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コミュニケーション・ネットワークの分析



 上図は、コミュニケーションのパターンを示したものです。
 リービットとパペラスは、五人で構成する集団のコミュニケーションパターンについて研究しています。
 その結果、サークル形、スター形、連鎖系形の三つのパターン・モデルを対象にして三者の比較分析を行ったところ、つぎのようなことが明らかになっています。

(1) 問題解決の速さや正確さが優れているのは、スター形>連鎖形>サー
 クル形の順。
(2) 集団の組織化が早く行えるのは、スター形>連鎖形>サークル形の順。
(3) リーダーへの権限集中の度合いは、スター形>連鎖形>サークル形の順。
(4) 作業に対する士気や満足感が高いのはサークル形>連鎖形>スター形の順。

 この結果(特に、サークル形とスター形の差の比較分析)から、コミュニケーション構造は、構成員の生産効率(問題解決の速さ、正確さ)と作業にたいするモチベーション(士気)や満足度に影響を与えることが理解されます。

 しかし、作業内容に複雑化という状態を導入すると、この傾向に変化が見られています。サークル形グループの方は、士気の高い各構成員が構成員間で意志疎通を図りながら問題の解決に当たるという傾向が見られましたが、スターがタグループは、問題解決に時間を要しました。
 このように作業内容を変更するという刺激を加え続けると、サークル形グループの方が適応性が高いという結果が出ています。スター形グループは、リーダーによるトップダウン式のワンウェイ・コミュニケーションであったため、構成員の自発的参画を促しにくかったのです。
 一方、サークル形グループは、構成員間で作業についての相談を行い、高いモチベーションを維持しながら、作業改善を行うことが出来たためです。このサークル形とスター形のコミュニケーション・パターンは、あくまで単純化したモデルであって、現実の組織中では、このパターンは混在して現れています。

参考文献:「ヒューマン・ファクター・マネジメント」三菱総合研究所 行動科学研究室著、(株)ティビーエス・ブリタニカ刊。
 
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