フィールド・ノート…1999年1月

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1月5日…新年の話題と途中経過

ぼくにとっては激動の一年となった1998年が終わった。本当にたくさんのことがあった一年だった。去年の初めの計画では、今ごろは目前に迫った結婚式の準備で忙しくしているはずだった。こういう言い方をすると今でも未練があるようだが、彼女と別れて、必ずしも悪いことばかりではなかったと思う。テレコミを始めたこと、そして、このサイトを始めたことで、いろいろな方と知り合うことができ、また今までになかったような経験ができたからである。

昨年の12月24日以来、フィールド・ノートの更新が途絶えている。「テレコミ」できなかったためだ。12月最後の週末は、一人で台湾に観光旅行に行っていた。職業柄、年末は30日まで仕事だ。大晦日三が日に「テレコミ」できるほど暇でもない。そうこうしているうちに、このサイトのカウンターが10000を越していた。カウンターが10000になるまでには…、と心中ひそかに期するものがあったのだが、カウンターが回るのは思ったよりも早かったし、ぼくは思ったよりも「ヨワヨワ」だった。ともあれ、これだけの方に見ていただけるようになるとは、開設当初は考えてもいなかったことである。読んでいただいた方に、このサイトから何か一つでも新しい発見して帰っていただけたとすれば、それに勝る喜びはない。ぼく自身は、あまり妙な目的意識にとらわれることなく、この「終わりなきテレクラ的日常」(笑)を生き続けていこうと思う。

というわけで、少々いつもと毛色の異なる「フィールド・ノート」になっているが、この5日という日に何があったかというと、12月24日の女性から電話がかかってきたのである。これがぼくにとって、今年の初めての「テレコミ」関係の話題ということになる。

件の女性とは、その後も何度か電話で話していた。彼女は仕事柄(家がお花関係のことをやっているらしい)正月は多忙を極めるとのことだったし、ぼくもしばらく週末は空かないので、「会おう」という具体的な話はまったく出さずにここまで来ていた。彼女は比較的ぼくと話すテンポが似ていて、ぼくとしては電話をするのがすごく楽だった。話し方は年齢(25歳)よりも幼いが、おそらく意識してのことだろうと思う。本人も、「私、ストレスが溜まるとね、幼児語が出るようになるの」と言っている。

何度か話すうちに、お互いの本当のプロフィールについては、ほぼディスクローズが済んでしまっている。彼女は当初の印象よりもさらに、育ちが良いようだった。敬語(〜なさる、〜していらっしゃる、等)の使い方が板についているのだ(ぼくに対しては使わないが、ぼくの家族の話などになると、すっと敬語が出る)。こういうものは、付け焼き刃ではどうにもならない。お琴を習っていたり、着付ができたりする、という話にも嘘はないだろうと思う。

一つ面白いことがあった。年末に話した時だったか、彼女が「ね、私、名前言ったっけ?」と訊いてきた。前回の電話で教えてもらっていた名前を答えると彼女は、「ええぇっ、それ、本名だよぉ。私、こういうので本名言っちゃったの、初めて。でもまあ元々、こうやって何度も電話するようになるのも初めてなんだけど…」と言った(これが真実かどうかについては、ぼくは判断しない)。これまでは、用意してある仮名しか言ったことがなかったそうだ。テレコミと名前、ということについては少し考えるところがある。いずれ別の場所で何か書いてみようかと思う。

1月10日…「伝言ダイヤル昏睡強盗」後の会話

もう新年が始まって10日も経つのだが、未だに「フィールド・ワーク」には出かけていない。この週末も、大学時代の同期との飲み会があったり(また女性が一人結婚を決めた)、父が入院したり(生命には関わらない手術をした)、新車が来たりといろいろあって、時間が取れないのである。「事件」後の伝言ダイヤルの様子を探ってみるというのも面白そうだが、そこまでやる気力もない。せいぜい昨年末に知り合った25歳の女性に電話をかけるくらいである。

