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宝塚星組公演
『エリザベート』

宝塚大劇場
1996.11.8 初日の印象

 
 昨日11月8日14:00 星組『エリザベート』の初日の幕が開きました。

 まだ一度しか観劇していませんし、トート(麻路さき)を中心に追っていたので周囲にまでまだ気がまわっていません。ですので、詳しい内容については後日と言うことで本日は軽い感想にとどめて書きます。

 幕開け、ルキーニ(紫吹淳)が飛び出してくると、「あぁ、本当に星組でエリザベートをやるんだなぁ〜。」と思いました。リカちゃんはポスターとは
違い、パーマっ気がない長髪を後ろでくくっていました。そして始まると、出てくる出てくる見知った出演者達が・・・・・。出だし、ものすごい緊張感を感じまして、みなさんかなり固くなっていらっしゃるような印象を受けました。

 トート(麻路さき)の衣装は全て新調だと思います。マリコさんはポスターやスチールとはまた違ったお化粧になっていて、ぐっと良くなりました。グリーン系のメイクで青白い感じがよく出ていました。
 演出・振付に大きな変更はないのですが、やはり仕草・表情等が麻路さきのトートをよく表現していて、かなり違う印象を受けました。細かな部分ではシシィ(白城あやか)にフランツ(稔幸)が最後通牒をつきつけられた後の衝立からの登場時にまず手だけが登場。(ただし、でていくのはやっぱりドアを開けてだった。(^^;))ルドルフの葬式の場面で棺の後ろから現れたトートが棺の上にあがって座り(これがまたクラクラくるくらい格好いい。)シシィが死にたいと言うと一瞬喜んで降りてきてシシィに死のキスをしようとするが、シシィが自分を愛していないことに気が付きつきはなす。など、変化が見られます。他には歌の隙間にダンスが少々増えていると思いました。
 マリコさんの歌は、低音部分が聞こえにくい感じがありますが、高音部分は逆に非常に明瞭で聞きやすかったです。歌い方が以前と変化しています。組全体に言える事ですが、唄い方が雪組さんに比べてストレートな感じでした。低音については全体的に聞こえにくい印象でしたのでミキサーさん次第でもう少し改良出来るようにも思いました。
 シシィが綱渡りで落ちて最初に出会ったときから、一目で恋に落ちたトートは非常に表情が豊かで、かといって人間には見えず、それが魅力的で私はトートに釘付けになりました。

 シシィのあやちゃんはかなり緊張していたと思いました。おそらく昨日は本来の力の半分くらいしか出せていないのでは?とにかく、表情が・声が固いんです。おそらく明日以降どんどん変化してくると思いますので、楽しみにしています。お衣装は非常に雪組版と似ていますが、かなり新調していました。

 フランツのノルさん。謁見の間の登場時から、優しさのにじんだフランツになっていたと思います。ゾフィー(出雲綾)とのやりとりの間が非常に良かったと思います。ノルさんも最初は緊張しているのか全く別人の様に感じましたが、進むにつれ、落ち着いてこられたように思います。こういう優しい2枚目というのをノルさんがされると安心して見ていられます。

 ルキーニのリカちゃん。ひょうひょうとした・・・という形容詞がつくようなルキーニだったと思います。自毛の長髪はなかなかワイルドな雰囲気で、雰囲気が出ていたし、ここまでやれればまずは及第点でしょう。こちらも今後どのようにふくらませてくれるのかが楽しみ。(*^_^*)

 今日はこのくらいにして、後日、いろんな角度から見させていただいて書かせていただきたいと思います。とにかく今回は見るべきところが多すぎて、たった1回見ただけでは自分の思い込みが激しくなりそうなので・・・・。

 次に変更があったフィナーレについて・・・・。
 フィナーレナンバーはまず、ノルさん(稔幸)の銀橋ソロと、ロケットは変更点なし。ロケットが終了すると大階段の真ん中にベージュの衣装のマリコさん(麻路さき)とそれを取り巻く娘役達。大階段上で踊り、そのまま本舞台に降りると群舞の中からトンミちゃん(月影瞳)が飛び出してきてデュエット風に踊ります。今までこのような設定は見たことがなかったので、新鮮でした。トンミちゃんが幸せそうに寄り添う姿は美しかった。(*^_^*)
 そしてそのままマリコさんが舞台に残り、青い変わり燕尾の男役の群舞が始まります。ノルさん・リカちゃん・ブンちゃん(絵麻緒ゆう)が階段最上段よりゆっくりと降りてくるパターンは一緒。注目していた長髪のリカちゃんは、なでつけ髪でそのまま後ろはひとつに括っていて、なかなかノーブルでした。(*^_^*)
 マリコさんを中心に踊り、ちょうど一路さんが斜めに階段を上る付近もそのまま本舞台で踊っています。そしてマリコさんが袖に入るとノルさんを中心にして雪組と同じ振付のダンスとなります。
 男役の群舞が終わると、赤い変わり燕尾のマリコさんが「最後のダンス」を大階段上で唄い、あやちゃんが赤いドレスで登場します。曲は「最後のダンス」を編曲したもので、途中ラテン風に転調するなど、洒落ています。最後は二人が銀橋まででてきて踊り、パッションブルーの黒い瞳のラストの様なポーズ決めで終わります。
 ふと、白いデュエットダンスはさよならショーに残してあるのかなぁ〜と思いました。
 デュエットの最初はエリザベート風の固い表情だったあやちゃんが、曲が進むにつれてどんどん柔らかな表情に変わっていくのが印象的でした。

 パレードのエトワールは月影瞳→次に湖月わたる・久城彬・彩輝直→神田智・万理沙ひとみ・陵あきの→絵麻緒ゆう→紫吹淳→稔幸→白城あやか→麻路さき という順に階段を降ります。
 マリコさんは黒い衣装に黒い大きな羽根で、金髪が映えていて美しかったです。最後は黒い羽根にして欲しいと思っていたので、嬉しかった。(*^_^*)
 銀橋上で上手のノルさんと挨拶をした後、下手のあやちゃんと挨拶をするときマリコさんがあやちゃんの手を取って甲にキスをしました。
あやちゃんはちょっとびっくりしながらも、慣れているのか動じる事もなく深々と頭を下げたそうです。
 
 期待と不安の入り交じった複雑な心境で迎えた初日ではありましが、終了したいま、大きな安堵感にひたっています。演出に変更がなくとも演者が違えばやはり新しい芝居を見ているような新鮮な舞台となっていました。是非たくさんの方にご覧になっていただきたいです。

 マリコさんのトートは、しっかりとした「自分のトート」が既に出来上がっている感じで、全く別のトートに見えました。一路さんのトートと比べるなんて出来ません。全く違うのですから。
 初日と言うことと、やはり話題のエリザベートであるからか、出演者の緊張は大きかったようです。まだまだ決して本調子ではないと思います。明日以降、リラックスをして、より良い舞台を見せて欲しいと大きく期待しています。


   
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