一章
フィール・ライク・ダンス
一行は大広間に通された。床の中央に真っ赤な絨毯が敷かれ、玉座の方に伸びている。玉座に座っているのは弱冠10才のクローヴィス王子。姿勢を正し、生真面目な表情で一行を見つめる姿は凛々しく見えるが、大きな椅子にちょこんと座っている様子はいささか頼りなく、そして儚げにも見える。脇には白い髭を生やした老人――ダンカン大臣が控えていた。
広間の両脇には輝く鎧をまとった騎士団の面々が控え、各々の剣を捧げ持っている。フェニックスは一人進み出ると、片膝をついて一礼した。
フェニックス◆「私は、この地に正義を広めるため、悪と戦っているフェニックスと申します。お見知りおきを」
GM◆「いえいえこちらこそ。あなたの名は聞いております。あなたのような英雄の一人を迎えることができて我が国も光栄に思っております」なんてことを王子様は言っております。
「ささやかですが今夜は宴なども用意しました。どうぞゆっくりしていって下さい」
フェニックス◆「かたじけない。‥‥して、王はいずこに?」
GM◆それを聞くとクローヴィス王子は表情を暗くします。「父は‥‥病に伏せっておりまして‥‥」
フェニックス◆「はっ。それは失礼なことを」
サンポール◆時間の問題じゃな。
GM◆父王はマーカスといいます‥‥えっ? 時間の問題がどうしたって?
アルビウス◆いやちょっと‥‥それらしいカンジになってきたなって(笑)。サンポールに熱血カードあげる。
サンポール◆独り言じゃ。気にせんでくれ。
GM◆「本来でしたら父王が皆様の前に出るはずでしたが‥‥母フラヴィアも看病につきっきりでして‥‥。
ところで、帝国の噂はどうなっておりますか? いずれこの地にも来ると予想してはいるのですが」
王子も頑張ってるんだけどまだ10才だからちょっと子供っぽいね。
アルビウス◆では<帝国知識>で判定を‥‥っと失敗だ。遠いからここまで来るか分からなかったんだな。
フェニックス◆「帝国軍など恐るるに足りません。正義の心さえあれば!」
一同◆おお〜。
GM◆「そうだといいのですが‥‥」
風の噂で君たちも知ってるけど、辺境地方の国にもそのうち帝国が攻めて来るんじゃないかって言われてるね。
アルビウス◆今はまだ情報が少ないからな。
サンポール◆わしが予言してやろう。帝国軍は‥‥1 年と321日後に滅ぶ。時間まで予言してやろう。昼飯を食べる時じゃ。
一同◆(爆笑)は〜っはっはっはっ! イカす!
マルチェル◆パターン発動。貴方は‥‥貴方らしいですねえ貴方は!
アルビウス◆ちょっと皮肉を言うぞ。「そんな軽はずみなことを言って良いのですか?」
サンポール◆(断言)いいんじゃ。わしの予言が外れたことはない!
GM◆みんなどう思う?
キース◆フッ。ジイさんらしいぜ。
サンポール◆もっと尊敬しろ。お前たちは日頃わしに対して尊敬心が足らんぞ(笑)。
マルチェル◆いえ、そんな事はありませんわ。
サンポール◆うむ。そう言ってくれるのはお前だけじゃ。
GM◆んんー、さすが賢者、マルチェル以外の人間関係は全員『足手まとい』か『腐れ縁』なだけはありますね。
フェニックス◆いえいえいえ、こっちは『頼りにして』尊敬してますよ(笑)!
