星組公演 『イコンの誘惑』
第2幕 (1/2)
☆ 第一場 クラブ「ゴールデン・エンジェル」 ☆
地下水道では何とか逃げ切ったらしく、クラブでミハイルがタチアーナに手のケガの手当をしてもらっています。地下水道でゲオルギーに撃たれたんです。消毒薬を塗ると痛さにミハイルが「イィィーー!」となるので、タチアーナが真面目な顔で「ふーふーするといいのよ。(^_^)」となだめ笑いが起きます。実際にミハイルがふーふーするとしっかり痛くてここらあたり弾んだ笑いが起きてそのまま流されるのかと思いきや、タチアーナがミハイルの手を取って「ふーっ」とすると雰囲気が一気にしっとりしてくるんです。ここはいつも優里ちゃん凄いな〜と感心してしまいます。清楚なんだけど色っぽい…。またミハイルがたまらない目でタチアーナを見つめているんですねぇ〜。その後「痛さはおさまった?」と聞かれて「却って火照ったみたいだ…。」と一人で照れるところなど、ニヤニヤしながら見てしまいます。
その後、一緒に行くというミハイルにどうしても一人でレオナードに会いに行きたいというタチアーナ。レオナードにミハイルを会わせたくないのでしょうか。ミハイルもタチアーナを愛しているだけにそれ以上強く言えず、タチアーナが一人で行くことを承諾してしまいます。
タチアーナがまず一人で「二人の男性を同時に愛せるものなのか…。」「私には選ぶことができない。」とミハイルとレオナードの間で揺れる心を歌うと、別の部屋でミハイルが「もう愛さないとの誓いは音をたてて崩れていく。」と抑えきれないタチアーナへの想いを歌い、それぞれの気持ちを歌うデュエットとなります。
☆ 第二場 アルバート通り ☆
タチアーナは一人でルシファー教団に出かけたのですが、実はアナトリー達若者チームがついてきていました。タチアーナが心配というより、ルシファー教団への潜入がおもしろそうです。街で布教活動をしている信徒たちに誘われ、「行ってみよう〜☆」とお茶目なアナトリー。歌う信徒(夏風りお・司祐輝)が女の子にもてないのは前世で女を捨てたんだ!前世のカルマを精算しよう!とアナトリーを誘いますが、このときのみみちゃんのイキイキしている事と言ったらもう〜。あんなに端正な顔立ちなのに実は禍々しい雰囲気がお似合いなんだなぁ〜と感心してしまっていつも注目しています。反対に司くんは誠実な人柄がにじみでるとか、ボケをかます役とかの方が似合う気がします。
☆ 第三場 ルシファー教団 聖堂 ☆
いよいよ教祖ニキータ(彩輝直)の登場です。さえちゃんってこういう妖しい系の役をやると美しさが本当に際だちますね。もう2年近く前になるのですがエリザベート新公を思いだしました。白い長い上着にキラキラ飾りがついて、長いストレートロングの鬘も似合って綺麗です。パンツの裾がしぼってあるのはちょっと変。 ルシファー教団の教祖ニキータは自分のカリスマで世界を征服しようとたくらんでいます。ニキータが歌う周りを信徒達が礼拝しているように踊っているのですが、その振付が変わっていて目を引きます。後、この信徒の中の多分美乃杏花ちゃんだと思うのですが、ストレートボブにレイヤーが入った感じの髪型の子が可愛くてお気に入りです。「誰が誰を〜愛しても〜」と手を合わせるところではまず司くん、そして次にみみちゃん(夏風)とリーダー格を総なめにしていてうらやましい(^^;)なんかこの公演の脇役の中ではいつもいい立ち位置だなぁと思いながら見ていまし
た。
ルシファー教団ではニキータの美貌を武器に?CD・ビデオ・本などを売っている他、「君もイブになれる」というダイエットグッズも売っているそうで、私だったら高価な壺よりは欲しいグッズだなぁと思いました。だって、教祖グッズを使ったら自分も美しくなれるなんてねぇ〜☆
そして、ニキータ様との面接は1回15万ルーブル。高くて手が出ない(--;)と(マジで面接したかったらしい…)おりるアナトリーの頭をこづいて中に入っていく男が…。やっぱりミハイル、タチアーナが心配でついてきていたのね。(^_^)