彼女はやはり、かなりの電話依存症(?)である。毎日誰かと長電話をしないと気が済まないらしい。相手がどうしてもいない時に、「テレコミ」を利用するわけだ。「○○さん(ぼくの名前)ともずいぶん話したけど、私きっと、話したり聞いたりしたこと、せいぜい6割くらいしか覚えてないよ」とのこと。もちろん、大事なことは覚えていてくれる。前回ぼくが、父が入院する、という話を少ししたのを覚えていて、電話をすると第一声が「お父さん、大丈夫だった?」だったりする。

彼女には過去の恋愛経験の話(高校時代に付き合っていたストーカー的なT大医学部の学生の話とか)などもいろいろ聞いた。また、彼女の子供時代の親子関係が必ずしもうまく行っていなかったこと、一人暮らしを始めてすっきりしたこと、なども聞いた。ただ、それらはいちいちこの場で詳しく発表するようなものではないような気がする。

ぼくはこの日電話をかける際、妙な緊張感を感じていた。例の「伝言ダイヤル連続昏睡強盗事件」が大々的に報道されてから、初めてかける電話だったからだ。できれば触れたくないような気もするし、ネタ的には訊いておきたい気もする。結局、その話題を出してきたのは、彼女の方だった。

「なんか、変な事件あったね。○○さんも気を付けてね」「ちょっと待って。気を付けるのは君の方でしょ。薬なんか飲まないようにね」「飲まないよ、薬なんか」「でも、普通、こういうので逢ったとしてもだよ、薬なんか普通飲むと思う? たとえば、ぼくと逢ったとして、ぼくが『美容にいい薬だよ』って渡したとしたら、どうする?」「飲まないよぉ、ぜったい」

ふう。何だかいやに疲れる会話だった。適当なところでこの話題は切り上げる。こういう場所でするには、そぐわない会話だったと思う。過去や未来の自分たちの「テレコミ」体験については、伏せておいた方が会話はスムーズに進むのだ。

1月14日…「テレクラ初め」は援助3件

月に一度の目黒での会議が6時前に終わった。今日を今年の「テレクラ初め」の日とする。いろいろな「テレコミサイト」を見ていると、「伝言事件以降、普通の子のコールが少なくなった」という見方がある一方で、「報道で興味を持ってかけてくる子が多い」という正反対の見方もあるようである。

渋谷で行き付けの店は、満室だった。少なくとも男声利用者の側は、事件に影響されることもないようだ。かなりの待ち時間になる、ということなので、もう一軒の店へ行く。考えてみれば、この店では今までこれといった成果はあげていない。結果は惨澹たるものだった。入室して2時間半で、回ってきたコールは3件のみ。しかもすべて援助希望で、話をしていた時間は合計しても5分に満たない。なおそのうち1件は、19歳で明日が誕生日かつ成人式、という女の子だった。

帰りがけにフロントのお兄さんに、「いやあ、今日は30代ご希望の女性ばかりで。普段はこんなことないんですけどねえ」と言われるが、この店はどうも営業努力を怠っているのではないか、と感じる。次からは別の店にしようと思う。話ができないのでは、来た意味がない。

この日の夜、例によって12月24日にツーショットで知り合った25歳に電話する。つい話が長くなり、電話を切ったのは朝5時半だった。今日は、会う・会わないの話が少し出た。「会わない方がいいような気もする。顔を知らないからこそ、こんなに話ができるのかもしれないから」と彼女。「それに、会ったらきっとガッカリさせちゃうと思うよ…」。いささか電話で長く話しすぎたのかもしれない。ぼくと彼女の間には、「声だけの関係」ができ上がってしまったようだ。

1月16日…18歳女子高生、歌の練習はテレクラで

この日もコールは低調だった。場所は渋谷。時間は午後3時から2時間。一件目は20歳の学生二人組、援助希望。パス。二件目はこれまでにもこの店で2回ほど取ったことのある自称34歳。「前に話したことがあるから」と断ってフロントに戻す。