アルビウス◆サンポール、一応王子の前だぞ。
GM◆てな事を後ろの方でやってると騎士団の一人が怪訝そうな顔をして見てますが。で歓迎の宴は午後6時頃に始まるからそれまでゆっくりしていて下さい、と王子様は伝えると広間から下がります。
サンポール◆あと1年と321日の命だからな(笑)。
GM◆すると去り際にダンカン大臣がやってくる。
「は? ご老体、何か申されましたかな?」
サンポール◆「お主に言うことは何もない!」
GM◆「はて、その分厚い本、その装丁はもしや‥‥」
サンポール◆「これはわしの絵本じゃ(爆笑)」
GM◆「そうでございますか。いやいやいや、フェニックス殿は大変面白いお仲間を連れておいでのようじゃ」
フェニックス◆いえいえいえ、頼りになる仲間たちです(笑)。
GM◆大臣は笑いながら王子と一緒に去っていきます。王子様はまだ子供だからちょっと緊張気味だったようだね。
アルビウス◆うむ。若いゆえ、苦労も多いのだろう。
マルチェル◆戦場で倒れなければよいのですけれど。
夕食会と舞踏会が始まるまではまだ時間がある。一行は案内された部屋に落ち着くと、思い思いの行動に出た。
アルビウスは騎士団が剣を打ち合わせている中庭に出かけ、マルチェルは旅の埃を落とすべく風呂へ。パンドゥーラは本棚に並ぶ莫大な量の書物に興味を示すと、早速手にとっている。キースは部屋で愛用のハープの調子を確かめていた。
『この地で竜が飛び立つだろう』という予言の謎を解くべく、フェニックスはこの城で一番知識のありそうな人物――ダンカン大臣の元へ向かった。
GM◆大臣は自室で書き物をしている。「は、これはフェニックス殿。何か‥‥?」
フェニックス◆いや実は、あの幼い王子に聞くのは心労を増やすだけだと思ってあなたに聞こうと思い‥‥。
GM◆「おお! これは何という心配り! さすがは英雄殿じゃ(笑)!」
フェニックス◆私の仲間の賢者様によると、予言書で火を吹くという竜は大きな鳥だというのですが、何か心当たりは‥‥?
GM◆「はあ、確かに西の山の方に竜がいるとの伝説はこの王国に昔から残っているのですが、なにぶん大昔のことでして、今はもう‥‥。出かけていった調査隊や物好きな冒険者の話でも、もうドラゴンはいないと‥‥。
そんなことも予言書に? あのご老体が? それはそれは。しかし大きな鳥というのはどうも‥‥」
フェニックス◆いえ、あの賢者の言うことに間違いはございません(笑)!
GM◆「まあ弘法も筆の誤り(ウソ)と申しますから‥‥」てなカンジですな。
フェニックス◆そうですか。お手を煩わせて申しわけありませんでした!
サンポール◆謎の声。「鳥じゃ〜(笑)!」
GM◆「いえいえ。ああ、風呂は廊下の先ですじゃ」
アルビウス◆私はですね、中庭の騎士団の練習風景を見ています。そして昔帝国の『双剣騎士団』にいた頃を懐かしんでいましょう。
GM◆なるほど。庭では「第一分隊前へー!」「剣を抜け!」なんて訓練をしてますね。
アルビウスは束の間目を閉じた。数ある帝国騎士団の中でも精鋭の『双剣騎士団』第五分隊長として活躍していた頃の懐かしい記憶が蘇ってくる。
風に誇らしげにはためく、二つの剣の交差した団旗。帝国軍有数の剣の使い手の集う騎士団はその行くところ常に勝利ありとも謳われ、華々しく戦場を駆け抜けていた。
サーベルの二刀流を誇る団長、魔戦将軍アルヴェン・ノルドは清廉潔白、部下には寛大で人望も篤く、騎士団は高い士気とモラルを誇っていた。あの日までは。
ある作戦中に味方の魔戦将軍の卑劣な裏切りに遭い、騎士団はかなりの損害。ノルド団長は裏切った将軍を一刀の元に切り捨てるも、自分も再起不能の重傷。生き残った騎士たちはばらばらに、様々な部隊に編入された。その後、ノルド将軍の姿を戦場で見た者はいなかった。似た男を見たという奇妙な噂はあったが。
その後、猟兵部隊の一つに所属し、帝国の様々な特殊作戦に従事するようになってからは、嫌な記憶しか残っていない‥‥。
GM◆君の脳裏をよぎるのは、かつてのエリート騎士団員として戦場を駆け抜けた頃の思い出だった‥‥という訳だね。
フェニックス◆オレは風呂という言葉にピンときて、忍び足で行ってみます。まず誰もいないかどうか確認。
サンポール◆英雄らしくないなぁ(笑)。
アルビウス◆だって女風呂にいくなら忍び足するしかないだろう。
GM◆ナニ? 女風呂に行くの? おおー、遂にきましたねー。
マルチェル◆私行水しにいってたんですけどー(笑)!
