三章
キープ・ラヴ・トゥギャザー
合流した一行は王城へ急いだ。火急の用件と知るとすぐに近衛騎士団の控える広間に通される。じっと話を聞き、紙片を見ていたダンカン大臣は口を開いた。
GM◆「‥‥本当ですかな? 帝国の攪乱工作では‥‥」
マルチェル◆信じてください!
フェニックス◆オレの目を見て下さい! キラッ。
アルビウス◆「しかし!」と一喝します。「事が起こってからでは遅いのです! 準備するだけならいつでもできる!」
サンポール◆いや‥‥あと1年と120日残っているのじゃ(笑)。
フェニックス◆それを聞いて「それまでにオレが悪を倒すッ!」
GM◆それを聞くと騎士団の面々が「おお! なんとあっぱれな心意気。それでこそ‥‥!」とか感心してる。
大臣は「防備はしておりますし、騎士団も精鋭が揃っておりますゆえ‥‥」
サンポール◆帝国はまだ攻めてこん!
キース◆老人押さえてます(笑)。
GM◆では騎士団の人が‥‥じゃあ仮称ボン・ジョ○ーナみたいな人だとしよう(笑)。
「お任せ下さい、大臣殿! 我らも百千練磨の精鋭、どのような部隊が攻めてこようとも蹴散らしてくれます!」てなことを言ってる。
★うう〜む、なんという安直な例え方じゃ。ワシも知っておるぞ。ファンタジーRPGの影響を一部でモロに受けたやたら王城の壊れるあの漫画じゃな。いつまで続くんかいのう?
ちなみに帝国軍の魔戦将軍というのもあの漫画に出てくる魔戦将軍と何となく似ておる。そういえば‥‥もう全員天使か何かに殺されて、最近新しいシリーズが始まったんだったかの?
話を戻そう。ダークサイドヒーローにはナチュラルに悪な『ナチュラル悪役』と、明確な信念の元に帝国に従う『ポリシー悪役』がおる。それぞれカッチョイイ必殺技があったり妙な特殊能力があったり、イカすのもダサいのもいろんなヤツがいるワケじゃ。
このゲームのルールブックではダークサイドパターンを『修羅』『利用』『人質』等10種に分類し、“イカす悪役”の作り方を解説しておる。読んどるとなかなか面白いぞ。これによって悪の持つ『闇の魅力』が、一層主人公の『光』を輝かせるというワケじゃな。
ちなみにノルド将軍は勿論ポリシー悪役じゃ。
サンポール◆泥人形のように弱い部隊じゃー!
アルビウス◆「しかし! 指揮官はあの‥‥」といってノルド将軍の武勇談を一つ語ります。「生半可な覚悟では‥‥」
GM◆顔色を変える騎士もいます。しかしさっきの団長が「笑止! その双剣騎士団とやらは既に滅んだというではないか!」
アルビウス◆「帝国の技術を甘く見てはなりません!」
GM◆「はっ! 帝国軍のカラクリなど! 国を思う心さえあれば!」
フェニックス◆「そうです! 正義の心さえあれば!」
GM◆それを聞くと騎士団のみなさまが「おお!」と感心してどよめきます。
アルビウス◆それでは‥‥掛け合いパターンの『全部NO』をやります。
「それだけでは、勝てない時もあるのだッ!」
フェニックス◆一理ある‥‥いやない(笑)!
GM◆広間のみなさまも「そうです! この剣さえあれば!」などなどと。
マルチェル◆<礼法>でやります‥‥「備えあれば、憂いなしですっ!」
GM◆(そんなに熱血ポイントが欲しいか‥‥?)それは礼法でやるもんではないよ。どっちでも関係ないけど。
サンポール◆「そうかもしれん、そうでないかもしれん」と言います(笑)。
GM◆しばらくしてダンカン大臣が
「各々方の意見はよく分かり申した。では軍備を増強して兵にも良く言っておきますゆえ、その件に関してはそういうことで。
聞けばドラゴンの伝説は本当だというではありませんか。フェニックス殿御一行はそちらの方の調査を宜しくお願い致します」
マルチェル◆大臣様! 民の心労に気をつけて下さい! でないと国が滅びます!
GM◆「それについては問題はございません。当ケインドリック王国も建国から何百何十何年(笑)。そうおめおめと崩れ去る訳は」と、いうことで会議はおしまいだよ。
サンポール◆伝説の鳥も見つかったし、これでもう一安心じゃ。
GM◆その時、家来が入ってきます。「申し上げます! 烏が‥‥逃げてしまいました(笑)!」
一同◆なに〜(笑)!
サンポール◆「この国はもう滅びる! 神に見捨てられたのじゃこの国は!」
GM◆と、騎士団のみなさまが怒り出します。「なんという失礼な!」「あの老人は何者だッ!」
サンポール◆「これも定めじゃ(笑)」
キース◆‥‥早く西の山脈のドラゴンを探しに行かないとな。
フェニックス◆早くドラゴン‥‥いやドラゴンの形をした伝説の鳥を探さなくては(笑)!
