「……ここまでか……」
未踏の森の皇帝カズラの中、カフーは、3体の植物怪人型メガカルマと無数の新種聖魔に囲まれていた。周囲にはおびただしい数の聖魔の死体が転がり、メガカルマにも重傷を負わせていた。だが、圧倒的な物量に圧され、倒しきるところまでは至らなかった。カフーの闘衣は皮膚ごと裂け、全身血まみれだった。途切れそうな意識の中、魔攻衆としての誇りだけが、かろうじてカフーを立たせていた。手持ちの聖魔は総て底を突き、もはや身動き一つ出来ない。頭上では、七分目まで光を満たしたリオーブがギラギラと輝いている。万策尽き、カフーは覚悟を決めた。
『バニラ、みんな……すまない……』
「手こずらせやがって、人間が。これで終わりだ!」
正面の植物怪人型のメガカルマが、鞭状になっている右手を大きく構えた。カフーは、朦朧とした意識でそれを見ていた。だがその時、カフーの前に光の裂け目が現れた。メガカルマたちは、予期せぬ出来事にたじろいだ。光が人の背丈ほどになり、中から黒いローブをまとった男が現れた。
「な、何だ貴様は!?」
メガカルマたちは、黒衣の男の登場に、改めて身構えた。男はゆっくりと頭にかぶるフードを脱いだ。年の頃は二十歳ぐらいか。精かんな顔立ちの若者である。男は左腕を前に構えローブの袖をまくった。腕には見慣れぬ魔操具をはめていた。
「テュテュリス、出ろ」
男の魔操具から光が飛び出し、サソリのような形の聖魔が現れた。トゲの生えた長い4本の足、昆虫のような透明の羽根。骸骨のような頭に血の赤の甲羅。長いしっぽと大きく鋭い毒針。大きさは人の背丈を越え、通常の聖魔より明らかに大きい。その姿のまがまがしさに、カフーは息を飲んだ。全く見覚えのない聖魔だった。
正面のメガカルマが、右手の鞭を浴びせてきた。だが、テュテュリスと呼ばれるその聖魔は、毒針の付いた尻尾で、あっさりとそれを弾き返した。
「グッ、グオー!」
メガカルマが右腕を押さえてうずくまった。毒々しい緑の鞭が見る見る血の色に染まり、ボトボトと腐り落ちる。鞭を弾かれたときに、どうやら毒針を打ち込まれたらしい。黒衣の男は、無表情のまま魔操具を構え、発動させた。
「憑着!」
テュテュリスが赤い光の渦に包まれ、勢いよく男の体にぶつかった。光の渦だけが後方へ吹き飛ぶと、そこには聖魔を甲冑のようにまとった男の姿があった。
一度はひるんだメガカルマと聖魔が、一斉に男に襲いかかった。だが男は、その攻撃が届く直前、火炎の壁で強烈なカウンターを加えた。体を焼かれながら弾き飛ばされた聖魔とメガカルマが、苦しみながらのたうち回っている。黒衣の男は腕を構え、頭上にギラギラと輝く炎の球体を作り出すと、思い切り両手を振り下ろした。球体が爆発し、無数の炎の矢となってメガカルマたちに突き刺さる。
「ギャー!!」
炎が体内を走り、体の節々から吹き上がる。カフーと男を取り囲んでいた一群が、一瞬にして掃討されてしまった。黒衣の男は聖魔一匹残っていないことを確認すると、表情一つ変えず、ゆっくりカフーの方へと振り返った。
『なんて……威力だ……』
カフーはその戦闘力に驚愕しながら崩れるように倒れ、そのまま意識を失った。
戦いが終わり、皇帝カズラの中に、静寂が訪れた。男はカフーに近づくと、ケガの応急処置をした。傷は酷いが命に別状はない。
その時、ふたりの前に光の裂け目が次々と立ち上った。全部で8本、横一列に並び、中から人影が現れた。光が消えると、そこには同じ漆黒のローブをまとった者たちが立っていた。中央に立つ少し背の低い者が、フードを取りながらカフーに近づいてきた。外見はせいぜい十二、三歳の少年に見える。黒衣の者たちの中で、明らかに一番若い。少年がカフーの脇に立つと、男は手当の手を止め、片膝を付き少年に対しうやうやしく頭を下げた。少年は男を意にも介さず、そのままカフーを見下ろした。
