それは唐突でした。 第五章の冒頭です。 とにかく、目の前で起きている事が信じられませんでした。 ○○O○の使い方に衝撃を受け、呆然としている間もなく飛び交うSEの嵐。
・・・程なくして、思考が麻痺したまま、何とはなくそこら中を調べていました。 何かの冗談じゃないのかと思いながら。 そして、あるアイテムが偶然見つかった時、泣きましたね、えぇ。 初めてゲームで泣きました。 そして、未だ見ぬ敵に本気で復讐を誓いました。
まぁ我ながら単純バカだなぁと思うのですが、これは単なるゲームの話です。キャラは2頭身でドット絵です。音もしょぼいです。でもですね〜、ガツンときちゃったんですね〜これが。この時点で試験は頭の中から消えてました;。
◆◇◆
しかし、衝撃はこれだけでは無かったんですよね。”あの”夢。真っ赤に染まった画面を見ながら、気づいてしまいました。「奴」は「自分」になってしまった、と。「奴」との戦闘では「ガンガンいこうぜ」で徹底的に叩きのめすことだけを目標に旅を進めてきたのが、一気に意気消沈しました。
今まで振り上げていた拳を何処に下ろしたらいいのか、というよりも、「奴」はこの後どうするのか。自分のように復讐を誓って鬼神となるのか、それとも・・・。「奴」の行く末、それだけが頭の中を渦まいていました。
・・・いや〜、単にプログラムされたイベントを進んでるだけで、そんなことはどうしようもないんですが、この辺りはもう完全にのめり込んでましたね。
◆◇◆
旅も終盤になり、1歩ずつ「奴」に近づくにつれ思ったのは、この戦いは止められないのかな、ということでした。当時はおろか現在のゲームでも娯楽として成り立たないと思えるほど突飛過ぎる発想でしたが、このゲームなら、今回の展開なら何とかなってるんじゃないかなと。そして、復讐ではなく、会って話をするために旅を続けていきました。 |