GM◆大臣が「そのことをよろしくお願い致します」といって下がります。
サンポール◆ドラゴンはおまけじゃ。グリコのおまけのようなものじゃ。よいこ牛乳〜。
アルビウス◆それは‥‥さすがに知らないぞ(笑)。
GM◆一粒300メートル。んあー、賢者様はことごとく意味不明ですね。では場面が変わって夕方へ。
しばらく街を離れることになるため、一行は食料などの必要な品々を買い揃えた。宿に戻ろうとするともう夕方。赤い夕日が町並みを照らす。酒場の一帯はにわかに活気づき、人で溢れてきた。人込みで分断されながら進む一行の元に、街の娘たちが寄ってきた‥‥。
GM◆保存食一週間分の値段がどうとか重量がどうとかいうのは気にしなくて結構。このゲームの求めるものと違うのでね。で、分断された隙を狙って、ミーハーな街の女の子たちがフェニックスにたかって来ます。
「あ、あのー、フェニックスさん、ですよね?」
フェニックス◆おっ、オレも有名だな。
GM◆「あのー、サイン、いいですか?」
フェニックス◆よし。かきかき。「で、君、名前は?」
GM◆「えっと‥‥ルーシーって、いいます!」
フェニックス◆よし。『ルーシーちゃんへ』。ついでに座右の銘も書こう。『正義は勝つ!』
GM◆「わー、超ラッキーですぅ! もう、チョベリGってカンジ(笑)?」
で「あ、ダークエルフのお兄さんもお願いします! もう、ハープがすごく上手いって聞いたんですよ?」
キース◆(にべもなく)私は人間はキライだ。
GM◆「えぇ〜っ! 私もハープ上手くなりたいのにぃー!」でターゲットを変えて「あの、帝国騎士さんも、お願いします!」と別の子が。
アルビウス◆テレながら書こう。
GM◆「あの私、マリーっていいます。良かったら、名前も書いてもらえます?」
アルビウス◆「あ、そ、そうですか」と戸惑いながら書く(笑)。
GM◆「やったー!」とキャーキャー言ってます。
アルビウス◆フッ‥‥テレるぜ。
GM◆ではご老体と後の女性2人も遅れてやって参りました。
サンポール◆わしにサインを求める奴はおらんのか〜! じゃ「わしに貸せ〜」と奪ってフェニックスのサインの上に自分のサイン書きます(笑)。
GM◆「えぇ〜! もう、いいですぅー」で、マルチェル達の姿を見るとサササーッと退散します。
「何よあのオンナ〜」「フェニックスさんの側にいる人でしょ〜?」「しかも2人もいるじゃん〜」「信じらんない〜」「超ムカ〜」「チョベリB〜」「超MMってカンジ(笑)?」とか言って行ってしまう。
アルビウス◆これは‥‥マスターに一票というカンジですな(笑)。
GM◆どうも。しかし、GMに熱血カードが回るというルールはないのであった(笑)。
で、マルチェルとパンドゥーラが合流すると若い男衆が何やらニヤけております。パンドゥーラは不思議そうに首を傾げてますね。
そして夜。一行は《象牙の竜亭》で夕食を取る。
GM◆それなりに豪華な宿なので美味しい食事がでます。但しカイワレ大根は入っていないかも(笑)。(注:どうでもいいですが、セッションが行われたのは1996年8月です。)
と、時事ネタをサクッとかましまして。今夜は何も起こりません。やりたいことがあればどうぞ。ちなみに星空がとても綺麗です。これからの運命を想うと、こう、何か、感じるもののある‥‥夜だね。
マルチェル◆部屋はヒーローと別? じゃあ「どうして別の部屋なの?」とBタイプ予約シーンを発動。
GM◆パンドゥーラは「ですが、部屋は男女別にするのが常識と私もメモリーしていますが‥‥?」
アルビウス◆うむ。『男女七才にして席を同じゅうせず』と帝国でも教えているぞ。
一同◆おお〜。
マルチェル◆「そうなんですか? でも私には分からない‥‥」と小さな声で呟く。
GM◆さて、皆さん他にやりたいことがあればどうぞ。
フェニックス◆オレは庭に出て、明日の事を考えながら、ぼーっと立ってる。
キース◆星空を見ながら明日の戦いの事を考えて、ハープで哀しい曲でも弾きます。
マルチェル◆星を見ながら故郷の事を思い出します。
サンポールとアルビウスを部屋に残し、フェニックスは外に出た。夜空は澄み渡り、宝石箱の中身を散らしたように――空一面に星が輝いている。銀の月の淡い光が、庭に植えられた草木に仄かな陰影を投げかけていた。この静かな光景も‥‥いずれ帝国軍に奪われてしまうのだろうか?
そんなはずはなかった。自分の胸のうちに熱く燃える、この炎がある限りは。
庭の隅に陣取ったキースが、自慢のハープに指を這わせた。物悲しいメロディーが静かな庭園に流れていく。人の心の奥を惹き付けるような不思議な旋律に、マルチェルが庭に出てきた。機械仕掛けの心でも何か感じるところがあったのだろうか、パンドゥーラも姿を現した。
サンポール◆「みんなわしのことを信じてくれー」と涙を流します。サブ内面特徴が『涙もろい』から。
GM◆部屋の中で一人で? 賢者様、まさかうつ病か何か‥‥(笑)?