GM◆うむ。このゲームではそういうことになっているのだ。う〜む、ついに約束な展開になってきましたねー。はう〜。
では<忍び足>でどうぞ。ヒーローには特徴アクションがないので一律5以下です。修正はなし。天命を使えば絶対成功も可能だ。
フェニックス◆じゃあ天命を3点使います。5+3で7以下‥‥成功!
GM◆ゲーム開始前に天命を消費すれば、追加の必殺技や必殺奥義に好みの名前をつけることもできます。そういうのもほとんどやらないで、初めての天命消費が風呂覗き! イカすヒーローですね〜(笑)。
サンポール◆必殺技覗き見〜!
フェニックス◆でもなんか先客いそうだな。
GM◆そう。他の人は?
キース◆我々は別々の所にいるんでは?
GM◆いや、別にこのゲームはいてもいいんだ。サンポール、賢者様は美人が好みだそうじゃないっスか。キース君も性格よりも顔で選ぶらしいねえ。
サンポール◆じゃあ行くしかないーってカンジですか。
マルチェル◆じゃあBタイプ予約シーンを発動! 「‥‥あら?」みんなが覗いた所で、姿が見えます!
GM◆(‥‥ちょっと使い方が違うが‥‥ま、いっか)はい。では皆さんそれなりに演出して下さい。
マルチェル◆ざばーっ、ざばーっ‥‥
フェニックス◆おおーっ! 誰も先に行かないなら賢者様をたしなめます。「賢者様、何を言ってるんですか!」
サンポール◆「何を言うんじゃ、お前が先に歩いてたんじゃ!」
一同◆だ〜っはっはっはっはっ!
アルビウス◆きっと孫娘のように思っている娘の成長を確かめに行ってたんだな(笑)。
サンポール◆「わしは‥‥フェニックス、お前にに連れていかれたからじゃ!」
フェニックス◆「何を言うんですか、オレは賢者様をたしなめて‥‥」
サンポール◆「何を言うお前こそ!」
フェニックス◆「いやいやオレは彼女を守らなきゃなりませんから‥‥」
マルチェル◆「キャ〜ッ!!」
アルビウス◆悲鳴が聞こえたので全力で風呂まで走ります。
フェニックス◆すると言い争いをしてるお湯をぶっかけられた2人がいる訳ですね。
アルビウス◆そこでマルチェルを見て「す、すまん!」と風呂から慌てて逃げていく(笑)。
キース◆じゃあ悲鳴が聞こえたから駆けつけて‥‥そんで一応全部見てから、Bタイプ予約シーンを発動します。「‥‥だから人間は!」
一同◆おおおっ! か、かっこいい!(拍手) これは熱血カード!
GM◆キース君は熱血レベルが上がるよん。で「これだから人間は困るゼ」と言いつつ内心「ちょっとラッキーかナ」なんて思ってる訳だね(笑)。さて、これからどうしましょう。
サンポール◆「これも定めじゃ」と言う(爆笑)。
キース◆熱血カード!
