るくて目立って見えました。

 パリのラッチマンは噂の真澄うららさんにどんな風に絡むのかワクワクしていたのですが、ラッチマンがお尻に手を回そうとするとすかさず手をつかまれて腰に持ってこられたので腰を抱いていました。お尻を触るところがちょっと見たかったのでした。(^^;)
 ルネ(久城彬)とほんと兄貴と可愛い子分みたいな関係になっていて、どちらも可愛かったです。ルネってば誰からあのネックレスを摺ってきたんでしょう?
 ペペル(稔幸)が結構上手の前方を見ているので、一度目が合ったような気がしたんですがすっごい怖い目で見るんですぅ〜。でも「目を逸らしたら失礼よね。」と思ってがんばって見続けましたがゾクゾクしました。

 あ、怖いと言えば、「ラジアの饗宴」金の男のセンターで踊るヒロコちゃん(久城彬)の目も怖かったです〜。とてもルネと同一人物とは思えない〜。

 みんつちゃん(万理沙ひとみ)のミシェルは思ったよりも大人な女に感じました。でも、ちいママですかね。ちょっとペペルを抑えれるようなマダムには見えなかったです。いっそのことキャラクターを変えて台詞の言い回しも変えた方がやりやすいだろうになぁと思いました。
 みんつちゃんと言えば「ラジアの饗宴」の金の女Aの方は妖しさに欠けていると思います。こっちはもっとがんばって欲しいです。まだセンターに立っている人の表情にはなっていないと思います。

 ラッチマンとカマラの場面はもはやどこにも破綻はなくて、愛しているけれど王族を捨てられないカマラと、本当の自分を愛して欲しいラッチマンと、
真実の愛が見つけられない二人のすれ違いが見ていて本当にせつないです。パリでラッチマンを探し続けるカマラをそっと見送るラッチマン。まだカマラを忘れられていないんですよね。いつかこの二人がもう一度結ばれる時が来るといいのに…と思わずにはいられません。いつになったらラッチマンはまことの愛を見つけられるのでしょう…。

 パリと言えば、ラッチマンがカマラに別れを告げた後、数年後のパリに変わる前は、ペペルがジャスビルに連行されて出てくるところにそっくりで、もう一度ペペルが出てくるんじゃないか…とびっくりしました。幾ら何でも安易な演出だと思います。インドの召使いを3人歩かせるのはやめた方がいいと思います。どう見てもインドです。

 主役クラスが本公演から続けて安定した演技を見せる中、中堅以下には役代わりが多く見られてずーっと見ている私にも新鮮に感じられました。
 全国ツアーの出し物として、この三好のように宝塚が今回初見の方達にこれぞ宝塚と言うべき「’98ダル・レークの恋」を見ていただけて嬉しいです。

 あぁ、でも川口・市川ではあったというカーテンコールのマリコさんの投げキッスを三好でも見たかったんですけど、余りにも地元色の強い客層で私などの拍手では力及ばず…という感じでした。(/_;)それだけが心残りです。

 ★Nifty-serveより転載★

   
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