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/back/向上訓練の研究

指導・教育方法の基本

 最初に
 職場の指導教育が思うようにうまくいきません。
組織の編成替えの後に、あるいは、業績が上がらぬときなど、経営管理者からよく聞く話しです。 「無気力、無関心、無責任」が目に余り何を考えてるかわからない。と、ときには言葉も強くなり ます。

 うまくいかない理由は、どのような状況では、何をやるか、という点に適応性が欠いていた ということになるでしょう。もちろん、どのような方法でやるという点においても、研究不足 で安易な取り組みの姿勢にあることも理由かもしれません。
 しかし、管理指導を担当している方は、指導者研修、または、その他の方法で、何をどのよ うにやるか、ということについて、勉強したに違いないとおもいます。けれども、どういう状 況では何をやるべきかという状況論については、不幸にも、勉強不足であることに、気づいて いるとは考えられません。

 いろいろな発表会に出席したり、○○大学心理学教授の「心理学講座」に月謝を払ったりし て、いろいろな管理知識や指導法を勉強したりしたでしょう。しかし、肝心な急所について は、十分な理解を持ち合わさなかった。ようするに、どういう状況では何が必要で、こういう 状況では何が役に立たないかということ、さらに、あることを成功させるためには、どういう 状況つくりが必要かということにうかつであったわけです。

 結局、お手本に沿った考えを優先的に実施しようとして、状況に押し潰されそうになってい るのです。
 格言に「法は人を見て説け」という諺があります。法とは、ものごとの進め方の仕組みのこ とです。ものごとをすすめる場合には、相手の理解力をよく確かめて説明しないと、相手には 理解されないという意味です。

 しかし、教育には、基礎トレーニングの充実が大切です。基礎知識や基本技術を習得するに は、忍耐力と情熱が必要です。無理のない目標や、夢のある目標の設定の限界点に挑戦させる 指導技術が必要です。

 しかも、自分のものとして消化しきる前に、沢山の手段を教えては習熟しません。愛情と情 熱を兼ねた教育法が必要になります。ほめるこ とも、叱ることもその意味を理解せずに用いたなら教育の効率は半減されます。 西洋の格言にある「艱難に勝る教育なし」の通り、教える方も教わる方も、大変な苦労になり ます。そして、それを乗り越えた喜びが大きな進歩を贈り物にします。つまりメンタルなト レーニングの指導をつよく求められます。

 さらに、技術革新の続く現代は、ある研究者の「十年前に化学の全部を学んだ人は、今日の 化学の半分しか知っていない」というように、生涯継続される教育だけが時々刻々の変化への 適応を可能にしています。要するに、このような社会現象は、逆戻りを不可能にしています。 ですから、技術革新による進化はますます発展の方向にすすまざるをえません。

 企業内の学習指導は、経営の生きた細胞として、その機能を十分に果たすための新しい努力 です。管理者や幹部にとっては、恒久的教育はどうしても必要になります。