星組バウホール公演
『イコンの誘惑』
ALICE’S TEA PARTY(2)
宝塚ホテル「宝寿の間」
1998/8/30(San)
あまりバウのお話を出来なかったので、関西最後のお茶会ということもあり、昔の公演をふりかえってのお話になりました。
☆今までで一番思い出に残る公演☆彡
麻路「変わった役がおもしろかったかな?
トートとか。大変な時の方がおぼえてるんですよね。ルドルフとかね。どれも大変だったかな…その学年ごとに。必死にやってるんだけど。とにかく一生懸命が大好きなんですよ。必死なの。もう生きてることに必死って感じでね。必死になれる状況を作る。作って生活してるのがどうも好きみたいでね。やっぱり後半の2番手くらいからの忙しい時期がすごい思い出に残っていますね。ホントにね、寝たらおぼえられないとかね。せっかく今日おぼえてきたものを今寝たら忘れちゃうと思うと、寝れないんですよ。横にはなってるんだけど、ずうっとね、目はつむってるんだけど、ずうっと台詞言って。それで自分でおどろいたのが、『風と共に去りぬ』のバトラーの時かな。あれも全然とにかく時間がなくて、バウの主演をして終わって3日か4日後にもう舞台稽古っていう…『ある日夢のとばりの中で』だったかな?
稽古も時間ないし、公演がハードだから体力なくしちゃいけないし、あの頃若かったから元気だったんだけど、それでも、ほら、睡眠とらなきゃいけないしと思って、思うんだけど寝れなくてずうっと横になりながら台詞どうしようどうしようと思ったら朝、全部おぼえてたの。その前の日の夜までの稽古では言えなかった台詞が、頭ではわかっててもね、次の日に本番前に稽古した時にすらすら出てくる出てくる。睡眠学習ってあるじゃないですか。あれ、うそじゃないなと思いましたね(^^;)。寝る時に何度も何度もこう、丁度眠りにつく頃…なんかの本に丁度うとうとっとなった人に『あなたは素敵よあなたは素敵よ』って言うと、自信が出るっていってね。ホントに。そういうの読んだことあるんですよ。だからそういうのが案外できると信じて、こう、寝る前におぼえたのがよかったのかなと思いながら、毎回やってますけどね。」
☆新人公演初主役・カンディード☆彡
麻路「う〜ん。あの頃は…最初のうちは恐いもの知らずというかね。楽しいだけでやってたんですけどね。本番の前になるといやになっちゃったかな。急にどきどきして緊張してすごいあがり症だったんですよ。今は治ってるんですけどね。もうね、出るのがやんなっちゃう。昔の旧大劇場の楽屋でね、お化粧とかも全部準備整って、上級生とかに全部挨拶しにいって、主役はスタッフさんにも全部挨拶しなくちゃいけないから全部まわるんですよ、裏方さんとか、それも全部ひととおり終わって、ほんのちょっと15分か20分時間がある時に、もうやだって言って。それで奈落に荷物置いて帰っちゃったりとか。逃げちゃったりとか。」
司会「そういう時に同期の方って心強いっていうか。」
麻路「うん。だいたい読んでるんですよね、私の行動。帰ってきてよっ、とか言われて。」
☆バレエの男S☆彡
司会「今、元バレエダンサーの役なんですけど、昔バレエダンサーの役、やってらっしゃいますよね?月組時代に。」
麻路「ああ、やってる。『バレエの男S』ってやつ。あれは組替が決まって、でもスケジュール的な事があって、星組生として月組に出た事があるんですよ。いってみたら月組のままなんですけどね、自分は月組だったから。でも今と違って、今は組替が発表されても、移る時の何月何日から何組ってなるんですけどね、あの頃は発表が3月23日に東京公演の日に突然あって、公演中ですよ、それも。それもね、2回公演の途中に言うんですよ。1回目と2回目の休憩時間に。なんでかっていったら、発表しちゃうから、外からもれるよりも直接本人には先にいわなきゃいけないっていって。前の日に言ってくれたらいいのに、前の日はまだ決まってないんですよ、はっきり。その理事会っていう先生方の…阪急の会合で決まって、すぐ本人に通達っていって、やっぱり休憩時間になるんですよ。やっぱり一応泣くじゃないですか、みんな、人間。午後の部ぼろぼろでね。っていっても台詞とかあるわけじゃあないからいいんですけどね。『二都物語』の頃ね。違うな…『ときめきの花の伝説』かな?
