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一桁>経営組織論?>『意志の伝達』

<命令を下す>

 積極的な行動を求めるコミュニケーションに、もっとも多く当てはまる形式は、指示とか命令形式の意志伝達です。
 管理という役目をもっている人は、ひっきりなしに、指示を出す機会に直面します。そのとき、急を要する命令は、口頭で伝えるとか、長い期間にわたる命令であるとか、細かい指示を必要なときには、文書で伝えるなどの方法をとって、情報の伝達を行います。

 そこで、少し詳しく述べてみます。情報伝達をスタイル別に分けると、おおよそ次のようになります。

【命令】 命令は、緊急事態や、特に注意を必要とするようなことだけに用いるようにします。もし、むやみに、命令形式を用いますと、その効果は半減しますから、この点を注意します。
 命令は落ち着いた慎重な態度で、必要以上に大きい声を出さないで、下すようにします。大声で怒鳴ったり叫んだりする必要はありません。そういう声での命令は大変聞き取りにくくなります。

【依頼】 依頼は協力を求めることです。命令より礼儀正しく行き届いた意志の伝達になります。依頼する場合には、誰に頼んだら一番いいかを知った上で相手を選びます。依頼を断る部下はまずいない筈です。
 例えば、「このMSGタイプしてくれ」と命ずるよりは「××さん、この手紙タイプしてくれませんか」と依頼した方が、一般に効果的です。

【示唆】 示唆は、従業員の責任感を触発しますから、責任感の強い人によく用いられる意思伝達の方法です。また、チーム・ワークや集団の利益をそれとなく訴えることで情報を伝達します。
「この手紙は重要なものです。今晩中に仕上げて貰えると助かるんだが」と言えば、秘書は自分の責任でこれを行うでしょう。示唆には、能力と判断力を伸ばす働きがあります。有能な管理者は良くこの手を用いて人を育てます。

【考えを売り込む】 出来るだけ理由を明かす方法です。依頼や示唆の後ろにある隠れた部分に、何があるかが分かると、きわめて積極的にそれに答えようとすることが判ります。ビジネスは、命令をして仕事をやらせるのではありません。仕事をすることに、興味をもたせるのです。
「××○○‥‥例の入札の期限は金曜日の午後だが、その一部でも木曜迄にやって貰えまいか?」

【協力】 リーダーは、組織の中で上役の方々にも部下の人達にも、協力して貰いながら仕事をしています。ところが、上役には気に入れられようと、相手の考えに賛成したり調子を合わせたりします。そして、部下に対しては、その存在を無視するような管理者は数知れないほど沢山います。
 こうした「ゴマスリ管理者」は、部下達の信頼を失い、チーム・ワークをこわしてしまいます。本当のリーダーは、部下を見下ろしたり、上役風を吹かせたりはしません。部下を信頼し、「仲間」の精神でチーム・ワークを維持していくものです。

 この様な考えをもった行動は、同じレベルの管理者と協力していく場合にも、なくてはならない大事なことです。同僚の方々の協力が得られず、充分な意志伝達が出来なくなれば、チーム・ワークは崩壊します。会社内に考えや命令が正しく伝わることが阻害されて、益々厄介なことになってしまいます。

 他の管理者に情報や命令を伝える際には、彼らは部下ではありませんから、強制できない、と言うことを絶対に忘れてはなりません。有能な管理者は、普段から自分の考えを彼らに「売り込み」、協力を促しているものです。

 つぎに、意思伝達の際の心構えです
◆ 命令を出す際によく犯す誤ちの例
@ 言うことが不明瞭‥‥真意が充分伝わらない言葉を選ぶ。
A 支離滅裂‥‥いちかばちと言う感じで命令を出す。
B 滅多にない例にぶつかった‥‥何をすればよいか
 ‥‥部下かしっていると思い込む。

◆ 命令を出す際に、忘れてはならない提言
@ 果たすべき職務を完全に知り理解する。
A 適任者に、仕事を割り当てる。
 従業員の中でそのことの職務に、特に優れた能力をもっているか、あるいは熟練しているものを選び出します。それから、彼らが最高の成果を上げるようなやり方で依頼します。

B 明快で分かりやすい命令を出す。
C 命令が理解されたとは思ってはならない。
理解されたかどうかを、確かめて下さい。必要とあれば、命令を復唱させます。

D 品位のある命令を下す。
皮肉など刺のある表現をしないで下さい。下手をすると命令の拒絶につながります。

E 必要なときは理由を説明する。
これは問題を明確にさせるのにたいへん役に立ちます。

F 一回に出す命令が多すぎてはならない。
命令が多すぎると内容を混同しやすくなります。

G 部下に能力がある場合は、うるさく小言を言ったり見下ろしてはならない。
H 仕事をさせるにあたってそれ相応の時間を与える。
I 適当なチャネルを通して命令を出す。
部下に仕事を命ずる場合、直接の上司をなおざりにしたり無視をすると、混乱を生じルールを無視するようになります。

 

部下には、直接の上司が、仕事をやらせる責任を、負っているだけではなく、かなりのところまで権限をもっていることを、理解して判断させるようにします。
 この組織の役割上の手続き、つまり権限の系列を崩さないようにします。直接の上司を通じるという手続きを経ないで、集団及び集団のメンバーに、直接命令を出すと、集団及びその上司のやる気をなくさてしまいます。

 J 充分に詳細を説明せよ。
 しかし、細か過ぎると、混乱を起こさせます。
けれども、仕事が困難なものであるとか、特殊なもの、たまに発生するものであったり、あるいは、未熟連者によって行われる仕事の場合、それに、標準的な手続きが必要で、それを教えたりするような場合には、詳細な命令があったほうが無難です。

 K 最後まで気を抜かない。
 適当な時間を経過してから、再点検をする事を勧めます。部下が命令を理解しているかどうか、仕事ぶりをたしかめるためです。  つづく

PS 文書による命令については計画化の項で詳細を述べていますので省略します。