アルビウス◆パターン反応の『内心の声』をやります。「こいつ‥‥もしかしてロマンチストでは(笑)?」
爺さんの肩に手をやって「爺さんは、星占いなんかはやるのか? 星の配列で‥‥運命を占うことは?」
サンポール◆わしは星占いじゃなくて花占いじゃ。
GM◆部屋にはマルチェルとパンドゥーラの摘んできてくれた花が花瓶にありますが。この花はどうですか?
サンポール◆<占い>で‥‥成功! 占いの結果は‥‥『やはり伝説の鳥は正しかった(笑)』
アルビウス◆彼がドラゴンのことを鳥だと言ってるのは知ってるから‥‥「ほう。たまには役に立つ時もあるのだな」と内心思ってる。
GM◆それではシーンを変えまして。外では?
フェニックス◆風が涼しいからそろそろ帰ろうかと思ったら横にマルチェルがいる。で「夜風は体に毒だぞ」
アルビウス◆ここはマントを掛けてあげるくらいの芸当はせんとな。熱血カードあげる。
フェニックス◆「‥‥明日のことが心配か?」
マルチェル◆「ええ‥‥。そうです」
フェニックス◆目をじっと見て。「大丈夫。正義は勝つ!」
一同◆おお〜。
フェニックス◆で、すたすたと帰ってしまう(笑)。
マルチェル◆待った〜! 帰る直前に頬にボチュッと。「おまじないです‥‥」Bタイプ予約シーンでした!
GM◆ぼちゅっと何をしたの? キスならもっと格調高い擬音を使ってくれたまえ。で、マルチェルはその後走り去ってしまうわけですね。
フェニックス◆赤くなってぼーっとしばらく立ってます。
一同◆おお!
キース◆それを見ながらハープ弾いてます。それで『‥‥フッ』と笑います。
一同◆おおー!
サンポール◆‥‥それを見ながら怒ってます。
一同◆(がくっ!)はっはっはっ!
サンポール◆2階からヤキモチ焼いて水を掛けます。
フェニックス◆ふと見上げると目が合って‥‥(笑)。
GM◆さて。二人の劇的瞬間を悲しくも目撃してしまったパンドゥーラは独りハープを弾くキースの方へやって来たとしましょう。
「キースさん‥‥私たちのこれからの旅は、成功するのでしょうか?」
キース◆「いや‥‥絶対‥‥成功するさ」彼女との人間関係は『足手まとい』‥‥『全部NO』?
アルビウス◆いやこの場面でそれはマズい! 何かバリエーションがあるはずだ!
キース◆「‥‥大丈夫だ。全部任せとけ」
GM◆彼女は傷ついたような表情をしているね。
「私は‥‥役立たずなのでしょうか?」
キース◆「(不器用に)‥‥そんなことはない。‥‥まあ、頑張ってくれ」と言い残すと立ち去る。
GM◆なるほど! うまく言えずに立ち去るわけですね。では、そんなこんなで夜は更けていきます。
GM◆次の日になります。朝ですが出発前にやることは?
マルチェル◆みそぎする。
アルビウス◆中庭で剣の修行を。軽く汗を流す。
サンポール◆予言所の解釈をし直します。不死鳥とはカラスのことじゃ。
キース◆『竜が飛び立ち‥‥さらなる炎が鋼を溶かす』だっけ?
GM◆ちなみに賢者様の《ノストラダメッスの伝説の予言書》の別のページには、『不死鳥の剣を持った英雄が世を救うだろう』といった事も書いてあるんだね。
フェニックス◆不死鳥の剣がフェニックス自身で、その剣を持ったのが賢者様ってことなのかな‥‥??
GM◆(ふっふっふ)さあ? じゃあ、テープも切れるそうなので休憩にしましょう。
★旅立ちの前夜、星を見ながら語りあう‥‥むむ、極めてお約束なシーンじゃな。まったく体がむず痒いわい。大事なところでズッコケてるのが何ともいえんの。こんな場面も再現できるのがこの『熱血専用!』の面白い所じゃ。
ちなみにこのウソ臭い予言書に書いてある予言は事実じゃ。伝説の光の武具の一つ、《不死鳥の剣》は反乱軍の英雄、アストラッド殿が持っておられる。その後は帝国暦32年にキープの若きヒロイン、モニカ=トレアール嬢の手に渡り、その後も幾多の英雄の手に渡っていくはずじゃ。まあ、辺境地方にいるフェニックス一行は知らんことじゃがの。
モニカ嬢達の活躍を描いたリプレイも楽しかったのう‥‥いや魔導皇帝を相手にあそこまで立ち回るとはあっぱれな戦いぶりじゃ。
次の第四部完結編、ゼロやクローネ達の時空を超えた最後の戦いも終わってしもうた。う〜む、連載が再開されんかのう‥‥って熱血世界に住んどるワシの台詞じゃないのう(笑)。
RI-Foundation > 熱血専用! > 飛び翔ける不死鳥 > 三章