3件目は、18歳の高校3年生、自宅から。大学1年生の彼が試験期間中でちっとも構ってくれず、ご機嫌ナナメなのだそうだ。「でね、いっつも会ったらする、みたいな感じなんだけど、最後に会った時わたし生理だったの。彼って生理のこととかぜんぜん知らなくて、『こんなのが出てくるんだよ』って言ったらビックリしてたんだけど、『やめとく?』って訊いたら、『いや、やる』って」。で、試験でしばらく会えないからということで、その日は2回した。「『試験期間中、我慢できるの?』って言ったら、『我慢できなくなったら呼び出すから』とか言うんだよ。私にも会いたくなったら電話していい、っていうんだけど、そんなことしたら、すごいワガママっていうか、相手のこと考えてないみたいじゃん。できないよ」。

彼女は「ボーカル」なのだそうだ。訊いてみると、バンドをやっている、というわけでもないらしい。文化祭の時などに、体育館のステージで歌ったりするらしい。今は「復帰おめでとう、ということで」安室奈美恵の"I have never seen"を練習中。「でも、一人で練習しててもつまんないんだよね」。どうやら歌を聴いて欲しいらしい。ぼくが何も言わないうちに、電話の向こうから歌声が聞えてきた。一個所、引っかかってしまう場所があるようだ。「ここがどうしても上手く歌えないんだよな…」。歌い終わると、電話は切れた。

この日はもう1件、こちらは17歳の女子高生からの電話があった。テレクラにはよくかけているそうだ。6時半に渋谷で友達と待ち合わせをしていて、それまで時間を潰したいらしい。「でもわたし、目的あるんですよね。援助じゃないんですけど」。すなわち、お金を貸して欲しい、というのだ。「前は援助とかもやってたんですけど、その時は彼氏いなかったんですよ。今はそれに近いのがいるし、お金もらうのって、なんかヤじゃないですか。お金をくれる人はいくらでもいるし、その方が楽なんだけど」。ところが一方で、「今日は(生理の)終わりかけだからできないけど、(エッチが)絶対にイヤ、ということでもない」とも言う。お金はいつも返してるの? 「うん、バイト代が入ったら返すようにしてるよ。もう1回会って返したり、時間がない、とかだったら銀行振込にしたり」。

これもやっぱり…援助交際は援助交際だよな。ぼくはここで少し失敗をして、「基本的にお金を渡すつもりはないが、話には興味がある」という意味のことを言ってしまった。彼女は、「あの、私もあんまり時間ないんで、お金貸してくれないんだったら、別の人探したいんですよね」とややキツい言い方をした。確かにそうだ。ぼくは時間をとらせたことを詫び、コールをフロントに戻した。

1月17日…25歳、「電話友達」との面接、自己嫌悪…

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」などというが、ぼくはその言葉どおり、今月の初めに来たばかりの新車を駆って、先月24日以来の電話友達である25歳の女性の家へ向かっていた。逢う話がまとまったのは昨夜のことだ。デートの行先は彼女の希望でお台場へのドライヴとなった。前回のテレコミ・ドライヴがひどい結果に終わっているだけに、運転は慎重の上にも慎重を期さねばならない。今回はカーナビという強い味方がいる。知らない道を走る時でも、地図を見ようとわき見をしてしまう心配はない。

待ち合わせ場所に着いて彼女の携帯を鳴らすと、道の向かい側でかばんから携帯を取り出す女性が発見できた。彼女だ。白のコート、黒いセーター、ニットのスカート。本人も言っていた通り、決して美人ではない。身体はスリムだが、顔はお月様のように丸い。小林亜星に少し似ているな、と思った。一方で彼女の顔は、よく見るとたいへん愛敬のある顔でもある。顔のパーツは松たか子に似ているし、全体の雰囲気には萬田久子を連想させるものもある。正面から見た笑顔は、むしろかわいい。ぼくは、あえて上中下で言えば中だと思った。

