四章

竜の探索

 

GM◆それでは休憩してライフゲージが回復したところで再開しよう。CMを考えた人はどうぞ。

フェニックス◆『これで君も、炎の勇者だ!』フェニックス変身セット(笑)。

マルチェル◆マルチェルの、着せ変えセット(笑)。

サンポール◆いかさまセット。『これで誰でもスリができる! キミも上達! プロのスリになりたいか?』

アルビウス◆『不死鳥の剣セット』とか。スイッチを押すとビビビ〜となる。

キース◆かっこ、“電池は別売りです”(笑)。

フェニックス◆隅のほうに『注:へんしんはできません』とか(笑)。

GM◆最後を飾るのはIN◎UEコーポレーションの新作格闘ゲームです。
『バシバシバシッ! はうはうはうっ! 新キャラはみんな女の子! ゲーマーなんて気にするな! ライバルに差をつけろ! “ゲーマー・ザン・ザ・ゲーメストTM”この番組は、IN◎UEコーポレーションの提供でお送りしています』

 

★訳の分からないCMが出たところで再開じゃ。どうして酒が入ると定命の人間はこういう意味不明なくだら んことをやりだすんじゃ? かみさままで一緒になっとるのう。
 さて、いよいよ話も佳境じゃ。果たして、本当に竜は存在するのか? フェニックス達に協力してくれるのか? う〜む、ワクワクしてくるのう。どうじゃ、そうは思わんか?

 

 《象牙の竜亭》の主人の話では、やはり過去に竜がこの国に協力してくれたという伝説はあるらしい。風を追い越すほどの速さで大空を飛翔する竜の話は、この国の年長者なら大体の者が知っているそうだ。
 一行は街を出て、西の山脈へ向かった。半日ほど歩いき続けた所で、マルチェルの顔に疲労が見え始めた‥‥。

 

サンポール◆愛をあげよう。

アルビウス◆サントリー・カクテルバー。

サンポール◆じゃあマルチェルに『愛している』の『弁護』。「疲れてるようだからちょっと休むのじゃ」

マルチェル◆ありがとう。

フェニックス◆「それは気がつかなかった。悪い悪い」

GM◆パンドゥーラは疲労を感じないので疲れません。「大丈夫ですか、マルチェルさん?」と言ってます。

マルチェル◆「ありがとう‥‥」と言って気絶します。

キース◆《優しき聖女》は体が弱い‥‥なんと99回気絶可能(笑)。

GM◆ふと見ると近くには澄んだ水を湛えた泉があります。ちょっと歩き続けて暑いですね。休むには丁度いい所だよ。

フェニックス◆やはりここは、「ひゃっほう!」とか言って水浴びしてるんだろうな。

GM◆時にフェニックス。君は水が嫌いなはずだ。

フェニックス◆ああ〜、そうだった! じゃあ隅の方で水被って「冷たいな〜」とか言ってる。

サンポール◆やーいやーい(笑)。

アルビウス◆なんだフェニックス、泳げないのか?

フェニックス◆だ、だってなぁ、人間は元々水に浮かないようにできてるんだから‥‥(笑)。

マルチェル◆そうこうしてるうちに「パシャ〜ン」と向こうで水の音が。

アルビウス◆‥‥‥‥むう

キース◆私も密かに(笑)。

GM◆全員の動きが止まる訳ですね。パンドゥーラも最初は嫌がっていますがマルチェルに引き込まれてます。

アルビウス◆私は極めて無関心を装うぞ(笑)。

フェニックス◆前科があるんでちょっと行きにくいかな、とか思ってます(笑)。

アルビウス◆率先して見に行く人間がいるじゃないか?

サンポール◆見て感動の涙を流します。「おお、あれは美しきマリア像」とか言って(笑)。

フェニックス◆じゃあ、その後についてきます。

アルビウス◆私は行かんぞ。ここでちょっと<欲に耐える>の判定を‥‥ああっ、失敗! ちょっとクラクラッとジジィについていってしまった(笑)!

キース◆こっちは‥‥成功っ!

