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『代替案を作る』

 問題の処理方法が一つしかないと言うことは滅多にありません。
通常では、「唯一最善の方法」を選ぶ前、それに代わる方法を、幾通りも考えて置くようにします。多くの経営者は、問題の解決を過去の経験に頼っています。過去の経験が成功例であれば、それは現在の問題に対して立派な解答になり得ます。しかし、最終の決定を下すまでは、他に可能な解決策を探すことです。

 何かの問題について事実を収集しているとき、他の会社が同じ様な問題の解決に用いた方法を、伝える情報が舞い込むことが良くあります。他の人の経験は一考に価いしたり、代替え案になることが多くあります。経営セミナーや産業団体の会合に出席することの利点の一つには、カクテルや食卓越しに、こうした苦労の心情吐露など、非公式に交わされる情報の交換が、出来ることです。

 代替え案をもっと直接的、組織的に探し求めることを、計画化の過程の一部とすべきであると考えます。同業ないしは類似業種の会社間の親睦交友では、関係ある地位を占める管理者たちが、しばしば色々なことについて話し合ったり、相互の問題に関して互いに情報を交換しあったりしています。この様な接触を保ったり、必要なとき互いに利用することは、相互の助け合いとして有用です。

 業界紙を読んだり、業界の会合にでたり、経営者たちと商売の話しに熱中することは、経営問題に応用できるアイデアの貯蔵庫作りにおおいに役立ちます。また、中小企業事業団関係や、各地の経営者協議会などの団体では、管理者にとって利用価値のある多くの報告書や論文を出版や発表したりしています。

 他の会社が、類似の問題を解決した方法に関する情報を流しているケースもあります。事業関連の新聞雑誌を定期的に読むことは、企業経営者の自己啓発の一部とすべきだと思います。ほかの誰かが成功した方法が応用できる場合に、それをそのまま真似したところで少しも恥ずかしいことはありません。アイデアを読んだり聞いたり、試したり、交換することによって、管理者は視野を広げ、思いつく可能な代替え案を増やしていくのです。

『個人の創造力を刺激する』
 代替え案を生み出すには、部下をはじめ多くの人々の創造力を生かすべきです。
 創造力は誰でも持っているものです。心理学者たちは、この偉大な能力は全ての人間の内部にあるが、抑圧されているか、封じられていることが多いと言っています。有能な経営者は、人を生かす経営を行っております。部下の一人一人が持っている創造力を発揮させることが経営者の責任であるとしています。

 多くの部下は、自分にも創造力があることを本当に信じてはいません。
 生まれてからこのかた、創造力は画家、作家、広告専門家など「天才」が特別に持っている才能である、と、信じ込まされてきたためです。彼らの独創的な提案やアイデアが、過去において、親や教師とか監督者から嘲笑されたり、持て余まされ、相手にされなかった、と言うことが良くあります。

 彼らは何故自分に、創造力があることを信じないのでしょうか。
 その主な理由は、自分のアイデアが、批判されないだろうかと思ったり、アイデアが採用されなかったら、馬鹿に見えるのではないかと考えたりするからです。管理者は、部下達を励まして業務の改善を率先してやらせたり提案させたり、アイデアを出させるなどして、計画化に参加を促すことによって、この不安を克服しなければなりません。

 しかし、本当に創造力を発揮させたいと思ったなら、如何に非現実的なアイデアであっても、アイデアの孵化期においては、決して馬鹿にしてはいけません。とるに足りないアイデアであっても、絶対に批評・批判は、禁物です。巨木に育つ種は、ケシの実よりも小さく、抵抗力はほとんどありません。芽が出ても環境の変化に対応できずすぐ枯れてしまいます。
 独創性が歓迎され、やり込められはしまいか、と、いう心の葛藤や不安を拭い去ると、アイデアはどんどん成長出来るようになります。

 アイデアなど創造の過程が理解できると、自分自信の創造力を向上させると共に、他人を助けて、その創造力を引き出すこともできる様になります。この創造過程を心理学者は五つの段階に分けて考えています。
1(浸透)アイデアを生みだそうと言うときには、その前に問題についての知識を「浸透」させなければならない。これには関係領域に関する広範な知識をみにつけることのほか、先に論じたように事実を集めることも含まれています。

2(分析)事実とデータは全て分類してえり分けます。そして何らかの方法で系統だてて整理します。かたちが現れるまで何回でも整理を重ねます。整理することによって絶えず色々な面の事実を選択することが出来、入ってきた他の事実とともに、膨大な記憶となって残ります。(記憶は決して失っていません)過去の経験の全てと比較します。これは、既にプログラミングして入っている資料と新しい入力との比較を行うコンピュータと同じです。人間の頭は人間が作ったコンピュータよりは遥かに複雑であり、おびただしい情報を持っています。

3(孵化)我々の頭脳は事実の整理と分析を終了すると幾つかの答を出すことが出来るようになります。
 ところが頭の中は、事実や概念でごった返し、すっかり混乱して仕舞うことが良くあります。つまり、整理がつくまで時間がかかります。大抵の人はこの様な状態を経験しております。そして、別のことを考え出すと頭が軽くなります。それは、アイデアが潜在意識の中で、孵化し始めることだといわれます。

4(ひらめき)腰を下ろして待っているだけで、問題解決のひらめきが湧くのはまれなことです。頭が混雑混乱するほどの事実やデータとの接遇が、浸透や分析作用の起こし、資料の孵化がやがて、フラッシュ・ライトのように、問題解決のひらめきとし生み出されます。天才とは、九九パーセントが努力で、ひらめきは一パーセントに過ぎないと言うエジソンの信条は、忘れてはならないものです。

5(適合)アイデアが芽生えたら、それをテストしてそれぞれの状況に適合させるようにします。仕事上の色々異なった面、仕事に携わっている様々な人たちの考え方など、それぞれ異なった立場や、行動環境から出される要求を満たすように、アイデアを充分に理解しながら、それらを適合するよう調整を進めていきます。

 管理者は、新しいアイデアが生まれたとき、そのアイデアが成功するように見えても、これをテストして可否を確かめ、実際に役立つように充分な調整、修正を加えながら、適合化を測る必要があります。よく陥りやすい危険は、自分自信のアイデアにすっかりほれこんで仕舞い、変更を提案されても提案に従うどころか、そのアイデアを弁護するようになって仕舞うことです。 この項終わり