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宝塚星組公演
『エリザベート』
宝塚大劇場

 15日〜19日目の感想 1幕
(1)

 
 15日〜19日にかけて4回観劇してきました。
 先週は出演者評を中心に書いたので、今回は場面を追いつつ2週目の感想を書かせていただきたいと思います。
 まず最初に19日の2回公演が両方共素晴らしいものであったことをご報告しておきます。火曜日なので1週間の疲れもピークだろうし、どうかなぁ〜?と思っていたのですが、なんのなんの、非常にテンションの高い良い舞台をみせて貰いました。ゆえに、この日の公演を中心にした感想です。

★第1幕★
★第1場 プロローグ 死者と夢見人たちの夜の世界
 飛び出してきたルキーニ(紫吹淳)は初日付近よりも多少キリッと髪をなでつけ気味ですね。汚いのは私の趣味ではないので、前のザンバラ風よりもこの方がスタイリッシュで私は好きです。「エリザベーート!」と手錠を引きちぎるところなど、ワイルドさが増してきた感じ。

 星組では棺から出てくるのが上手からルドルフ(絵麻緒ゆう)フランツ(稔幸)ルドルフ少年(月影瞳)マックス(シシィパパ)(一樹千尋)です。その後でフランツを中心にして並ぶのだからどうせだったら棺は5つにして、フランツを中心にしてゾフィー(出雲綾)も棺から出してあげたらいいのにぃ〜と、見ていていつも思ってしまう。舞台の奥行きの関係でしょうか?
 暗めの衣装の霊魂達の中でフランツは被っている布の奥に赤い衣装が映えてそこにスポットライトが当たっているのを2Fから見ると非常に綺麗です。
 またその奥でセリ上がっていくルキーニには雷のようなフラッシュが当たってここらへんは雪組さんでも見とれていました。

 出てきたトート(麻路さき)の美しさに感動。左肩から下がるマントのようなケープのような・・・のの扱いが難しそうなんですが、2週目になると、剣を扱うときなんかのマントの扱いにも工夫を感じます。
「皇后への愛だぁ〜。」と歌い終わって横を向いた時が美しすぎます。せつなげで、うっとり見とれてもうもうここはオペラをはずせないです。
 ルキーニに「言ってもいんですかい?」と言われて険しい表情に変わり剣を振り翳しますけど、もしかしてあの剣って重いのかしら?と、私が思うよりも剣の動きが重そうに見えて気になっていたんです。でも、近頃はあえて早く振ろうとはせず、雰囲気たっぷりに指し示す〜という風に剣の扱い方が変わっていました。

★第2場★ ポセンホーフェン城
 肖像画から飛び出してきたシシィ=エリザベート(白城あやか)は、だんだんと可愛さが増していると思います。あやちゃん(白城)は声に艶があるので、ふとした拍子に色っぽい声になってしまうときがあって、ここはふんばってかわいく通して欲しいところです。でも仕草とか表情はとっても可愛らしい少女になっていると思います。
 家庭教師(貴柳みどり)にあっかんべーをした後の走り方がすんごい可愛い。

★第3場★ シュタルンベルグ湖畔
 ルドヴィカ(英真なおき)とヘレネ(万理沙ひとみ)が揃って手を振り上げるところが好きです。2Fから見ていると可愛いの。みんつちゃんの「は〜
〜いぃ。(*^^*)」も好き。

★第4場 冥界〜エリザベートの部屋
 エリザベートが木から落ちて黄泉の世界へつれてこられるとトート様が椅子に座って登場。車椅子?と思いかねない感じに登場なんですが、(^^;)星組の場合ポスターで使っているのでここが冥界であることは納得・・・・。ここで、マリコさんはポスターと全く同じポーズで座ってるんですよ。宝塚ホテルで行われている公演の写真展(舞台稽古のものらしい。)では手が逆になっているので、今は意識してやっているんだろうなぁ〜と気がつきました。
 自分の役目として死のキスをしようとしてシシィに「私を帰して!」と懇願され、初めて芽生えた愛という感情。その感情にとまどい、でも押さえがたく、シシィに愛されたい!とのぞみ、人間界に帰してやるトートがせつなくて好きです。
 シシィが帰った後、その場にたたずみもう一度せつなげな表情を見せるトート。最後はおまえに愛されたいと強く決心して身を翻して帰っていく・・・・。グーです。上からあたっている柵のようなライトからはずれて上手に去っていくときの歩き方がゆったりとして大きくて余韻が残っていて大好きです。

★第5場 ウィーン王宮・謁見の間
 「過激派・死刑囚・戦争」などの問題を処理するときに、フランツという一人の若い青年として判断しかけるんだけれども、ゾフィーが必ず「ダメダメ」といった風に圧力をかけています。皇帝教育をされているのがすごくよく分かる。
 こうやって、一人の若者が、自分の私情を抑えて、ハプスブルグを守る事を第一に考えるようになっていくんですねぇ。
 タキちゃん(出雲綾)は、単に厳しいだけでなく、心からフランツを愛していて、期待しているといった感じです。

★第6場 バート・イシュル
 ルキーニとシシィが仲良しさんですね。シシィは親戚だろうが、召使いだろうが何の分け隔てなく接する人だったんでしょうね。ルキ−ニが帽子を脱いでシシィを扇いであげるとシシィが本当に嬉しそうにしています。

 そして、ここで注目してしまう人は従僕の司祐輝。この人こんなすごい人だったんですね。2F下手側から見ていたらバートイシュルでグリュンネ伯爵のハッチさん(夏美よう)の後ろに彼女がいたんですけど、ハッチさんに負けず劣らずの個性を発揮しているので驚きました。ゾフィーにお茶をついだ後、グリュンネ伯爵に呼ばれてお茶をつぎに来るときはクルクル回りながらやってきて、で、2回目につぐときにはお茶を伯爵にひっかけて平謝り、と思ったらフランツがエリザベートを選んだものだから、驚いてその場に凍り付く。
 このときの表情がもうもう、、、、。おもしろすぎます。だものだから、この後もこの人が出てくるたびにどうしても探して追ってしまいます。(剣恋でニコラにはまった時のようだわ。(^^;))

フランツが先を歩いて銀橋を渡りますが、言っておかねばならないことを、フランツが話しているときのシシィはまだ子供だけど、がんばって理解するように努めている感じ。シシィの返答を不安そうに待っているフランツは、「あなたの気持ちはよく分かるの。」と聞いてパ〜ッと明るくなります。ここらへん、ノルさんらしい演技だなぁ〜と思います。すごく実直そう。そして二人で幸せそうに銀橋を渡るその後ろにはいつの間にかトートが。

★第7場 天と地の間
 オケボックスから出てきたトートにライトが当たって「予定が狂ったのは俺じゃない、ハプスブルグ家だ!」の一声。格好いいです。この一言の後で銀橋で軽い振り付けがあるんですけど、いちいち決まっている・・・・。広げた手の指サキ、方向を替えるときの見栄を切る表情。そうそうフランツとシシィがキスをするのを黙って見ているときに、サイドの髪を忘れずにいじっているのもなんかファンにはたまらないです。ここらへん、別に小池先生の演出ではなくて、マリコさんの感性のような気がします。小池先生ってここまで細かい演出する方とは思えなくて・・・(推測)。そして、次の場面につながっていくんですけど、マリコさんの不安定そうな歌声(不安定な歌声ではありませんよ。)はこういう怪しげな転調する曲調に一番合うと思います。

   
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