マルチェル◆ここで予約シーン発動! 「‥‥あら?」

アルビウス◆「こ、これは誤解でだな‥‥」

サンポール◆「いつものことじゃ(笑)」

マルチェル◆「きゃーっ!」

フェニックス◆「もう、キミたちはまったく‥‥オレはもう前回で懲りたから‥‥」

アルビウス◆何故かヒーローに責任転嫁(笑)。「おい、お前だって見てただろう?」

フェニックス◆「いやオレは‥‥」

キース◆それを見ながら「‥‥やっぱり醜いな、人間は」

一同◆おお!

フェニックス◆ああー、冷たい視線が怖い(笑)!

サンポール◆熱血カードあげる。

GM◆おお! では老師様は熱血ポイントを増やして。

サンポール◆10点消費して‥‥熱血レベル5じゃ!

GM◆おおっ! これで熱血戦闘中に熱血介入【つきとばし】が使えるようになりましたねー。ついでにAタイプ予約シーン《熱血非常識》も5レベルなら、『状況をあまりにも有利にしてしまうご都合主義』も可能!
 『熱血専用!』に続いて『○=F』『深○』も『天羅○象』も同時発売! ついでに傑作『ヴァンパイア』と『ワーウルフ』も同時翻訳! てなレベルのことが可能‥‥だったらいいんだけどなぁ(笑)。
(注:セッションが行われた1996年夏はどれも出ないと(笑)思われていました)

マルチェル◆じゃあパンドゥーラに、「こういう時は、『キャーッ!!』と叫ぶものなのよ?」と教えときます。

GM◆「なるほど、プログラムしておきます。それでは‥‥『き、きゃ〜』、こうですか(笑)?」

フェニックス◆「ヒネリが甘いぜ(笑)!」

アルビウス◆「どうした、また悲鳴が聞こえたぞ!」とまた来ます(笑)。

GM◆しばらく練習するとパンドゥーラの悲鳴もほんの少し上手くなりました。

キース◆フッ‥‥醜いぜ(笑)。

 

 疲れも取れ、一行は更に先に進んだ。山の中腹、そろそろ地図によると洞窟があるらしいのだが‥‥。

 

フェニックス◆おいマルチェル、何怒ってるんだよー。

マルチェル◆赤くなってます。

GM◆ではここで<遠目>の汎用判定をどうぞ。成功した人は遠くに煙が見えます。パンドゥーラも「視覚センサー、望遠モードへ移行」というと目の奥で何やら仕掛けが動いて‥‥煙を発見します。

アルビウス◆望遠機能か‥‥。「どこだ。私には見えないぞ。‥‥あ、雲かと思った(笑)」

サンポール◆火事じゃ火事じゃー!

 

 一行は先を急いだ。やがて騒がしい物音が聞こえてくる。帝国軍の一般兵が数十人、辺りの木々を焼き払い、露になった山肌に見える洞窟の入口を爆破して土砂崩れを起こそうとしているではないか!

 

GM◆魔導科学の秘密兵器の一つ‥‥じゃあ先だってやった『トーキョーN◎VA』のアクトに出てきた『謎のゲルテックス爆弾』ということにしましょう(笑)。洞窟の入口付近が吹き飛んで目茶苦茶になってます。

キース◆Bタイプ予約シーン発動。「ああ、自然が泣いているッ!」

一同◆おおおー。熱血カード!

アルビウス◆ついでにこちらも予約シーンの《「うむ、聞いたことがある」》で敵の正体を知りたいのですが。

GM◆服装等から判断できます。騎士団でもなく、例の機装化兵団でもありません。チャチい破壊工作に勤しむ超ザコっぽい一般兵です。

アルビウス◆「おお、奴らは帝国兵(笑)!」

フェニックス◆「許すまじ!」

マルチェル◆「大地を汚す者、生かしておく訳にはいきません!」

アルビウス◆いや、ここは‥‥Bタイプの予約シーン《「‥‥」》で高いところに登らせてもらう!

GM◆ザコっぽい隊長の所で兵士達が「‥‥はっ、経過は順調であります!」とか言ってて「あ、あれは!」

アルビウス◆逆光気味に無言で風に吹かれている。

GM◆部下達がざわめきたちます。「あれはどこかの魔戦将軍‥‥いや騎士団の者か!?」「‥‥いや、紋章が見えないぞ?」「だ、誰だ‥‥??」

アルビウス◆「‥‥貴様ら、ここで何をやっている!」

GM◆「し、しまった、敵だ!」「ここがバレた!」

アルビウス◆「私は元『双剣騎士団』のアルビウス! 覚えておけッ!」と名乗りを上げて特攻します。

一同◆おおおっ!

