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戦略経営組織論
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経営組織論?>独断型と衆知結集型>

リーダー資質

 リーダーの必要能力、つまり、リーダー資質は大きく「独断型」と「衆知結集型」の二つのタイプに分けられます。
「独断型」は、いわば乱世型ともいえるスタイルになります。かっての戦国時代や、明治維新、または、第二次大戦などに出現した、非常時の乱世に適合するリーダーのタイプです。組織が小さく、構造の単純なときに最も適合するリーダースタイルで、創始型リーダーとも言えます。

 このスタイルには、最もな知恵者で、非常に頭の切れる事が要求されます。このような非常時の乱世には、何よりも急速果断な判断を頻発します。ですから、体系的知識とか、余分な知識があると、判断作業が各分野の末端にとらわれたり、考えすぎをする等、判断の機を逃す恐れがあるからです。

 武田信玄以降、戦国時代の武将は、あるところまで成功はします。しかし、結局、挫折してしまうのは、判断の機会を逸したためです。第二次大戦後の経営者で、無に近いところから出発して、大成功をおさめた松下、本田両氏を始め、その殆どは、学歴がなく、例え、あったとしてもいわゆる「東大型・岩波型」という「日本のインテリ」ではありませんでした。

 現在は、確かに、世界史の転換の時点にさしかかっております。これからの時代は、近代のレールが引かれ、かなり先まで見える時代とは大幅に異なっています。
無明がつづく闇夜にちかいかも知れません。けれども、かっての戦争、革命、クーデター等の動乱がつづく乱世ではありません。一見表面的には、平和でありながら、その内部社会は、すさまじい変質が進んでいく乱世でもあるといえます。

 また我々の属する先進社会は、複雑きわまる高度知識産業社会ですから、そのような変化には、単なる感覚的知能だけで対応していく事が出来ません。例え傑出した「独断型」のリーダーでは、もうすでに対処していける社会環境ではありません。個人がどれほど博識であろうと、知識の在り方も、高度化し、複雑化しています。

 あまり大きくない、組織の長でさえ、その知識の全てを、一応理解できる事さえ、もはや困難の時代です。このような時代においては、リーダーはどうしても『衆知を結集』する事が必要です。衆知の結集の方法もありますが、リーダーの資質として、こうした時代には、「衆知結集型」の人材が絶対的不可欠な条件になってきます。