・三郷の本屋さんに行こうと思った・
いつの間にか海外の推理小説を読むことが多くなった。都内に出かけるときには
必ず一冊は持ち歩く。残りわずか数10ページにもなれば、本屋に立ち寄って次
の一冊を探す。好んで読んでいるのはメアリー・ウォーカー、パトリシア・コー
ンウェル、T.J.マクレガーといずれも女性が書いたもの。特に後ろの二人は
シリーズものを手がけているので、次々と読みまくり最新作を心待ちにしている
状態である。しかし、かなり恐ろしく過激なシーン描写があるので、ときどき夢
見が悪くなることもある。子供の頃は「老婆捨て山」(これは他の意味で恐かっ
たのだと思う)や「四谷怪談」などを視た晩には必ずうなされていたし、大人に
なってからは「ツインピークス」にうなされた。もともと、恐ろしいものに対す
る感受性が強いのか、本来であれば「さわらぬ神に祟りなし」で、近づかなけれ
ばいいのに、恐いもの見たさに手が出てしまう。ああああああああああああああ
最近では、早川書房から出ているジョン・ダニングの「死の蔵書」と「幻の特装
本」を続けて読んだ。2冊とも古書をめぐるサスペンスだが筆者が実際に古書を
扱う仕事をしているだけに、専門的な知識が随所に登場していて興味深かった。
中学の頃は星新一(推理小説のジャンルではないかな?)にはまった事もあった
けれど、日本の推理小説はほとんど読まない。一番理解出来る母国語で読むのは
村田喜代子さん。純文学の世界である。最初は彼女の無駄のない言葉の運び方に
感嘆した。そして、同じ本を2回3回と読むうちに、彼女が選んで並べた文字か
ら生まれてくるすべてのものに浸りきってしまい至福の心持ちとなる。日本語が
理解できる日本人に生まれた喜びさえ感じてしまう(大袈裟ですか?でも、読ん
でもらえればわかると思う)。それから、室井滋さん。最近、電波少年でも姿を
拝見している次第ですが、「やっぱり猫が好き」のレイコさん以来ファンになっ
て、いまだに彼女の書いた本は必ず読んで「おっかけ」をやっているわけです。

話しはちょっと変わって、そういえば三郷市に越してきてからというもの、雑誌
以外を本屋で買ったことがないと気付いた。少々大きめの本屋を見つけたのも昨
年の後半になってのことだった。しかし、その時に読みたい気分にさせられる本
に出会えるかどうかは時の運といったところがある。いままで出会った何百冊だ
か何千冊だかの本は偶然手に取った感じではあるが、本当は「あなた、これ読ん
だら」と神様がポンポロリンと授けて下さった宝物のような気がするのだ。その
証拠にある程度の大きさの本屋であっても、読みたい本がまったく並んでいない
店もある。「ああ、この店と私は相性が悪いな」と思ったら、その本屋には2度
と立ち寄らないことにしている。でもこれからは自転車を10分こいで三郷の本
屋さんに行こう!と思うのだった。さて、地元の本屋との相性はいかに! (1999.2.1)

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