だから結局その次の公演はもう星組として出ることになったんですよ。4月1日からあなたは星組ですっていわれちゃって。で、その『哀愁』と『百花扇』って作品なんですけどね。さびしいもんでね、着到番ってあるんです。順番に上級生からいく。それもはずされて。『星組』のところにあるの。特別出演待遇。すべて。プログラムにも月組総勢何人、理事長の挨拶があるじゃないですか。それの別組。星組から麻路さきを迎え…とか書いてあるの。新人公演も東京公演にいかなかったから大劇場だけ出るってことになったし、組替に値するような役を与えなきゃいけないってどうも思って下さったらしくて、台詞がないバレエのみのシーンだったんですよ。(急に小さい声になって)それがまたねえ…。本役さんは郷真由加さんていってね、松山バレエ団から出てきてる方だからうまいんですよ、ものすごく。細いし。あの頃太いし。踊れないしで、新人公演の批評に…あるでしょ、歌劇とかに載ってる、ポーズだけよかったらしいんですよ、最後の。『終わりよければすべてよし』って書かれて(^^;)。そうか…それから『最後はキメよう』って思って。あれ以来ですか…バレエの役。…つらいですね。タップダンサーだったらよかったかも。タップの方が成績よかったから。」
☆ダイス☆彡
司会「タップも以前なさいましたよね?
月組の時に…。」
麻路「あ、そうそう。やってたやってた。表に出ている時と箱に入った時と。知らないと思うんですけど、過去に…。ダイスっていう役名がついたんですよ。同期ばっかりで。大地真央さんと研2の私たちだけだったんですよ。その1場面。すっごい感動的で、いや〜かっこいい〜私たち(^^;)。マオさんの後ろでね…タップダンスは音楽学校卒業してすぐの子ができるから、躍らせてもらえるんだ〜ってみんなすっごくはりきって一生懸命振付も受けて、マオさん長い期間タップやってなかったから、教えて〜とかいわれたら、はいはい(*^^*)ってやってて。みんながんばろ〜って。で、衣装合わせに来いっていうんですよね。どんな衣装だろう。そうしたらね、衣装合わせって普通、衣装部さんに行くんですよ。それが小道具に来いって(場内大爆笑)。なんで小道具に〜?間違えてんじゃないかな〜〜??と思ったら、あ〜来た来たって、ちょっとこれかぶって見てって、ダイス!
その名の通り、箱なの!
箱に穴が開いてて、踊って見てっていわれて、踊って。痛いですってここ(肩)にクッション入れてもらって。結局みんなでその夜泣き崩れて…。確かに目立つ場面だったんですけどね。あれは一生忘れない。『ザ・レビュー』?
『ザ・レビュー2』ってやつかな?
6番の番号ふってます(^^;)。うん、サイコロ。フォンティーヌ鬘っていう金髪のよくラインダンスで使う鬘に…リボンがついてたかもしんない。」
☆グリーン・スリーブス☆彡
司会「原作のある作品でしたよね?」
麻路「そう…『時の旅人』っていう。子供向けの本があるんですよね。でもほとんど出て来ないんですよ、アナトリーって。ペナルピーって青山雪菜ちゃんがやった役が主役だったんですけどね、本で。太田先生に読んどくようにって言われた時も…なんであの時そう思ったのか、ペナルピーかな?って。女役かな?って。アナトリーって本の中では浮き立ってなかったし、いや、バウホールの主役とは聞いてるけど…っていう感じでね。」
司会「ペナルピーって、少女の役ですよね(^^;)?」
麻路「そう、少女。すごいかわいい少女。う〜ん、そんなことがありましたねえ。」
司会「一度見てみたかったって感じですねえ。」
麻路「少女(^^;)(^^;)?」
☆戦争と平和・アナトリー☆彡
司会「ターニングポイントのひとつなんですけども、こちらの思い出は?」
麻路「う〜ん…。みんながいい役だいい役だっていうから、今だったら大体本読んだらその作品の中で占める役割とか占める自分の役がどのくらい…今は主役してますけど、大体2番手とかの頃にはわかるんですけど、あの頃まだ研5ぐらいだったからあまりわかってなくて、台詞が多い人が主役、みたいな感じでね。なんかみんなが本読み終わって、あんたっていい役もらったねえっていうから、そうお?って感じでね。でも、いつもより台詞多いし、嬉しいって言ってて、立ち稽古してみたら、台詞言ってない場面でもたくさん出てたりとか、ねえ、なんかだんだんみんながいいいいっていうのがわかってきたっていうか、おもしろくなってきてねえ。衣装合わせに行くと、全部いい衣装じゃないですか。新調だし。かっこいい黒の軍服とか着せてもらっちゃってねえ。もうご機嫌になっちゃったもん。すぐご機嫌になっちゃうんだもん、そういう時はねえ。るんるんしてましたねえ、あれねえ。」