「このような粗末な魔操具で、単身、聖魔の森を彷徨するとは……。さすがは元エルリムの使徒と言うべきかな。……だが、それもこの辺りが限界であろう。ましてや魔攻衆どもでは、七聖霊はおろか、三軍の雑兵相手もままならん。そして、人敵エルリムは遙か彼方だ」
少年は、目の前にひれ伏す黒衣の男に命じた。
「サジバ。お前はこのカフーと共に、ケムエル神殿へ赴け。そして、我らの憑魔陣(ひょうまじん)を魔攻衆どもに伝えるのだ」
その言葉を聞き、居並ぶ黒衣の者たちがざわめいた。中程に立つ一人の男が、一歩前に進み出て進言した。
「予言者シ様。お言葉ではございますが、魔攻衆ごとき下賤の力など借りずとも、我らのみでエルリムを狩れましょう」
少年は振り返ると、冷ややかな笑みを浮かべた。
「せくな、タパナ。雑兵といえど、露払いぐらいは出来よう。それに、仮にも相手は神ぞ。用心に過ぎたるは無い」
予言者シと名乗る少年は、手にした杖をかざし、頭上に輝くリオーブを指し示した。
「見よ。リオーブが力を蓄え始めている。こちらから出向かずとも、じきエルリムの方から姿を現す。お前たち八熱衆が力を奮うのは、それからで十分だ」
シは再びカフーを見下ろすと、杖の先をカフーの胸に当てた。
「レバントでは叶わなかったが、このカフーの闇もまた深い。エルリムの使徒の力、せいぜい生かしてもらわねばな」
そう告げると、シはカフーに背を向け、再び黒衣の者たちの列へと戻った。
「しっかりね、サジバ。神聖なナギの名を汚すんじゃないわよ」
列の一人の女が、ひれ伏すサジバに、からかうように言葉を掛けた。シと7人の従者の体が、再び光の柱に包まれ、かき消すように消えた。主と高弟を見送ると、サジバは力尽き横たわるカフーをジッと見つめた。
* * *
「来ると思ったッス、ジルの甥っ子くん!」
バニラは、羽根飾りをふんだんにあしらったリラックスチェアーの仮玉座から起きあがると、ゼロとメロディーを両手を広げ出迎えた。
『しゃべらなければ、ゴージャスな美人なんだけどな〜』
ゼロとメロディーは、苦笑いをしながら握手した。ふたりはある決意の元、両親に内緒で、魔攻衆の長であるケムエル神殿首座のバニラを訪ねたのだった。バニラは二人の肩をポンポン叩きながら、満足げに頷いた。
「わかるッス、わかるッス。聖魔の森を見たがるような君たちッス。皆まで言わずとも、このバニラ様はお見通しッス」
バニラは玉座のサイドテーブルから2つの魔攻陣カプセルを取った。
「これが欲しいッスね?」
そうなのだ。一家は2007年に帰るには、聖魔の森に入り、リオーブの秘密を探らなければならない。両親は一応、一流の魔攻衆になっているが、危険を避け自分たちだけ後ろを付いて歩く訳にはいかない。だいたいここ数年、シドのフィールドワークで駆け回る役は、ゼロとメロディーが担ってきたのだ。
ふたりは高校でも特定の部活には入っていない。だがそれは、運動が苦手だからというわけではなかった。ふたりは運動神経抜群な生徒で、あらゆる運動部の助っ人をやっているくらいであった。オマケに頭脳の方は、学者の両親を持つ折り紙付きである。子どもの頃から連れ回され、ふたりにとっては父の仕事を手伝うことが、もはや一番の楽しみになっているのだ。