アルビウス◆実はこれも予言書に書いてあったんですね。
サンポール◆わしは仲間同士の友情を深めたのじゃ。
GM◆ではフェニックスとサンポールは赤く腫れ上がった頬を見合わせて(笑)。夕食まで気まずい雰囲気が流れます。
マルチェル◆さすがに私は顔を赤くしてます。
サンポール◆わしは全然気まずくないぞ(笑)。
GM◆さて。マルチェルが一騒動終わって部屋に戻るとパンドゥーラがぽつんと椅子に座って‥‥そうだね、百科事典でも読んでメモリーに蓄えていたとしよう。君がプンプンしてるのを見ると
「どうかしたのですか、マルチェルさん? さっき廊下の先で大きな音が聞こえましたが」
マルチェル◆「いや、ちょっと‥‥ちょっとぉ‥‥」
GM◆では首を傾げて「人間は実に理解不能です」と言って軽く微笑んだとでもしておこうか。
でフェニックス。君たちが城内を歩いているとダンカン大臣に会う。
「おや、お二人ともどうしたのですかなその顔のアレは」
フェニックス◆「いや、天の定めらしいです(笑)」
サンポール◆「うむ。予言書のお陰じゃ(笑)」
陽が沈み、時間になった。旅の汚れを落とした一行は衣装を借りると、思い思いの格好で王宮に集まった。
辺境の王国であるため数はそれ程多くはないものの、着飾った貴族の子女や王族の者が集い、華やいだ雰囲気が満ちている。豪華な食事が並べられ、楽団も脇に控え、準備は整った。ダンカン大臣が一同を見渡すと、おもむろに開会の言葉を述べ始める‥‥。
GM◆大臣は、本日はお日柄も良く‥‥とかどっかの貴族の誰某の娘の誕生日祝いを兼ねることができ‥‥とか帝国軍の噂がここまで届いてるが‥‥などなどといった非常に退屈で長ったらしい演説をぶっています。
ではここで全員<緊張に耐える>の汎用判定をどうぞ。誰か不得意な奴がいたはずだ。‥‥サンポール! キサマだ。
サンポール◆1でクリティカル成功じゃ。
GM◆なに〜(笑)! 残念だ。全員成功?
キース◆実は私が失敗しています(笑)。
GM◆では君は緊張に耐えられずに、何かしてしまいます。何かして下さい。
キース◆じゃあハープ弾きます。ぽろろ〜ん。
一同◆おお! いきなり!
アルビウス◆やはり『人間の言葉は音楽的要素が足りなさ過ぎる』とかいう感じで大臣の言葉に合わせて弾いてしまうんだな(笑)。
GM◆「我が騎士団も頑張っておりますがやはり一人一人の‥‥」等と言ってる間にいきなり後ろの方からぽろろ〜んと聞こえてくる訳だね。
参加者全員が「おお! なんだあれは!」とか言って一斉に振り向きます。今のはBタイプ予約シーンの発動と考えていいよ。
「あんな美しい音色は初めてだ!」「見ろ、ダークエルフじゃないか!」「素晴らしい!」とか言って誰も大臣の話を聞いてないね。
大臣はしばらくすると「‥‥うぉっほん」と大きく咳払いをして、演説を終わりにしてしまいます(笑)。後は自由にしていいそうだ。
フェニックス◆さて。じゃあお約束として‥‥白いドレスで着飾ったマルチェルが出てくるのを見て「おお! なんて綺麗なんだ!」とか言ったりして。
サンポール◆おおー。熱血カード。
GM◆マルチェルに手を引かれて紫のドレスに身を包んだパンドゥーラも出てきますが。
フェニックス◆「おお! もっと綺麗だ!」なんて言っちゃいけないな(笑)。
アルビウス◆じゃあここでパンドゥーラに対してパターン反応の『腐れ縁』の『おちょくり』という奴をやってやろう。「ほう。なかなか、馬子にも衣装ってヤツかな」