GM◆「しまった! 全員殺せ!」と隊長が叫んでる。では彼に続いてみんな突っ込む訳ですね。

フェニックス◆少し遅れて名乗りをあげます。「オレは正義のヒーロー、炎の勇者、フェニックス! ‥‥って、あれ(笑)?

マルチェル◆はーい、私は戦闘能力ないから続かなーい。代わりにAタイプ予約シーンの必殺技《精霊術法【護】》を。「ビューティー・エンジェルズ・ゾォォンッ!」

サンポール◆(いきなり)「ファイナルボンバー!」

GM◆老師、ご冗談はおやめ下さい。でマルチェルの術は‥‥ほんとは一般戦闘が始まってからなんだが‥‥。

マルチェル◆通常でも可能って書いてありますよ?

GM◆よろしい。マルチェルは熱血レベルが1d6下がります。属性は‥‥地ね。1d6して‥‥なら5人にバリアーが張られます。誰に?

マルチェル◆私除く全員‥‥いやヒーロー除いた全員にしよう。ヒーローは何があっても無傷だから。

GM◆(愛する人は護らんのかね)おめでとう。では皆さんバリアーが張られます。6点以上の熱血ダメージを受けても死亡判定しなくていいよん。敵は名もない帝国の一般兵、その数50人。それではいよいよ一般戦闘開始!

フェニックス◆イニシアチブ‥‥1d10は3!

GM◆こっちは1! PC側が『劣勢』なんで必殺技は使えません。行動をどうぞ!

フェニックス◆限界の23人を攻撃します。天命を2点使って5+23−23の+2で7以下‥‥成功!

GM◆下っぱ23人がいきなり死亡(笑)!

サンポール◆つ、強すぎる(笑)!

アルビウス◆12人を攻撃。成功。横でヒーローが20人以上斬り倒したのを見て「やるな」とにやりと笑います。

マルチェル◆おお、カッコいい!

GM◆そういう演出は自由にやって結構! 次は?

キース◆帝国秘密兵器・防御フィールドを使おう。

GM◆了解。ところで君の防御フィールド《まもる君》はどんな形をしてるんでしょうね?

アルビウス◆胸に丸い玉があって発動すると六角形みたいな絶対領域が張られるんじゃないのか(笑)?(←注:エヴァなひと)

キース◆そういやどうなんだろう?

GM◆思いつかなければ結構。敵はビビッてます。「あ、あれは!」「あれは帝国秘密兵器のポピュラー版《まもる君》! なぜダークエルフがあんなものを!?」

一同◆ポピュラー版(笑)!

GM◆いや魔戦将軍とか偉い人用のは《なんとか・ディフェンダー》とか言うんでしょう(笑)。これで敵の光学射撃兵器等が効かなくなりました。次!

サンポール◆「お前らさっさと倒さんかい〜」と応援。

GM◆最後はパンドゥーラ。腕の中に格納されたサイバーの刃が飛び出します。6人攻撃‥‥成功。

フェニックス◆では第2ラウンド‥‥10だ!

GM◆再びPCの劣勢。でも残りは9人。見せ場を譲るのも可能です。

アルビウス◆では突撃した以上私が。9人なら‥‥成功!バッと剣を振って血のりを飛ばす。

GM◆なるほど。元双剣騎士団第五分隊長の腕を見せつけたという所だね。

フェニックス◆オレの隣で黒い影がサササッと‥‥「さすがはオレのライバルだぜ」

GM◆殺られる前に何人か射撃兵器で応戦してきましたが全て例のフィールドで跳ね返されました。2ラウンドで敵は全滅! 《まもる君》はそのままに?