ふたりはどちらから言うともなく、魔攻衆になることを決めていた。それはもはやふたりにとって、必然と言ってよい。ふたりはカプセルを受け取ると、バニラの説明を聞きながら、左前腕に装着した。
「最近の聖魔やメガカルマは強力だから、甲冑を身につける必要があるッス。魔攻陣で戦うときはカプセルを構えたポーズになるのと、森での動きやすさを考慮して、左半身(はんみ)の甲冑を着ける者が多いッス」
バニラは軽く構えるポーズを取り、自分の甲冑で説明した。肩から上腕、前腕へと、動きを妨げぬようシールドされている。手にも、何かの皮か甲羅を用いた手っ甲が当てられている。だがその装いは、実用性もさることながら、非常にきらびやかで、まさに女王の甲冑であった。手入れも充分に行き届いているのだろうが、目立った傷も見あたらない。だがそれは、決してお飾りを意味するわけではなかった。バニラは魔攻十傑衆に名を連ねるエースであり、傷の少ない甲冑は、バニラが類い希な実力を持つ戦士であることの証であった。
「ふたりの甲冑は、後で工房に注文しておくとして、さっそく魔攻陣の使い方を練習してみるッス」
バニラがふたりの肩を押し部屋を出ようとすると、行く手を遮るように人影が現れた。
「その役目、わたしにやらせて下さい」
「ミント! まだ傷が良くなってないんじゃ……」
そこには、包帯の上から魔攻衆の装備を調えたミントが立っていた。ミントは先のホワイト・ヴァイスで重傷を負い、未だに療養中のはずであった。バニラは慌ててミントに近付き、その手を取った。
「敵の正体が掴めたのに、いつまでも寝てはいられないでしょ?」
元気に微笑んで見せてはいるが、さすがに傷つき弱った体は隠せない。痛みをこらえる細面の美貌が、白鷺のようなか細い印象を与えている。だがその瞳は、復讐に燃える強い光を帯びていた。
「そのふたりが、ジル先生の甥っ子ね。リハビリついでに、わたしが教えてあげます。よろしくね」
バニラほどではないにせよ、ミントも魔攻十傑衆の一人である。実力のほどは、そこらの荒くれの比ではない。病み上がりとはいえ、ゼロとメロディーの教官には申し分ない。早速ふたりは、ミントによってしごかれることとなった。
「あなたたち、何てことを!」
フレア=キュアは、腕に魔攻陣カプセルを付けて帰宅したゼロとメロディーを見て、真っ青になって叫んだ。血の気が引きよろけた体を、シド=ジルが背後から抱き止める。ゼロとメロディーは、すまない顔をして立っていた。だが、ふたりの決意の強さを、体中の生傷が、はっきりと物語っていた。
「これは命がけの戦いなのよ! 戦争なのよ!」
泣き崩れるフレア=キュアをシド=ジルがしっかりと抱きしめる。ゼロは母親を気遣いながら、冷静に答えた。
「黙っててゴメン。言ったらどうせ、止められただろ? でも、ボクらの時代に帰るには、聖魔の森に入るしかないんだし、父さんたちに任せて、ボクたちだけが戦わないなんて訳にはいかないよ」
「大丈夫よ、ママ。心配しないで。バニラもミントも、筋がいいって言ってたわ」
メロディーは、母親をなだめるように静かに答えた。ゼロもメロディーも自慢の子供たちである。その場の勢いで軽はずみな行動をする子ではない。またそうでなければ、樹海の中を駆け回ることなど出来はしない。だがそれでも、ふたりを魔攻衆にするとなると話は別だ。
「ふたりとも……本気なんだな?」
シド=ジルは、ふたりの目をジッと見つめた。ふたりの目には、一点のくもりもない。シド=ジルは魔攻十傑衆のひとりとして、ふたりの決意を推し量った。
「誰に似たのか、ふたりとも言い出すと聞かないからな。魔攻衆の戦いは、樹海のフィールドワークとは訳が違うぞ。ふたりとも、ここでは素人だということを忘れるな」
