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宝塚大劇場星組公演 
『魅惑U』
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★     ロマンチック・レビュー『魅惑2 ネオ・エゴイスト!』   ☆
☆           作・演出 岡田敬二                ★
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 初日から観る度に好きになっていくレビューです。今はもう相当気に入っています。しかし、全てが好きとは言いきれないところもあります。それは今まで観たいろいろなショーでも同じでしょうが、やはり岡田先生のショーが星組に当たるのを心待ちにしておりましたので、そこが私にとっては特別なんです。

☆・。・。・第一章 ネオ・エゴイスト(プロローグ)・。・。・☆
 <音楽:宮原 透 振付:羽山紀代美>
 幕開き、ギターの響きと共に、暗闇の中、上手奥の壇上でリカちゃん(紫吹淳)がスポットライトを浴びて浮かび上がり、レビューがスタートします。
 ハードロックに男役の群舞ということで格好いい始まりになっています。リカちゃんにはロックが似合うと思います。お衣装は帽子・サッシュの雰囲気がスパニッシュ風ですが、形としては黒の変わり燕尾で、中のブラウスは白。どことなくノーブルな雰囲気もあり、岡田先生だなぁ〜と思いました。リカちゃんに続いて下手壇上にブンちゃん(絵麻緒ゆう)があがり、歌い継ぎます。そして、奥の階段上にノルさん(稔幸)が。3人が中央に出て男役を従えて歌い踊ります。曲調は明るめで若さを感じます。黒をメインにノルさんは青、リカちゃんは緑、ブンちゃんは黄色を効かせたお衣装です。後ろのダンサー達は効かせ色が赤です。

 3人が歌い終わると暗転し、一旦舞台上の男役さんがはけます。
 舞台上手奥のセットが二つに分かれ壇上にマリコさん(麻路さき)がポーズしています。お衣装は他の方が黒を基調にした上下に帽子の羽根やサッシュに効かせ色をいれているのに対して、赤い上着で、帽子・帽子の羽根・パンツは黒です。派手だけれども、静かな派手さで気に入っています。
 ギターがもの悲しく鳴り響き、マリコさんは静かに振り向き正面を向くと、かけ声と共に照明が赤くなり、雷鳴が轟き、稲妻が走ります。「EGOIST
E」という大きなタイトル文字が吊りあげられていき、スピード感があります。
 激しいロック調の音楽に合わせてマリコさんが歌い踊ると再度男役の群舞が始まります。舞台上から銀橋に出てきたマリコさんは、むちゃくちゃ男らしくてファンは悲鳴をあげています。マリコさんの鋭い目線が舞台からも銀橋からもバシバシ飛んでくるこのようなショーを待っていました。歌はマリコさんの音域・声質に合っていて、かなりイイと思います。銀橋を「俺達こそ、ヒーローだ。」と歌って渡りきる寸前に、客席に手を指し示すんですが、その一瞬のタメがマリコさんらしくて大好き。このあと上手から下手へ舞台をノルさんリカちゃんブンちゃんと4人で踊りながら横切ります。このときのフリはどことなく見たことがあるよなぁ〜というのが気になります。全体的にはここの振り付けは好きです。
 リカちゃん・ブンちゃん・ノルさんのソロのワンフレーズをマリコさんがなんともいえない表情で見ています。そしてマリコさんが歌い、4人で声をそろ
えるのですが、4人共の声がマッチしていて聞いていて気持ちがいいです。舞台中央で4人が並び、その後ろに男役がズラーッと並んで踊るのは壮観です。音楽の最後に再び雷鳴が轟き暗転して終わります。

 難を言えば、「EGOISTE」のタイトル文字の字体がショーの雰囲気に合わないこと。とにかく大きなタイトル文字なので、これが合わない影響は大
きいです。せっかく派手だけど格調高い仕上がりになっているのに、このタイトル文字でレベルダウンしていると思います。
 初日は期待していた程激しいダンスには思えなかったのですが、2回目に見た時には味があるように思えてきたのと、少しテンポがあがったようにも感じ、今ではすっかり気に入っています。

☆・。・。・第二章 風のロンド・。・。・☆
   <音楽:宮原 透  振付:尚すみれ>
 上手花道からトンミちゃん(月影瞳)がセリあがってきます。水色の薄い生地にラインスト−ンが煌めく綺麗な綺麗なお衣装です。金髪・巻き毛のロングでサイドをまとめ、そこに水色の小花などが飾られていて幻想的な雰囲気。首が詰まっている衣装なんですが、開いている方がより良いと思います。
 一人でアリアを歌いながら銀橋を渡ります。歌詞はなく、音階をなぞっていくのですが、とても綺麗で、トンミちゃんの歌がうまくないと出来ない事だなぁ〜と思いました。トンミちゃん、ほんと歌のうまい娘役さんになりましたね。

 トンミちゃんがゆっくりと優雅に銀橋を渡りきると、幕があき、娘役が勢揃いしています。中央にはタキちゃん(出雲綾)が立っていて、歌い出します。その歌に合わせて、ニンフ達と女神のトンミちゃんの群舞になります。
 しばらくすると、曲調が少し変わり、ペガサス達が飛び出してきます。ワタルちゃん(湖月わたる)は水色のお衣装で、他のペガサス達はサジタリウスのオレンジ色のお衣装です。このオレンジ色は他のピンク・水色の中で浮いていると思います。みんなたてがみ風のロングで綺麗です。エリザベートでの経験が生きてる感じがします。
 このニンフ達と若手男役の総踊りは軽やかで夢夢しくて、「エゴイスト!」ではなく「魅惑」路線のようです。中央で踊るトンミちゃんとワタルくんは身長差はありますが、特に違和感は感じませんでした。ワタルちゃんが細身だからなのか、ワタルちゃんに包容力が出てきたからなのかなぁと思います。
 総踊りは躍動感に溢れているのですが、音楽はどこかもの悲しくて、やがてくる別れを予感しているからでしょうか。最後は寂しい雰囲気に包まれて終わります。恋の終わりです。

☆・。・。・第三章 テーマ曲・。・。・☆
   <音楽:吉崎憲治  振付:羽山紀代美>
 まずはリカちゃんが上手から出てきてポーズ、歌い出します。そして、次は下手からブンちゃんが、続いてノルさんが下手からでてきて歌い次ぎます。上着が蛍光黄色・オレンジ・ピンクの線が縦に交互に入ったロングコートに中には黒い皮の上下。黒サングラスをはめています。3人のいでたちの違いはコートの色違いと、後はノルさんのサングラスにはサイドにラインストーンが入ってます。頭にラインストーンが飾られているのもノルさんだけです。思い思いの髪型なんですけど、ノルさんはオールバックにちょっとだけピンクのメッシュを入れています。これって多分ピンクの部分つけ毛を刺すんだと思うんですけど、もしかして「エリザベート」2幕の「やすらぎのない日々」の銀橋渡りで早変わりで白髪が増えていたのを染めたとか?似てますね。
 ノルさんとリカちゃんはキザりはお手のものですが、ブンちゃんはちょっと照れを感じるので(ブンちゃんらしいけど。)この際この銀橋で一皮むけていただきましょう。

 テーマ曲だそうですが、、、、、はっきり言って曲も歌詞も私にはダサイです。ノル・リカ・ブンの3人のエンターティナーが出ているからこそ楽しめていると思うんです。主題歌は第一章の歌の方が良かったのでは?ここでも「EGOISTE」というタイトル文字が銀色に輝いています。このテーマ曲にはこの字体で合ってると思いますが、、でもテーマ曲にO.K.は出せないので、、、。


   
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