GM◆おお! では熱血ポイントを増やして結構。パンドゥーラはいきなり言われて「まっ! そ、そんな‥‥」と口ごもってる。
マルチェル◆パターン反応の『親友同士』『叱咤激励』。「そんなコト気にしちゃいけないのよ!」
GM◆「あ、ありがとうマルチェル‥‥」でもフェニックスに誉められて少し嬉しそうにしてるね。
サンポール◆じゃや〜いや〜いと言います(一同爆笑)。
GM◆ホントに言うの? パンドゥーラは機械だけど外見は人間そっくりなんだよ? 肌が魔的に白いだけで。まぁ体じゅう全部探せばどっか違うとこもあるかも知れないけどね。製造番号とか、バーコードとか。
サンポール◆バーコードバトラーやろうぜ〜。
フェニックス◆JISマークとか(笑)。
GM◆IN◎UEコーポレーションのマークもあるかもしれないぞ。
アルビウス◆そ、そんな‥‥。
GM◆さて、そんな訳で舞踏会が始まる。君たちの選択としては御馳走を食べるとか、中央に出て踊るとか、端の方で見てるとかがあります。結論から言うと今夜は何も重要な事は起こりません。予約シーンでもやるなり、掛け合いをするなり、面白いことでもして下さいな。
フェニックス◆ひたすら食べてます。
サンポール◆スリやります。
アルビウス◆端の壁の方に寄りかかって見ています。
マルチェル◆歌うたいます!
キース◆それに合わせてハープ弾きます。
GM◆じゃあスリから。相手は?
サンポール◆大臣(一同爆笑)。後ろから肩叩いて振り向くと同時にサッとやる。
GM◆マ‥‥マジ? じゃあ修正−2で<スリ>を。老師はアドバンテージ特徴になってるはずだね。何故かこんなことが得意なのだ。成功? じゃあ「お、これは」と声を掛けてくる。
サンポール◆「さっきはすみませんでしたのじゃ」
GM◆「いやいや。なかなか面白い予言をなさるそうで」
サンポール◆「あれは正しい。この国は滅びるのじゃ」
GM◆「(刺のある口調で)これはこれはまた御冗談を。面白い事をおっしゃる賢者様ですなァ(笑)」
フェニックス◆遠くから「その前にオレが救う!」と叫ぶ。手には骨付きの肉を持ったまま(笑)。
サンポール◆そのまま財布を隠して立ち去る。
GM◆どうぞ。大臣はまだ気付きませんね。じゃあシーンを変えまして。マルチェル、どんな歌をうたう?
マルチェル◆え〜と‥‥フェニックスの活躍の歌を歌う!
GM◆ではフェニックスの今までの数々の冒険譚を歌にした訳だ。<歌唱>でどうぞ。成功?
キース◆それに合わせてハープ弾きます。<楽器演奏>に成功。
GM◆二人ともアドバンテージ特徴なので熱血ポイントが増えます。じゃあ美しい音色が歌声に合わせて響き渡る訳ですね。
フェニックス◆聞き惚れちゃってます。
アルビウス◆じゃあそれを聞きながら壁に寄り掛かって
「平和だな‥‥」とフッと呟く。「帝国も方向性さえ間違わなければ、このような風景がどこでも繰り広げられたであろうものを‥‥」
GM◆‥‥諸君、これは熱血カードではないかな?
アルビウス◆あー、と思ったら本人が持っていた(笑)!
GM◆では渡せません。で広間の紳士淑女の皆様は
「何と美しい歌声! さすがは大地の神殿の聖女様だ!」とか若い娘さん達が「それにあのダークエルフ! なんかヒネクレてそうだけど、ステキよね(笑)!」とヒソヒソ言ったりとかしております。
ちなみに大臣はようやくスラれたことに気付いて体じゅうをゴソゴソやり始めました。次に近くの家来が聞かれて「さあ‥‥? お部屋では?」と首を傾げたりしております(笑)。他には?