「アナタ!」
「確かに今は、少しでも戦力が欲しい。僕らの時代に帰るにも、ふたりの協力は不可欠だ。子供たちを信じてみよう。ふたりとも、無茶をするんじゃないぞ」
ゼロとメロディーは、両親の了解を何とか取り付け、ホッと胸を撫で下ろした。メロディーは腰に手を当て、明るく答えた。
「わかってるわよ、パパ。アタシたちも、すぐに力を付けて、パパとママの穴を埋めてみせるわ。だから、パパは帰る方法探しに専念して。ママも妊娠した体じゃ、これ以上戦えないでしょ?」
「エ!?」
一同はメロディーの発言に驚いた。
「キュア、妊娠してるんでしょ、ママ。それくらい見れば分かるわよ」
「本当かい、キュア?!」
ジルは思わずキュアの顔を見た。キュアは頬を染め、小さく頷いた。
「どうして言ってくれなかったんだ。やった! やったぞ!」
ジルは嬉しそうに笑いながら、キュアの体を持ち上げて喜んだ。メロディーは意外な顔をしてふたりを見た。
「ジル……知らなかったみたいね」
「お前、よく分かったな」
「男のアンタじゃ、分かんないわよ」
メロディーは、唖然としているゼロを鼻で笑った。
ふたりの自信は、はったりではなかった。魔攻陣のトレーニングを始めて一週間。ふたりは異常なスピードで上達していった。
魔攻陣は、火、風、水、地の4つのエレメントを持つ正方陣によって出来ている。前後左右、斜めに、計8体の聖魔を配置でき、4つの面に各3体までの聖魔が布陣することになる。熟練するほど多くの聖魔を扱えるようになり、ベテランの魔攻衆は、皆8体の聖魔を配置している。森の凶暴化に伴い、魔攻陣の扱い方についても、研究、改良が加えられてきた。通常、魔攻陣は、構えた正面に対してのみ効果を発揮するが、十傑衆など一流の魔攻衆になると、複数の面を同時に扱える者も少なくない。これにより、素早い相手や、挟撃にあったときなどにも、対応できるようになる。ミントもまた、複数面を同時に扱う技術を持っている。この一週間、ミントは2面を使いゼロとメロディーを同時に相手する事により、自らもリハビリを続けていた。
だが、超一流の戦士であるミントにとっても、ふたりの上達スピードは予想外だった。昨日はついに、ゼロが8体フル装備の魔攻陣を扱えるところまで迫ってきたのである。後れを取ることはないにせよ、フル装備の魔攻陣相手の2対1ともなると、さすがにミントも気を抜くわけにはいかなくなる。
闘技場には、噂を聞きつけた魔攻衆が押しかけていた。中央のフィールドで、ゼロとメロディーがミントに2体1の模擬戦を挑もうとしている。ギャラリーの中には、シド=ジルやバニラの姿も見える。以前はこの闘技場では、魔攻衆の技術を競う大会も度々開かれていたが、ホワイト・ヴァイスが起きてからというもの、そんなゆとりもなく、ご無沙汰となっていた。それだけに、変則マッチとはいえ、ふたりのニューカマーと十傑衆ミントの模擬戦は、ちょっとした話題になっていた。
模擬戦のジャッジは、闘技場を管理する、巫女のムーが仕切ることとなった。
「サイキョーですか──? それじゃあ、おふたりさん。準備はいい?」
「もちろん。いつでもOKよ!」
「そろそろ、1回ぐらい勝たないとな」
「ヘー。言うようになったわね、ふたりとも」