☆ 第四場 ルシファー教団 奥の間 ☆
場面かわっておひさしぶりのレオナード。相変わらずパソコンをパチパチやっています。そこに現れる信徒たち。妖しげにレオナードを誘うように絡んでいるとそこにニキータが登場。ニキータが現れると怯えるようなそぶりを見せたりして、信徒たちもいろいろ細かいです。ニキータはレオナードを愛しているのでしょうか、せまってきます。ニキータがレオナードの手を取ってキスしかけるところは、思わずオペラをあげて見てしまう美しさ。(*^_^*)
が、レオナードにその気はないらしい。さっき見せたその気はニキータの力なのでしょうね。レオナードはニキータを世界に売り出すべく手を貸しているようです。でも、なかなかうまくいかなくてもどかしかった時に、レオナードはパブロフと手を組んでKGBの隠し財産を手に入れたのでしょうか。最近はニキータとうまくいっていないようです。
そこへタチアーナが連れてこられます。レオナードと二人になったタチアーナはレオナードに今までの疑問をぶつけます。タチアーナが薄々感じていることにレオナードは気づいていますが、「君のためにやったことだ。」としか答える事ができません。タチアーナもそれ以上つっこんでは聞かないあたり、夫婦としてはよそよそしいというか壁のようなものを感じます。
ミハイルにタチアーナが出会ったことを嫌がったのに、レオナードはミハイルがイコンを持っていることを知るとタチアーナにミハイルの元に行ってイコンを持ってくるように頼みます。そのときのタチアーナの「ミハイルの元に行くの?」という言葉は大きいと思いました。このときからタチアーナの心はレオナードから離れはじめたように思うのです。
タチアーナを安全な場所に移すと言ってカーチャにタチアーナを連れて行かせたニキータは、さっきの話を立ち聞きしていてミハイルがイコンを持っている事を知ったようです。レオナードに「今度こそボクを幸せにして欲しい。」と告げて去るニキータ。レオナードは閉じこめられた自分がもどかしいようです。
一人になったレオナードはタチアーナへの思いを歌に託します。…がそれはかなり自分勝手な内容。タチアーナのためにすることは本当にタチアーナのためにはならないのかもしれない。それでも自分のタチアーナを思う気持ちだけは確か…なんだか哀しい歌です。ノルさん熱唱です。
部屋の外ではアナトリー達が活躍しているとき、ミハイルはレオナードの部屋の天井裏からなんとアナトリー達が信者達から奪い取った棒をアロンアルファか何かでつないで(なんて危ないことをするんだぁぁ。)降りてきます。驚くレオナードに涼しい顔で「ひさしぶりぃ〜」と声をかけるミハイル。この「ひさしぶりぃ〜」の一言は毎回なんか妙なアクセントでした。
ここにマリコさんが照れてしまうこわいセリフ「世界一と言われた俺の跳躍を君は見たはずだ。」があります。(^^;)
ミハイルはレオナードにはめられてタチアーナと引き裂かれ、10年間収容所に送り込まれていたというのに、少しレオナードに怒りをぶつけたものの、すぐに冷静さを取り戻します。レオナードはミハイルが過去の事をネタにタチアーナを取り戻すものと思っていたようですが、ミハイルはレオナードの過去をタチアーナに言わずにいるばかりか、タチアーナのために嘘を最後までつきとおせ…と言うのです。
タチアーナがレオナードを愛そうと努力しているのをこの2日で痛いほど感じたミハイルは、レオナードがタチアーナを愛しているのなら、タチアーナを幸せにするのならタチアーナを託そうと決意し、ガブリエルのイコンを渡します。
早速ミハイルをID、ガブリエルをパスワードにしてスイス銀行の隠し口座にアクセスを試みるのですが、パスワードがどうしてもはじかれてしまいます。そこへニキータがある種の能力でミハイルの存在を察知して部屋に飛び込んできて、教団中に非常線を張られます。
☆ 第五場 ルシファー教団 回廊 ☆