フェニックス◆じゃあ何もしてない一人寂しそうなパンドゥーラのとこに、料理を皿ごと持ってってやります。「ん、食うか?」
アルビウス◆おお、優しい。ということで熱血カード。熱血ポイントが増えて‥‥じゃあ熱血レベルを5に上昇。
GM◆おお〜。みんな熱血になってきましたね〜。パンドゥーラは慣れない経験に戸惑っていた所ではっとして「あ、ありがとうございます‥‥」と言ってる。
フェニックス◆「おお。食え食え」
GM◆なるほど。ヒーローは結構がさつなんだね。そこに女性2人は惹かれてる訳だ。じゃあ2人で楽しそうに談笑して下さい。
マルチェル◆それにヤキモチ焼きます。「あの2人、なんで近づいてんのよ〜‥‥なんで近づいてんのよ〜!!」
サンポール◆それにヤキモチ焼きます。「あんな小僧にヤキモチ焼くな〜(笑)!」
フェニックス◆じゃあ料理がなくなったんでもう一皿。
GM◆2人は楽しそうに食べてます。ちなみにパンドゥーラは少食だから食べてるのはほとんど君だね。
サンポール◆わしは美食じゃー(笑)!
アルビウス◆さて。しばらくしてまた曲が始まったら、踊るとするか。
GM◆しばらくするとパンドゥーラは
「映像メモリー分析完了。これが、この国の踊りというものですね。あの、フェニックスさん、その、曲も変わったことですし‥‥」と非常に言い難そうにもじもじしている。
フェニックス◆「え? 新しい料理かな?(笑)」
GM◆「いえ、そんなのではなくて‥‥」
フェニックス◆「いや〜、でもオレ、踊りなんてよく分からないしぃ〜」
GM◆「でも、サンポール老師もあそこで踊っていらっしゃいますし‥‥」
サンポール◆じゃあ踊ってます。ヤキモチ焼いてるマルチェルを無理やり連れて「わしと踊るんじゃー! こっちこーい!」とか言って(笑)。
「わしの素晴らしい踊りを見よ!」と奇妙な踊りを踊ります。
GM◆はい。してどのように奇妙なのでしょうか?
サンポール◆奇妙な踊りとは、足と手が両方同時に動く祈とうのような踊りです。「復活セヨ〜!」
一同◆(爆笑!)だ〜っはっはっはっ! 盆踊りじゃないぞ!
マルチェル◆貴方の踊り認めます!
フェニックス◆じゃあ賢者様に勇気づけられてパンドゥーラと一緒に踊ります。
アルビウス◆では私は、その辺の貴族の子女と一緒に踊っているのですが、あまりの光景に茫然として足を踏みつけられてしまいます(笑)。
GM◆「あ! これは失礼しました‥‥」
アルビウス◆「いや、すまん、私もぼうっとしていた。しかし‥‥個性的な踊りだな‥‥」と踊っている女性に半ば無理やり同意を求める。
サンポール◆「これが今王国と帝国で一番流行っているのだ〜!」
GM◆そうだ。踊る人は一応難易度修正+2で<舞踏>のロールをどうぞ。
アルビウス◆やはり失敗している(笑)。
フェニックス◆成功。賢者様を見て感心してる。「なるほど、これが帝国で流行っている踊りか‥‥」とパンドゥーラと一緒に真似してます。
一同◆♪帝国音頭でヨイヨイヨイ〜(爆笑)
サンポール◆こんな田舎踊りがこの国ではまだ流行っているのか〜!