ミントは楽しそうに笑っている。だが、ふたりの実力が決して侮れなくなってきたことは、ミントが一番よくわかっていた。ゼロとメロディーは少し離れ、ミントに隣り合う2面を使わせる位置を取った。この位置だと、ミントはどちらかの攻撃には、2体の聖魔しか使えないことになる。ミントの魔攻陣は、確実性を重視した隙の少ない聖魔の布陣だった。リスクを取らない、指導用の布陣と言える。次に、メロディーが魔攻陣を展開した。彼女の魔攻陣も、8体フル装備になっていた。ゼロに触発され、一人で練習していたようだ。メロディーは得意げにゼロを見た。だが、ゼロが開いた魔攻陣を見て、唖然とした。ゼロの魔攻陣には、聖魔が5体しか配置されていなかった。しかも、各面が必ず2体ずつになる変則陣形である。ギャラリーにも動揺が走った。自分の正面に盾となる聖魔がいない面もある。甲冑があるとはいえ、魔攻陣としては、余り見慣れない陣形だ。
「ちょっと、何なのよ、それ? なんで8体使わないのよ?」
「まあ……今のところ、これが限度なんでね」
ゼロは意味深な台詞を吐くと、苦笑いした。
ムーの合図で、模擬戦が開始された。まずは双方とも、探り合いの攻撃を繰り出した。聖魔の数で言えば、それぞれ2面5体の聖魔で戦う構図となっている。ハンデ戦とはいえ、この状況でミントが負ける要素はない。
「ヘー。さすがはジルの甥っ子。なかなかやるッスね〜」
バニラはシド=ジルに話し掛けた。シド=ジルは苦笑いをし、フレア=キュアは首をかしげた。実際にはゼロとメロディーは、ジルの甥っ子でも何でもない2007年の人間なのだ。そのふたりが、類い希な適性を発揮していることに、シドとフレアが一番驚いているのだった。
まず何よりも驚かされるのは、ふたりの聖魔の扱いぶりだった。まるで、よく訓練された愛犬のように、確実に操っている。魔攻陣には、聖魔の配置など、戦術的な要素が多分にあり、ぽっと出のふたりとミントとでは雲泥の差がある。だが、そんな経験の差を、的確な聖魔のコントロールによって埋め合わせることにより、ミントとの模擬戦を何とか成立させているのだった。
そして、それは突然起こった。ミントが、メロディーをフィールド系の術で圧し、ゼロにシュート系の技を仕掛けてきたとき、ゼロが予想外の行動に出た。
「跳べ!」
咄嗟にゼロは両手を広げ低く構えると、聖魔たちを押すかのように、魔攻陣ごと横っ飛びをしたのである。そして、すれ違うミントの攻撃をすり抜けながら、すかさずシュート系の技で逆襲したのだった。
「なにっ!」
ミントは勿論、見る者総てがゼロの動きに驚愕した。展開したまま魔攻陣を動かすことが出来るのは、魔攻衆の中でも、カフーとバニラだけなのだ。たった5体の陣形とはいえ、魔攻衆になったばかりの新人に出来るような技ではない。
「ジル! 何てことッス〜!」
バニラは思わず武者震いをした。
流石にミントも対応が遅れてしまった。ゼロのカウンターをまともに喰らい、聖魔がよろける。慌てて反撃に移るが、そこへメロディーがすかさずつけ込んだ。ゼロの動きの特性を一瞬で見抜いたメロディーが、援護をするため、フィールド系の術でミントの魔攻陣を硬直させたのだ。
「ゼロ!」
この機を逃さずゼロが攻撃する。そして、苦し紛れに放たれたミントの攻撃を、再び魔攻陣を動かしてかわし、更に追撃。ミントの魔攻陣に、聖魔4体分の攻撃が襲いかかった。
「しまった!」
攻撃を喰らい、ミントの魔攻陣の一角が、完全に崩壊した。
「それまでっ! 勝者、ゼロ&メロディー!」
ムーの制止が入り、勝敗は決した。ゼロとメロディーの快勝である。
「ヤッター!」
ゼロはガッツポーズを取り、メロディーは飛び上がって喜んだ。歓声が沸き起こり、人々は新たな戦士の誕生を祝うのだった。
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