昨日に引き続き、技術者ではない人に新たな技術を説明する話です。なぜ技術者ではない人に説明しないとならないか。それは多くの場合、予算や権限を持っている人は技術者ではないからです。先進国では技術者が大臣になったりするみたいですし、民間企業でも新技術に疎いCTOやCIOは直ぐに解任されてしまいますが、日本は上位下達型の中央集権国家ですから、技術者ではない人への説明は非常に大切です。
昨日も出てきた馬車から自動車への切り替えの話ですが、利用者と利用者の興味は例えば以下の様に分類できます。
- 馬車の製作者: 自分で作れるのか、作るとすればどうすれば良いのか詳しく知りたい
- 馬車の持ち主: 費用対効果、安全性
- 御者: 操作方法。操作の難しさ。
- 荷主・乗客: 目的地までの時間とコスト
一般の人は取りあえずは荷主か乗客ですから、昨日書いたように「自動車とは力が強く足が速く疲れない馬車」程度の理解があれば良く、エンジンだのタイヤだのについて理解させる必要はありません。勿論、時間が経ち自動車に乗るという体験を積めば、自ら運転しようとする人も出てくるかもしれません。でも、最初はそこまでの理解は不要です。
デジタルも同様だと思っています。一般の人は、デジタルのハードやソフトを作る人ではなく、またオペレーションをする人でもなく、「乗る」人だからです。デジタルをスマフォなどからチャッチャと操作する事を覚えるのは、目の前にスマフォが出現してえらで十分です。スマートシティはまだ目の前にはありませんから、「デジタルは郵便局と同じくコンピューターが色々な帳票を届けてくれるだけです。ただ、速くて安くて大量に届ける事が可能なだけです」と説明しましょう。もし、相手が「速くて安くて大量だと何が嬉しいの」と言い始めたら、「年寄りの見守りが自動的に出来ます」などと、技術用語から離れた会話が出来るようになります。
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