無論、このような品定めをしたのは一瞬の間のことである。車に座って話を始めるとすぐに、これまで電話を通じて行ってきたコミュニケーションの続きを、違和感なく始めることができた。これはぼくが、今まで声だけで作ってきた相手のイメージを、生身の相手に合わせてすばやく作り替えてしまっているからなのだろうか。さて、ここでブラックなジョークを一つ。「美容にいい薬があるんだけど、飲まない?(笑)」「やだー、怖ぁい(笑)」。ふと思う。今回の事件があったからこれはジョークになるが、ことによったら彼女も犠牲者になり得たのかもしれないのだ。少なくとも彼女は、ぼくを「信用」している。

さて、お台場で食事をしたり散歩をしたり買い物をしたりして、帰途についたのは午後6時半。7時半に、ぼく達は彼女の家の近くのファミレスにいた。少しだけ、お互いの過去のテレコミ体験の話をする。彼女は以前にも何回か「こういうので逢った」ことがあるという。そのうちの一人とは、今でも友達付き合いを続けている。最初の出逢いがテレコミだったことなど、普段は思い出さないほどである。「でも、こういう電話にかけてる人って、ヘンな人が多いっていう印象があったけど、○○さん(ぼくの名前)はあんまりヘンじゃないよね」。

ここから先を書くのは、実は少々辛い。以下のぼくの行動については、できれば読者諸氏のご批判を仰ぎたいところである。

ぼくはファミレスを出た後、近くのラブホテルへ車を向けようとした。彼女のあいまいな拒絶にあう。「やだ。今日は家まで送って。今度また逢おう」。拒絶の仕方が断固としたものでなかったので、ぼくはそれでも車をホテルの方へ向けたままだった。すると彼女は、「なんでそんなことができるの? いい友達になれると思ったのに…」と悲しそうに言った。ぼくには強姦の趣味はない。どんなに誤魔化しても、一方の同意のないままに行われた性交は、強姦である。だが…。ぼくは「本当に嫌ならやめる。本当に嫌なの?」と念を押してみた(ここが一番問題なような気がする)。「本当に、ってどういう意味? 私、そんな軽い女に見られてたの? そんな人じゃないって思ってたのに」と彼女。

ぼくは彼女の家の方へ車の向きを変えた。「私、今日眠れないかもしれない。自己嫌悪で…。やっぱりこういう電話で逢うのなんて、みんなそういう目的なんだよね。私がいけないんだよね」。ぼくは何と答えたらよいか分からなかった。彼女はもう少し話がしたい、と言い、彼女のお祖父さんの地所だという駐車場に車を止めさせた。彼女も落ち着いた。さっきのことは忘れる。電話友達を続けよう。機会があったらまた逢おう。ということで話をまとめる。車の中で少しふざけ合った。彼女がぼくに抱きついてきた。ぼくは彼女のをなでてあげた。「こうやってされてると、すごく安心。今、私のことをかわいがってくれる人って、いないのよね…」。

ぼくはむしろ、彼女に余計な幻想を与えてしまっただけなのかもしれない。無理にでもホテルに連れ込んだ方が、いくらかマシだったのではないか。テレクラでの「出逢い」なんて、本来そうしたもののはずなのだから。そしてぼくには、彼女の髪をなでてあげる役目を、ずっと続けていける自信などないのだから。

1月30日…24歳OL、同居人は猫のナナ

17日のフィールド・ノートの内容については、いくつかのご意見をいただくことができた。そのことについては、別の場所で詳しく述べたいと思う。メールをお寄せいただいた皆様、ありがとうございました。

さて、フィールド・ノートの更新に少々間が開いてしまった。先週末2日間とも大寝坊をし、外出する意欲がなくなってしまったためである。最近、仕事が忙しくなってきたことと、深夜までインターネットにつないでいることが原因で、睡眠不足が蓄積しているようだ。外出するのが面倒ならツーショットダイヤルなどを利用する手もあるのだが、部屋の電話はたいていインターネット接続のためにふさがっているし、例の25歳の彼女からもときどき電話がかかってくる。

