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一桁>経営組織論?>『リーダーシップ』

<リーダーシップの型>

リーダーシップを発揮する方法は十人十色です。
 自分の「リーダーシップの型」は、自分の前任者のリーダーを模倣したり、現在の、上役が用いているスタイルにしたがったりして、決めるケースが多くあります。

 しかし、中にはリーダーシップの標準型を、組織において、組織内に普及させているところもありますが、管理者、その部下、そのときの状況に適したスタイル、つまり、関係当事者全員が、気持ちよく働けるように、スタイルを役立てている例が沢山あります。

しかし、肝心なことは、リーダーシップに様々なスタイルがあることや、それぞれの長所と短所、ここの状況に対する適応性などに、管理者自身が気がついていなければ、どのリーダーシップを取ったらよいかわからないことです。

 上図リーダーシップ行動図は、ロバート・タンネンバウムとウォーレン・H・シュミットによって『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に掲載された各種リーダーシップ・パターンを一つの表にまとめたもので、一連のリーダー・シップ行動を示しています。

 方形図を2等分する連続の斜線は、それぞれの管理スタイルにより、管理者が行使する権限の程度と、意志決定に関して、部下に許されている自由度の範囲とが、関係あります。
 左端は、管理者が極度に権威主義的である場合の、リーダー・シップパターンであり、右端は、ほぼ全面的に民主的なリーダーシップ・パターンです。

 それでは、各点について詳しく検討してみたいとおもいます。

  1.  管理者が意志決定を行い、それを伝える。
     管理者がまず、何が問題かを決めます。それから、既に論じた意志決定の技術を‥‥意識的ないしは無意識的に‥‥利用して、意志決定を行い、それを部下に伝えます。問題や意志決定について、部下達の意見を考慮したり、また、意志決定作業に部下を参加させることはありません。この様な管理者は、専ら権限を行使することによって、部下を承服させています。

  2.  管理者が意志決定を「売る」
     @の場合と同様に管理者が自分で意志決定を下します。しかし、そのまま部下に 伝えるようなことはしません。部下を説得して、それを、承服させると言った、手間をかけるタイプです。
     部下は、独断的な意志決定に抵抗する場合が多いのですが、反発が強いとわかったとき、管理者は、その意志決定が、どれほど部下の人達の利益になるかを話すなど、説得によって彼らの抵抗を弱めようとします。

  3.  管理者は考えを示し、質問を受ける。
    この場合も管理者が意志決定を行います。意志決定を部下に示す際に、管理者は、彼らに彼の考えや意図をできるだけ詳細に説明します。さらに、彼らがそれを理解する猶予を与えます。質疑応答は、部下達に意志決定について、自分の意見を述べる機会を与え、管理者には、彼らの理解、承諾、不承諾、起こり得る問題などについてフィードバックを与える機会をつくります。

  4.  管理者が変えることの出来る仮決定を示す。
     これには、少しでもメンバーによる「参加の意志決定」へ、向かおうとする最初の顕著な動きがみられまする。
     部下は、最終決定に対してある程度の影響力をもっています。管理者は、問題を徹底的に考え、いろいろな代案を検討し、仮の結論に達します。最終決定を行う前に、部下へ案を示し、部下の反応と考えを引き出します。管理者は、部下の話は聞きますが、集団の意見を、受け入れるにしても拒否するにしても、最終決定はやはり自ら下します。

  5.  管理者が問題を提起し、提案を受け、意志決定を行う。
     これまで一連のリーダーシップ・パターンを見ると、集団に持ち込む前に、管理者が何らかの形で意志決定をくだしています。ここで始めて、部下にも解決案を提案する機会が与えられます。管理者は、問題を識別し、可能な解決策を部下に求めます。この目的は、問題になっている事柄と、密接な関係がある人達の知識と、経験を利用するところにあります。したがって彼らは、代替え案を、管理者が一人でつくるよりも、多くつくることが出来ます。

  6.  管理者が限界を定め、集団に意志決定を求める。
    ここでは、管理者が集団に意志決定権を渡してしまいます。
     もちろん、管理者も集団の構成員です。そして、意志決定に参加します。その前に、管理者は、解決しなければならない問題と、意志決定の範囲を、規定するパラメーターをはっきり、させなければなりません。集団は、代替え案を幾つもだし、その中から選びます。管理者は、集団の一員としてだけ行動しますが、必要に応じて、調整役や司会役をつとめます。

  7.  管理者は、ある一定の制限内で、自由に職務を果たすことを部下に許す。
     これが最も民主的な、経営管理です。
     実業界ではあまり見られないケースですが、職業集団や、研究集団など、管理者が本当に「平等の中の平等」的な立場に、立っているところでは、珍しいことではありません。このリーダーシップ・パターンは、管理者は、意志決定を行う過程において、他のメンバーと、同じ重要性しかもっていません。意志決定できるものについては、組織全体に課せられた制限以外に制限はないのです。
 全員参加の形をとるリーダーシップにおいては、管理者は、たとえ、集団で下した意志決定でも、意志決定の質については、自分が責任を負うと考えなければなりません。
 全員参加の方法を多用する管理者は、意志決定権を、部下に委譲する場合、これに伴う如何なる危険をも、受け入れる覚悟をもたなければならないでしょう。
 部下達の能力に、管理者の寄せる信頼に狂いがなければ、その危険は最初限度 に抑えられます。少しでも、よい意志決定を下して、これを実行し、労働環境を更に、ダイナミックで働きやすいものに、出来る可能性がましてくると言えます。つづく 
 PS この稿においては、組織構成員の目標に対する質について触れません 。