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「例外の原則」

 通常の日常業務に対する標準計画を立てると、その業務を担当する管理者は毎日繰 り返される々様な仕事に気を遣わなくてもよくなります。
 SOPの戦略的な個所にコントロール・ポイントを設ける事によって、計画が予定 通り進行しているかどうかを早急に確かめ、意志決定を下す事が出来るからです。SOPから外れている場合は、管理者がそれに関与し、然るべき措置をとるべきです。

 コントロール・ポイントは、管理者がそれまでの段階を誤り無く経過したかどうか を確かめたり、あるいは、重要な段階を迎えて修正措置が必要になれば、そのような措置がとれような時間的余裕をもって、運営手続きの中に組み入れていかなければなりません。
 例えば、新入社員の取扱いに関するSOPでは、コントロール・ポイントを取扱い、 順序1に必要なデータが全部揃っていれば、管理者の意志決定を待つまでもなく、た だちに取扱い順序2に進む事が出来ます。
 しかし、(社会保障番号など)一部でもデータが欠けている場合は、取扱い順序2に進むべきか、欠けているデータが揃うまで取り扱い順序1に止めておくべきかについて、人事部長は決定に迫られることになります。

 これが例外の原則です。手順通りに進んでいる件については、管理者はこれに関与する必要はありません。例外が生じた場合のみ管理者の意志決定が必要になるのです。
 それから、例外の原則を適用するもう一つの方法は、部下全員に対して標準計画をに従い、その範囲内で意志決定を下すように求める事です。しかし、計画からはみだす事が生じたときは、その件を上司に委ねます。
 上司が例外とすべきかどうかを決定することになります。同じ「例外」がたびたび生じるような場合は、その例外について、管理者が前に下した意思決定を、SOPに組み入れておきます。そうすることによって、例外が「例外」でなくなります。

 例外の原則は、現代経営管理概念のうちでも重要な部分を占めています。
 経営陣の一員が細かいところまで、いちいちチェックしたり、些細な決定まで全部下さなければならないいとしたなら、会社は成長しないし、管理者も育ちません。標準計画を立てて、管理者は計画外の事だけ関与するようにすれば、管理者は新しい計画をたてたり新しい物を生み出したりして、会社の成長発展を助けるために自分の時間やエネルギーを、思う存分効果的に使えるようになるからです。

「標準計画の利点」
 標準計画がよい経営を行うための有力な手段であるとする理由を要約すると次のようになります。
1 管理者が効率よく働けるようになります。計画が立てられ、計画の実施に参加する者が適切な訓練を受け、管理体制が整うと、管理者が関与しなければならないのは計外のことだけになります。
2 一貫性が保たれ仕事の調整が容易になります。
3 新入社員の訓練が非常にやり易くなります。管理者は、SOPによって新入社員が 学ばなければならない仕事の概略を的確に知る事が出来ます。したがって、訓練計画を たてたり、新入社員が、仕事を身につけたかどうかを確かめる事が容易に出来るようになります。
4 権限の委譲を容易にします。手順を予め決めておけば、部下にその一部をまかせるなり、または、全部を割り当てる事が出来ますから、いつも部下の側に立たなければならない必要性から上司を解放することが出来ます。
5 よく整った計画は、「唯一最善の方法」に基づく手順が組まれており、それが 仕事を行う最も経済的な方法にもなります。
6 SOPは、管理者自身の能力の開発に役立つばかりではありません。部下の管理者達をできるだけ計画立案に参加させる事によって彼らの能力の開発にも役立ち、さらに計画の実施に伴う細かい監督業務から管理者を解放することが出来ます。
7 優れたSOPには監視体制が組み込まれています。これは、管理が手遅れになってしまう前に計画からの逸脱を発見し修正する事を可能にしております。