・外反母趾・
「日本の女性の8割は外反母趾です」こんなキャッチコピーを何かで見た記憶が
ある。私もサラリーマン時代にヒールを履いて外を飛び回っていたため、しっか
り外反母趾になっている。合わない靴や先のとがった靴を履き続けていると、指
が縮こまって、しっかり踏ん張って歩くことができなくなる。すると妙な歩き方
となり、足に無理が生じて中足関節が緩み足巾が広がったり、ひどくなると親指
の付け根の骨までが外側に出っ張ってくる状態となる。これを外反母趾というの
だ。ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
私の場合はまだまだ軽度だと思って巾広の靴を履き、これ以上ひどくならないよ
うに気を付けていた。ところが、右足首の内踝(くるぶし)に激痛が走るように
なると真剣に足下を見つめなければいけない状況になった。以前から起き抜けに
ベッドから足を下ろそうとすると右足が痺れたような感じがして、起きあがって
数分間は妙な歩き方をしていたのだが、一月ほど前からその痛みが日増しにひど
くなっていた。あああああああああああああああああああああああああああああ
あまりの痛さに骨の異常を疑って近所の総合病院で検査を受けた。レントゲンの
結果は問題なし。しかし、痛いのだから原因を真剣に調べてもらいたかったのだ
が、湿布薬を張る程度の治療方法しか持ち合わせていないという。骨に異常が無
くて見た目に腫れてもいない足首の痛みを治療する具体的な方法をもたない病院
を当てにするほど私は我慢強くない。あああああああああああああああああああ
そこでもしやと思い、以前インターネットで知った接骨院に問い合わせてみた。
症状を説明すると、足の変形により内踝に負担がかかり捻挫をしている可能性が
高いと言われた。まだ正式な患者になってもいない私に対して、非常に丁寧にア
ドバイスまで下さった。そこで、こんなに親切にされたら行かないわけにはいか
ない!と、三郷市からはちょっと遠いのだが「診てもらおう!」と決心して予約
を入れた。あああああああああああああああああああああああああああああああ
神奈川県横浜市にある「笠原接骨院」の院長は外反母趾の治療の草分け的存在で
ある。本も何冊か執筆されていて、代表作は「切らずに治す外反母趾」。また、
待合い室には院長が考案した外反母趾用の様々なグッズが紹介されていた。私が
一番興味を気になったのは「外反母趾用ストッキング」。興味をそそられパンフ
レットを読もうと思っていたら順番が回ってきて診察室に呼ばれてしまった(次
回にチェックしなければ!)。ああああああああああああああああああああああ
まずは院長直々の診察。立派な両足を院長に差し出すように台の上に水平に伸ば
すと「うーん、あなたが痛いのはここですね。」と表情も変えずに私の右足内踝
の下をギュッと押した。それはそれは、ギャッと叫び足を引っ込め首がすくむほ
ど痛かった〜。そして、右足を両手で支えて「あなたはこうやって歩いています
よ」と宙で私の歩き方をシュミレーションして見せて下さった。捻れながら内踝
に負担をかけて歩いている様が手に取るように理解できた。あああああああああ
が、意識しながら歩き方を直すのは不可能なのだそうだ。長年、板に付いた歩き
方は早々治るものではないらしい。治療方法は内側に曲がった親指を元の位置に
戻るようにテーピングをすること(テープで補強することによって足の指を開き
徐々に踏ん張って歩けるようにするのだ)。さらに足指体操をすること。そして
痛みの軽減の為にはねじり歩きができないように包帯で足首を固定させるという
ものだった。また、足の変形は全身に影響するということで、腰はもちろんの事
肩・首まで整骨していただいた。テーピングしてもらった足は非常に歩きやすく
足の裏がフワフワしているような感覚があった。ああああああああああああああ
接骨院に行ってから4日が過ぎた。内踝の痛みはどんどん軽減されてきている。
起き上がった時の何とも言えない不快な痛みはほとんど感じられない。今日は、
説明書を見ながら自分でテープを張りなおしてみた。たかが外反母趾、親指が少
し曲がっているだけなんだから、と軽く考えていたが侮れないものだと深く反省
している。主人は「草履で歩いたら?」と言うが洋服に草履では様にならない。
考えても見れば日本人は着物に草履の歴史の方が永いのだ。西洋のスタイルは日
本人の身体にはそぐわないということだろうか。もともとは西洋の履き物であっ
た靴で痛めた足を東洋の治療方法で治す。何だか妙な気分である。(1998.10.29)

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