キース◆じゃあ‥‥電池が切れたらヤだからスイッチ切っときます。

 

 地の精霊の加護を受け、帝国騎士団の剣を掲げたアルビウスが敵に挑みかかっていく。
 負けじとフェニックスは《フレームファング》を引き抜いた。体内に宿る炎の精霊の力に反応して、魔法の剣の刀身に炎の霊気が灯る。
 一気に突進。フェニックスの周囲で炎が踊り、帝国の工作兵がばたばたと倒れていった。その横でアルビウスの剣がきらめき、襲いかかる帝国兵達の動きが止まる。
 残った帝国兵達が何かの装置を構え、輝く光線を発射してくる。だが、キースの回りに出現したゆらめく障壁が全てを跳ね返した。隙を狙ってフェニックスの背後に何人かの兵が忍び寄ってきたが、彼が反応する前に全員が絶命していた。
 見るとパンドゥーラが立ちはだかっている。彼女の腕からは、鈍く輝く鋭い刃が伸びていた。普段は人形のような顔に、何か違う表情が浮かんでいる。
 残った工作兵は浮き足立った。始末をつけようとしたフェニックスの横で影が飛んだ。アルビウスのマントが翻り、剣の血糊を払った時には、もう立っている相手は残っていなかった。

 

GM◆2ラウンドで戦闘は終了。ヒーローは2d6天命を失います。2ラウンドなんで‥‥戦闘に参加したフェロウはボーナスの熱血ポイントを3d6点貰えます。

マルチェル◆私は?

GM◆貰えません。

マルチェル◆(ぶつぶつ)ガードの術使ったのにー‥‥。

GM◆(苦笑)一般戦闘中に使えば良かったんだよ。君は戦闘前に使ってさっさと逃げ出したからね。
 さて、隊長は指令書みたいのを持ってるけどここら辺に怪物がいるらしいとかしか書いてません。ちなみにこの一般兵はノルド将軍旗下の部隊とは系統が全然違うようです。帝国軍にもいろんな系列があるみたいですね。

 

★このゲームの一般戦闘はこんなカンジじゃ。何人攻撃するかを宣言して命中判定。失敗したら人数回熱血ダメージを決定して、一番高い目をダメージとして適用。なんと5ラウンド経過すると戦闘はタイムアップ。敵が残っていても色々あったがPC側が勝ったことになってしまうのじゃ。ヒーローの天命が減ってしまうがな。
 早く敵を全滅させれば、フェロウはそれだけボーナ スの熱血ポイントを沢山得ることができる。それに戦闘が長引くとヒーローの天命も減ってしまうのじゃ。
 『英雄物語の登場人物は絶対に雑魚に負けない』――これが一般戦闘の真理じゃな。『いかにして勝つか』よりも『いかに早く、スマートに、カッコよく』の方がこのゲームの一般戦闘では重要とされとるんじゃ。
 50人の敵を20秒足らずでサクッと倒す‥‥んん〜、他のゲームでは滅多に味わえない実に爽やかな戦いであることよのう(笑)。
 さて、いよいよクライマックス。伝説のドラゴンは本当に存在するのか? どきどきしてきたのぅ‥‥。

 

GM◆さて。目の前には洞窟がありますが入口は謎のゲルテックス爆弾で塞がれていますね。

フェニックス◆「なに〜! これは‥‥、入っていけないっ!」

アルビウス◆‥‥ここは私の必殺技《スパイラル・ウェーブ》で瓦礫を吹っ飛ばすか。

GM◆おおー。では演出を。みんな見るんだ!

アルビウス◆剣を抜いて気を練ります。螺旋の動きを剣の動きに取り入れて‥‥‥‥「スパイラルゥ・ウェェイブ!!」

一同◆おお!

アルビウス◆「これで入って行けるだろう」と肩で息をする。熱血レベルが‥‥いかん3も下がった(笑)。

GM◆瓦礫が粉々に吹き飛んで通路が見えます。ちなみに入力コマンドは?

アルビウス◆‥‥やはり『大蛇薙ぎ』でしょう(笑)。

 

 術の反動で気絶したマルチェルを木の下に寝かし、パンドゥーラが残って彼女を護る。残りの一行は洞窟を進んだ。松明の光が暗い行く手をぼんやりと照らす。奥から聞こえてくる唸り声。獣の匂いも漂ってきた。
「伝説の鳥じゃ!」主張するサンポールを尻目に、一行は足を速める。
 最奥部の巨大な空洞部。きらきらと光る金貨か何かの上に座しているのは‥‥。

 

仕切り線も真っ赤に燃えるッ!
............ CRY-MAX RPG 熱血専用!リプレイ『飛び翔ける不死鳥』 ...... 四章 竜の探索 ............
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