インターネットに接続してあちこちのウェッブ・サイトをブラウズしていると感じるのだが、ネット上には本当に無数の情報があふれている。しかし、一人の人間がすべての情報にアクセスできるわけではない。きっと、自分にとって有用な情報があっても、手に入れられないことの方が多いのではないだろうか。テレクラも同様だ。電話の向こうには無数の異性がいるが、その中で偶然につながった数人としか話はできない。まあ、もっと敷衍して言えば、そもそも人と人との出逢いとはそういうもので、昔の人は「一期一会」などと巧いことを言っている。

昨晩から厳しい冷え込みになっていた。ぼくはこの日の午後4時半過ぎ、いつもの渋谷ではなく、秋葉原のテレクラの一室にいた。このテレクラの壁には、投稿写真と称する(というか本当にそうなのだろうが)「素人女性」のあられもない姿の写真が一面に貼ってある。これを見た利用者は「よーしオレも」と奮起するという仕掛けになっているわけだ。部屋は狭く、横幅はほとんど椅子のスペースしかない。「鳴り」はあまりよくなかった。最初に電話が鳴るまでに、ぼくはアダルトビデオを1本見終わってしまっていた。

つながったのは24歳のOL、自宅から、である。繊細と言うよりは豪快な感じのしゃべり方だ。もう5時半をまわっているのに、さっき起きたばかりだという。昨夜はこまごましたことを片づけていたら、朝8時になってしまったそうだ。一人暮らし? 「ううん、同居人がいるよ。男かって? ふふふ…ご想像にお任せします。えっと、今、たぶんご飯食べてると思う。ちっとも言うこと聞いてくれないんだよね」。よく聞くと、同居人は雌のヒマラヤンで名前はナナというそうだ。猫は一人暮らしの独身女性にとってはキー・アイテムだという話はよく聞く。彼女はその後も猫を抱きながら電話していたようだった。

他愛もない話にしばし付き合う。彼女は引越しが趣味のようなところがあって、今の部屋も昨年末に越してきたばかりだ。場所は悪くないのだが、狭い、洗濯機が置けない、布団を干しづらい、などの欠点があって少々不満だ。服や本が多いので、部屋はもう少し広い方がいいと思っている。ぼくの印象に残っているのは、質屋の話。「今度質屋で服買おうかと思ってるんだ。リサイクル・ショップとかでは前にも買ったことあるんだけど、質屋の場合、ぜったいに贋物は売ってないんだよね。贋物を売ったら、質屋さんの免許が取り上げられちゃうから」。本当かどうかはぼくには分からなかったが、妙に詳しい。

彼はいるの? と訊くと、「うーん、みたいなのは、いたんだけどね。一人は自然消滅で、もう一人も正月に電話ぜんぶ取らなかったら、最近かけてこないな。まあ、その人とは、向こうがどうしても付き合いたい、っていうから付き合ってたんだけど、やっぱりちょっと違うな、って思ってるし。今、年下でよく電話くれるコがいて、本当は今日そのコと遊びに行くはずだったの。向こうが誘ってきてたから、じゃあ鎌倉に行きたい、って言ったんだけど、電車で行くとか言われて。でも鎌倉だったら車の方が便利だし、車がよかったんだよね。だからやめちゃった」。彼女のタイプは、「私が短気だから、短気な人はダメ。こっちがワガママとか言っても、優しく包んでくれるような人がいいな」とのことである。

時間は6時過ぎ。この後お酒でも飲まない? と誘ってみた。「うーん、どうしようかなあ。でも今日は寒いし、これからシャワー浴びて出て行くのもちょっと…。また別の日だったらいいよ」。携帯電話の番号だけ交換する。「今日は付き合ってあげられなくてゴメンナサイ。またね!」

追記:31日の午前8時前、彼女から携帯に電話がかかってきた。「わかる? ほら、昨日電話した。起きてるかなと思って。寝てた? ふざけるなって感じ?」正直なところ、その通りであった。彼女は「あれからずっと起きてた」とのことである。直前まで完全に夢の世界にいたぼくは、非常にボケた対応しかできず、電話は数分で切れたのだった。


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