情報の収集
オリエンテーションで得た解決しなければならない「企画課題について、できるだけ多くの情報を集めるステップ。情報とは何か、情報のある場所などを理解します。
◆ ブレークスルー
業績が上がらない、上司とそりが合わない、部下の動かし方がわからない等々壁にぶつかる機会はいっぱいあります。
一見して、いままでの生き方に疑問符のつけられるマイナス現象に見えます。しかし、この壁を乗り越えれば自分の器は一回り大きくなります。人心のまとまる組織も同じことです。
壁とは成長するための関所のようなものです。関所を通れるか通れないかは、通過するための通行権(ノウハウ=知的価値)の有無が決定するでしょう。
壁にぶつかったときは、まず、その原因を考える。答えが出る場合も、また答えの見つからない場合もあります。けれども自分たちと自分のおかれた状態を見つめることが、自分の成長に役立ちます。問題解決の糸口を与えてくれることが多いものです。
- 解決が不可能の場合には、根本的に異なったアプローチを試みます。
壁にぶち当たった原因、問題点を冷静に検討します。
- 従来の延長で解決するかしないかを判断する。
解決可能であれば、意を決して徹底してやる。
- 解決不可能なら、水平思考を試みる。
◆ 企画作業における情報収集
情報は、経営第4の資源などとよく言われます。そして、現代は、高度情報社会であるといわれます。こうした表現は、情報は、たいそうなもののように思え、どこでどんな風に集めればよいのか、戸惑う人も多いのではないのでしょうか。
まして、問題解決のための情報というと、何か権威のあるトレンディなことや業界の特別な情報や国際情勢といったものばかりを集めなければならないと錯覚している人もいるのではないかと思います。
むしろ、家庭内で主婦のスーパーでは○○シャンプーがバカ売れしているらしい。という情報の方がはるかに重要です。
そこで情報の重要性とはどんなものであるかを、考えると、一般的に情報に対する認識は、自分勝手な主観が取り決めるので客観化するのは非常に困難です。
それで、
情報の持っている価値を知るために、情報の利用方法を見ると、ある局面に用いるものと、継続的に用いるの二つの種類があります。
そして、そこに用いられる情報には、
- コストをかけて探し求めた情報。
情報の価値は情報を生み出すために投入した費用による価値付け。
- 役に立つ情報。
情報の価値を、情報を使用することによっどのような効果を生みだしたかによって価値づける。
- 情報の斬新性。
情報がいかに斬新で創造的なものであるかによって価値を計る。
等の価値づけが行われています。
角川・新国語辞典によると
【情報】
@事情・状況などの報告・事件のようすの知らせ。
A判断の材料として与えられる種々の媒体による知識。
調査の背景となる情報
これは、企画調査のおかれた現状を知るための情報。たとえば、自社・業界・商品・消費者といったものの現状にあたります。これは「@事情・状況などの報告」に当たるでしょう。
また、オリエンテーションで立てた仮説が正しいかどうかの「A判断材料」ともなります。
企画の構想の元となる情報
こちらは、アイデアのトリガー(引き金)になる情報。未来予測、未来構想の材料となる情報です。
情報の種類
では、情報の種類にはどんなものがあるでしょうか。次の二つに大きく分けてみます。
- 文献情報
●雑誌・新聞・書籍・などの印刷物情報
●データベース情報サービス、ファックス情報サービス
●TV・ビデオ・映画情報
- 調査情報
●アンケート・インタビューなどによる調査データ
●講演会・勉強会・世間話などに口伝えによる情報
●マーケティング会社などによる調査情報
情報と一口にいっても、その絶対量は膨大です。こうしている内にも、刻一刻とあちこちで情報は生産され続けられていますから、その洪水のような情報を把握することは不可能です。
この膨大な量の中から企画に必要なものを選び出すために、情報のある場所を知ることは必要不可欠になります。
とくに文献情報では「情報源を知る」ことは重要なテクニックです。
また、調査情報では様々な調査方法を知る必要があります。これらについては、後で紹介したいと思います。ここでは、情報はこういうものだというコンセプトを掴んで欲しいと思います。
◆▲食品会社の情報収集
▲食品のとった方法は、まず、プロジェクトの全員が手分けをして自社製品の売られている現場、代われている現場を見ることから始めました。つまり、プロジェクトメンバーの共通のベースで、現場の分析を行ったのです。現場で使われている人たちの話を聞くことから始めたわけです。
このメンバーの仕事は、「調査」という仕事になりますが、その最初の仕事が、彼ら自身の現場に赴き、じかに売りの現場を知り、使用者を知ることでした。
調査の方法論だけを取り上げると、関連のデータを取り寄せて読むこともできます。消費者を対象にしたアンケート調査を実施することもできます。また、社内の人達にいろいろな問題点を聞いて回ることもできたわけです。
しかし、このチームのメンバー全員が、ともかく現場に行って、自社の問題点を肌で感じて、それぞれの意見を持ち寄り、共通のベースを持つことができました。
このことが、このプロジェクト・チームの以降の活動を、きわめてスムーズに運ばせた大きな推進力となりました。
問題点の整理
手分けして回った精肉店、デパート、スーパー、そして消費者家庭から、メンバーは自社商品の主要な問題点を一挙に把握しうることができました。各人が感じた問題点は名刺半分くらいの大きさのラベルに一問題一枚づつ書き、まとめ上げたところ、チームがこれからやらなければならない仕事の範囲が労せずして明確になってきます。
問題点を書いた多くのラベルを互いに似たものでまとめていくと、最終的に四つのグループにまとめられました。
それは次の四つでした。
- 商品の問題――商品開発
- 顧客の問題――顧客開発
- 流通の問題――ルート開発
- 販促の問題――SP開発
このチームの課題である市場開発は、結局大きく四つの開発テーマに分かれたことになります。そして、次の段階では、
- どのテーマが自社にとって最も重要か
- それぞれの開発テーマはどのようにアプローチすべきか。開発しうる側面の発見とそれに伴う調査・分析の方法
という二つの課題のステップに引き継がれることになりました。
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