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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【噂をしずめる】

 グループ内の平和や、仕事の能率は、絶えず、根も葉もない流言や、敵意のあるゴシップに妨げられる危険性をはらんでいます。

それらが、リーダーに向けられたものであっても、メンバーや組織に向けられているものであっても、危険なことには変わりありません。

噂には、気を散らさせる、たかぶらせる、目標から重心を反らさせる、不審をもたらさせる等々があります。また、流言やスキャンダルを振りまく張本人に、不当な満足を与えるものでもあるのです。

 リーダーは、常に、流言やゴシップの元を突き止める努力をする必要があります。もし、出所が、いつも同一人であるとわかれば‥‥‥よくあることですが、困難は半分解決したと同じになります。

 張本人が病的に、あるいは、それに近いものである場合の例も、かなりあるということを、よく理解しておきます。
こんな人物は被害妄想、恨み、欲求不満などを、持っているので、個々に効果的な処置が必要になります。 

 また、組織がそのメンバーに仕事やメンバーとしての必要な情報を与えないために、よく理解のできない目標や作業行動を説明するため、そこから生まれる噂もあります。これは、組織にとっても、リーダーにとっても、特殊な盲点になります。

ですから、頻繁にグループの意図や結果に関して、リーダーの周囲に秘密のベールがはり巡らされる場合もありますが、これは、リーダーが、”俺だけ知っているのだ”と、自己の重要感を満足させるためだけの場合が多いのです。

こういうリーダーは、意図や計画や結果を全員に知らせるような場合さえ、加減して、人々への情報伝達が如何に価値を持つものかを、無視しがちになります。

 全ての重要な問題に関して、メンバーは出来るだけ速やかに、かつ、完全に知らされるべきです。これは、リーダーの大事な務めの一つでもあるのです。

 悪意のある流言は、無視するとますます大きくなっていく性質をもっています。これを訂正するには、公表と伝達と教育が、十分に行われるようにしなければなりません。

 一方で、ゴシップは不可避的な性質を持っています。それは、人間は、他人に対する興味を抑えることが出来ないからです。そこにゴシップが生まれるのです。

しかし、それが悪意を持つものになった時は、グループ精神を傷つけるようになりますから、取りしずめを行わなければなりません。リーダーは内々に、ゴシップを流す人物を見つけ出して、間違っていることを理解させることが必要になってきます。

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