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星組公演 
『武蔵野の露と消ゆとも』
青年館観劇前チェック!(2/2)


第二幕 綾も錦も君ありてこそ

第一場 プロローグ
★実梁・和宮・家茂が三人で舞います。途中、和宮と家茂が連れ添うと、見たくないのか扇で顔を隠す実梁。そのつらそうな表情にぐっときてしまいます。その後舞台後方にさがるところがすっごく好きでした。(*^_^*)

第三場 内裏・猿が辻
★セットを見ていると、そこはまるで江戸城なのがちょっと気になります。
★田中新兵衛に「姉小路公知卿ですか?」と聞かれてのゴンちゃん(穂高ゆう)のお返事。「そうでおじゃるが、そもじはなにものぞ?」が、すんごい好きでした。
★このとき一緒に斬られる雑掌(眉月)は最初の頃、死んだ後の暗転で提灯を消すのに四苦八苦していましたが、千秋楽前にどうやら手元スイッチがついた模様。あわてず、さわがず、落ち着いて消せるようになりました。良かった良かった。

第四場 長州藩・京都藩邸
★一幕では九条・多紀とこなしたマンちゃん、ここでは熱い倒幕の志士、図布です。「(田中さんに)来ていただいておるんじゃぁぁぁぁぁぁ!」と気合いの入ったセリフ回しになんだか嬉しくなります。
★「長州藩のイチかばちかに主上を託すことは出来ない」と、提携を断ろうとする実梁は、田中新兵衛に斬りかかられ、ふところに手をいれます。「おっ、懐剣でも持っているのか?ドラエモンの四次元ポケットのようなふところだなぁ〜(だって、笛も主上の手紙も出てきたもん。)」
 と思っていたところ、取り出したのは赤い扇(正式名は不明。)「それで勝てる訳ないじゃん。」と思ったのは私だけではないはず。幕末の危険な京都で、お公家様たちは身を守る道具もなしだったんでしょうか・・・。
★このときの田中新兵衛の叫び声は「チェストー!」と聞こえるんですが、なんて言っているんでしょうか?どなたか教えてください。気になって気になって。

第五場 御所・蛤門
★両端の二人が後に自決する久坂(司)と寺島(穂高)です。剣を振り回している姿もなかなか決まっていてグー。死にっぷりもなかなかです。(*^_^*)右手を撃たれた久坂は左手で逆手で脇差しを抜いてぱっと持ち替えるところなど、芸が細かくてなかなか〜。

第七場 二条大橋・橋の下
★新選組の5人のうち4人はさっきの長州藩士で、残る一人はなんと岩倉具視なのでした・・・・。むっちゃ強そう。
★幾松(しのぶ紫)の艶っぽさが印象的。短い出番ながらもおいしい役のように思います。

第九場 京都御所・小御所
★ハッチさんの「またぞろ」の言い方がいいです。実梁に嫌みをいった後の高笑いがエスカレートしていったように思います。
★またまた紀子にいやみっぽく慇懃に挨拶された有栖川宮がちょっと嫌そうに「ごきげんよう、ありがとう。」と答えている。時の流れを感じる一瞬です。
★ここでも岩倉にしてやられる実梁でした。岩倉強し!
★まゆみちゃんの明治天皇は聞けば17才だとか。
「は〜〜し〜〜も〜〜と〜〜の〜さ〜ね〜や〜な〜〜〜。」がいい味出してます。一幕とは全くの別人です。お化粧もキテるしね。
★「江戸攻撃、誰かがやらんならんのやったら、他人さんより・・・・。」とつぶやく実梁が大好き。(*^_^*)

第十一場
★和宮が京に帰るか、江戸にとどまるかを思案している場面。周りを女官達がとりまいています。このときに白川類子(白鳥ゆりえ)と中山栄子(水原まどか)に注目してください。二人が手に持つ文箱と六角形の重箱は、公演毎に交換されているのです。というのは二人は白川が下手から上手へ、中山が上手から下手へ去るので、そのときに手に持つ道具も運ばれてしまうからなんですねぇ〜。
(ただし、それはバウでのお話。青年館でどうかまでは分かりません。)

第十二場 四日市・官軍本陣
★薄暗がりの中で板付きの実梁さまは、客席に背を向けています。で、もう少しでライトがつくときになると桜の枝を手にします。その背中は振り返る気満々。まるでエリザベートのミルクの場面で「ミルクはどこにいった!あるところにはあ〜るさ〜!」と言って振り返る直前のトート様のようです。ライトがつくと案の定勢いよく振り返ってくれました。
★官軍スタイル。渋いコート風ジャケットにロングブーツ。袖口には菊の紋が。惚れ惚れする似合いっぷりももちろん要チェック!

第十三場 江戸城本丸
★先ほどの官軍スタイルから、早変わりで勅使の直衣姿に着替える実梁さま。実梁さまが読み上げる条文は、実梁さま登場と同時にボリュームを落とされます。
 最初の頃はだいたい第五条までかかっていましたが、慣れてくると第四条になり私が見た中では2回・第三条で登場されたことがありました。前列下手で見ていると、脇で走り出す実梁さまが見られてこっちまではらはらしました。で、バタバタバタ〜っと走ってきて袖から出る直前に雅やかなすっきり勅使さまになられるんですよぉ。

第十四場 エピローグ
★「実梁とおしかりくだしゃりませ。」と頼まれた和宮が「実梁っ」と呼び捨てるときの嬉しそうな顔、呼び捨てにされそうな気配に喜んでその場に控える実梁の嬉しそうな顔、、要チェックです!
★和宮が降嫁した道を実梁が一人で戻り、また一人で来た・・・・。で、そこでの和宮のセリフ「そして、二人で・・・。」というのがよく分からない。二人は最後まで想いを秘めると思うんだけどなぁ〜。一緒に帰ったんだろうか・・・。
★連れ舞が一幕と違ってなんだか朗らかな気がします。二人が年月を経て、穏やかな気持ちで生涯想いを秘める事を受け入れる気持ちになれたからかなぁ〜と思います。この後、二人はまた別れて暮らすのだけれども、想いが続くことが分かっているから穏やかでいられる。その気持ちは、現代に生きる私には持てないものだとは思いますが、日本人としてそういう気持ちを持てることに憧れます。

 以上、バウホール公演観劇時の私なりの見所ポイント報告でした。
 今一度、雅な世界にひたりたい気持ちで一杯です。

   
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