GM◆はい。そんなこんなで夜は更けていきます。パンドゥーラはフェニックスと一緒に踊れて満足そうだね。ちょっと頬に手をやってうつむくと、何か呟いている。
マルチェル◆「どうしたの?」と聞いてみる。
GM◆「いえ、どうしたのでしょう、この気持ちは‥‥」と少し赤くなっている。「私の人工頭脳に、こんな感情は存在しないはず‥‥」てなことを言っております。
一同◆おお〜。
出窓から吹き込む夜風が金髪を揺らす。隅の方で自慢のハープの弦に指を滑らせていたキースは、改めて広間を見渡した。着飾った人間の男女が楽しそうに笑い、食べ、踊っている。ふと見ると、人間の娘達が自分の方を指さして何事か言葉を交わしている。目が合うと、娘達は黄色い声で騒ぎ立てた。
――私のハープの腕を考えれば当然だな。キースは思った。人間は嫌いだが、誉められるのは悪くない。
仲間たちはと見回すと、中央で踊っている一団の中に混じっていた。サンポールの爺さんが何とも言えぬ形容しがたい踊りで注目を集めている。だが、相手をさせられているマルチェルはなぜか老人の踊りに敬服しているようで、喜んで相手をしている。
踊っていた客たちは唖然として2人を見つめていた。貴族の子女と踊っていたアルビウスも、相手と共に茫然と老人を見ている。
肝心のフェニックスはと見れば、脇のほうでパンドゥーラと笑いながら踊っていた。ぎこちない動きながらも、何となく様にはなっている。普段は無機質に見えるパンドゥーラの表情も、今夜は生き生きとしていた。頬に赤みが差し、随分と嬉しそうにしているように見える。
アルビウスの言う通りの、平和な光景だ。キースは軽く笑みを漏らした。こんな光景が見られるのも、フェニックスに請われてエリュン・ラスガレナの森を出たお陰だ。いつまでも、こんな平和な時間が続けば良いのだが‥‥。
GM◆さて。まだ他にすることはあるかな?
サンポール◆王子の所に行って「わしと一緒に踊ろう」と言う。
GM◆王子様は前の方で椅子に座っています。「あ、これはご老体」
サンポール◆「ご老体と呼ぶなー(笑)!」
GM◆「それは失礼。ご老体、先程の踊りは非常に、何といいますか、独創的で前衛的でしたが‥‥」
サンポール◆「前衛的とはなんじゃー! あれは帝都の踊りじゃー!」
GM◆「帝都? まさか魔導帝国の踊りなのですか(笑)?」
サンポール◆「そうじゃ! 踊りに国境はない!」
アルビウス◆ちょっとそれはさすがに止めるぞ。「そんなことはない!」
サンポール◆「ウソだ。あいつはウソを言っているー!」
マルチェル◆賢者様が行った後で王子に<礼法>で謝ります。成功。「ごめんなさい。賢者様はちょっと‥‥」
GM◆「ちょっと‥‥なんですか?」
アルビウス◆賢者という者は世離れしており‥‥
マルチェル◆‥‥普通と‥‥普通の人とかけ離れて‥‥
GM◆「なるほど、少し変わっていて気難しい場合が多いということですね」王子様は納得します。「まあ、うちのダンカンも時折妙なことをしますから‥‥あっ、しまった」と口を押さえてる(笑)。
ちなみにダンカン大臣は最後まで広間に現れない。まだ部屋で「おかしいのう‥‥」とか財布を捜されておられるようだ(笑)。
では、問題がなければ次の日になります。
★うむ。見ての通りじゃ。普通のRPGじゃったら飛ばしそうなこういうどうでもいいシーンも、このゲームではちょっとした予約シーンの発動や掛け合いパターンの発言で非常に盛り上がる場面にすることができる。
現に偉大なるかみさまも、重要でないシーンがマスタリングしていて一番面白かったと仰っておられる。まあ、そういうことじゃな。
ちなみに熱血カードの譲渡、掛け合いパターン、特徴アクションの汎用判定‥‥などで熱血ポイントが増えてきたら、フェロウは熱血ポイントを10点消費して熱血レベルを上げることができる。熱血レベルが最高の5になればヒーローとダークサイドヒーローの一騎打ち‥‥熱血戦闘に【熱血介入】することが可能となる。それに総合的なテンションも高まって熱血な気分になるということじゃ。
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