☆ミッドナイトシティロマンス☆彡
司会「次のバウホールは、うってかわって若者の役…。」
麻路「いや、あの時にはね、自然だったんですよ、あれが。」
司会「それまでは背伸びをしてたんですか?」
麻路「そうそうそう。だからあれは自然体っていうか案外普通あの学年だったら一番よくやる役?だから…うん。」
☆ベルサイユのばら☆彡
司会「それから『ベルサイユのばら』。ひとつの作品で何役も…。」
麻路「そうだよね…ベルばら忙しかったかな。稽古場がみっつぐらい、全部呼ばれるんですよ、いっぺんに。星組の新人公演と、星組のオスカル様が変わるんですよ、1週間毎に。で、関係ある人だけ呼ばれるんですよ、芝居の稽古に。アンドレ絶対関係あるでしょう。みんな待っててくれるんですよ。で、そこの稽古場に行かなくちゃいけなくて、東京公演雪組っていうのもあったんですよ。フェルゼンで。みっつの稽古場からおんなじ時間に呼ばれて、どこに行こう…。ホントに。」
☆パルジョーイ☆彡
司会「役変わりということで…2日か3日。」
麻路「そう、バウホールって普通公演だけでね、今回はディナーショウのお稽古重なってますけど、公演は公演だけしたらいいんですけどね、公演終わったら夜バウホールの舞台で代役の稽古とかしたなあ…。そのセット使って。そのセットでできるんですよね。そのままの…同じ作品やるわけだから。」
☆ライト&シャドウ☆彡
司会「こちらも最初シリアスな芝居かなと思ったら…ずいぶん(^^;)。」
麻路「大山源太郎さんが出てたからねえ(^^;)。いや、あれは私も驚きましたねえ。まさかああなるとは…。」
司会「日に日にエスカレートしてらっしゃいましたねえ。」
麻路「うん。すんごいなんてものじゃあなくてね、サミーちゃん、会わせてくれないんですよ。楽屋立ち入り禁止とかして。すっごいメイクして。舞台の上で1時間、プロローグ開けて、ずうっと舞台に出っ放しの芝居だったんですよ、全員が。最後の最後にサミーちゃんが出てくるんですけど、その時に初めてその日に会うから、何をしてくるかわかんないんですよね。で、お客さん笑って、来た来た来た来た…って振り向いたら、もうねえ、うわ〜出た〜〜みたいな。あんまりゲラじゃないから、舞台の上だと笑わなくてすむんですけど、隣りでジュンベちゃんがね、人の手を握って、ぎ〜っって、もうどうも笑いが耐えられないらしくて、普通の顔をしてるのに歯の裏でう〜って噛んでて、すごかったですよ、笑いこらえるの。みんな苦労してて。」
☆風と共に去りぬ☆彡
司会「雪組の特別出演ということで…。」
麻路「あれ、一番最初だったんですよ、私が。よく真矢みきちゃんと対談の時に笑わせてくれるんだけど、舞台稽古の時にわけわかんなくて…なんだっけ?って。見ててくれるんですよ、客席で、舞台稽古の時。代役の時の舞台稽古は位置だけ確認したらとんとん行くから、その日にみんな見に来てくれるんですよ。まったくわかんなくなっちゃって。舞台の上から『何?何??』って台詞聞いて。『あんたさあ…今日初日だよ。』って言われて、(そんなこと知ってるがな)って思いながら…ねえ。(場内大爆笑)
一番わかってるよ自分が…って思いながらねえ、すごいあせってるんですけどね、そうなっちゃうから、たぶん、落ち着きはらってると思うんでしょうね。気持ちはすごくあせってるんですけどね。『あ〜っ』てなるんじゃなくて、『やばっ…』って。どうにかなってきてるんですよ、本番になると。さすがにまったくおぼえてないものは出てきませんけどねえ。」
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みんなで、大笑いしたり、しみじみ思い出したり…いろんな役がいろんな事がありました...(・_・、)。さて、次は爆笑・お客様編へつづきます。
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なみりん@☆: 「麻路さき☆お茶会報告
昔のお話編」
Nifty-serveより転載