タチアーナを助けるため、ニキータを盾に教団の中を探すミハイルとレオナード。一旦は信者達にやられそうになりますが、信者に化けていたアナトリー達に助けられます。このときの立ち回りは段取りもなかなか大変そう。マリコさん・ノルさんをはじめ、みんなイキイキと大活躍です。
ギャグもテンポよく随所にあって、アナトリーが信者と間違えてイリーナもなぐってしまうところなんかは楽しくて笑えるんですが、その後上手で女の信者が「キーッッ!!」として、みんながひるむところはいつもなんだかはずしていたように思って妙に覚えています。なんか初日から笑えませんでした。
ニキータを助けるため、カーチャがタチアーナを連れてきます。交換する時にどっちが先に離すかでもめてしまい、ミハイルがレオナードに「こういう場合はどうしたらいいんだ。」と聞くと「映画では両方同時に離すんだ。」というところ。なんでもないセリフのようでミハイルとレオナードが真面目に話せば話す程おもしろかったです。
ニキータは解放されたうれしさから本性をあらわし、カーチャに「ママー!!」としがみつきます。カーチャとニキータは親子だったのでした。なるほど、カーチャンだからカーチャなんだ…。(小池せんせぇってば…(^^;))ニキータのマザコンぶりが素晴らしくて客席がいつも大爆笑です。
助けたタチアーナにミハイルはレオナードとやり直すように言います。タチアーナの気持ちは揺れていたと思うのですが、ミハイルに促されてレオナードについていく気持ちになったようです。レオナードとタチアーナがその場から立ち去ろうとしたとき「メロドラマはそこまでにしてもらおうかぁ〜!!」と迫力のある声と共にゲオルギー達KGBが到着。レオナードがKGBだったこと、ミハイルの亡命失敗がレオナードの仕組んだことだったことがタチアーナの知ることとなり、タチアーナの心が大きく揺れます。
…と思ったらボリス達も到着。これは敵味方入り乱れての大乱闘かと思ったらここでひとひねり。ミハイルが照明を銃で撃ってその場が暗闇と化します。そのすきにうまく逃げようとしたのでしょうが、ボリスを敵と間違って殴るし(ゴメン…って謝るミハイルが可愛い。)味方と思ったらKGBだし、レオナードはタチアーナと間違えてカーチャの手を取るし、もうこの場面は最高に楽しいです☆そのまま大乱闘に入るよりもこのワンクッションが入って飽きさせなくなっていたと思います。
で、カーチャの指示で非常灯がついて(このカーチャの「非常灯をつけろぉ!」の声は非常に男らしかったわ。>きんさん)ミハイルとゲオルギーが殴り合って思わずタチアーナがミハイルに駆け寄って二人は手に手をとって走ろうとしてそれをレオナードは端から見ているんだけど、はっと我に帰ったミハイルがタチアーナの手をレオナードに渡すとレオナードはタチアーナと逃げようとして…。
この辺は緊迫した中、時間的にも少ししかないのですが、3人の心がものすごく揺れ動いているのが分かってドキドキしました。
そのドキドキが最高潮になったときに…「ドーンンンッ!」すごい音と振動と共に壁がぶち壊されてお久しぶり〜のワレンコフ刑事が登場。タチアーナが要請したレオナードの捜索をしているうちに、麻薬の密輸やらなにやらと芋蔓式にでてきてマフィアのボリスも、ニキータ達も、ゲオルギーたちも…そしてレオナードも逮捕されることになったのでした。
ここでタチアーナはレオナードとミハイルと改めて選択することになります。 レオナードがKGBで、ミハイルを罠にはめた事を知ったタチアーナはレオナードと別れると思ったのですが、、、夫婦として過ごした10年が重かったのでしょうか…レオナードについてアメリカに帰ることを選択します。
ミハイルもタチアーナのために、レオナードのために、それが一番いいと納得するのでした。
★Nifty−serveより転載★
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