五章

マイティ・ウィングズ

 

GM◆なんと足がちゃんと四本、翼のある、一匹の巨大な歳老いたドラゴンではあ〜りませんか。

フェニックス◆でも羽毛があったりして(笑)。

GM◆「なんとー、帝国軍がここまで来おったわ〜」

サンポール◆「ワレを助け賜え〜(笑)」

GM◆ここで<生物知識>の判定を。成功した人はこれは100%ドラゴンでしかもかなりのジジィだとわかります。失敗した人はもしかしてもしかしたら鳥なのかもという一抹の疑念が(笑)。

キース◆成功‥‥って私以外全員失敗?

アルビウス◆「まさか、あの賢者は偉大だったのでは‥‥??」と心の中で思います(笑)。

サンポール◆いぇーい、多数決で勝ってしまったー。

GM◆いやそういう問題じゃないんスけど(笑)。
 でドラゴンは「助けてくれ〜、もうダメじゃ〜」とか言ってる。

フェニックス◆無視して「あなたが王国の危機に現れるという伝説のドラゴンですか?」

GM◆「う〜、でかい剣をもっておる〜! もうダメじゃ〜、帝国軍は妙なテクノロジーを使いおるからのぉ〜」

フェニックス◆「て、てくのろじぃ(笑)? 何ですかその単語は?」

GM◆「おや、お主よく見れば若者ではないか」

フェニックス◆「はい! 帝国を滅ぼし正義を広めるため、世界中を旅している者です!」

GM◆「それは殊勝な心がけ。していかにしてここまで来たのじゃ? 外には帝国軍がおるではないか」

フェニックス◆「先ほど、倒してきました。正義は必ず勝ちます!

GM◆「あれだけの人数を? それは見所があるではないか。確かにワシがくだんのドラゴンじゃ。大昔に街を救ったこともあったがあれはいつのことじゃったか‥‥」
と指を折って数えだしますが数え切れません(笑)。

アルビウス◆ドラゴンまさか六進法では(笑)?

GM◆「うむ、忘れてしもうた。なに、また王国に危機が訪れているじゃと? ワシも昔は張り切ったんじゃが‥‥あの頃はまだほんの小さな国だったのう‥‥」

 

 必死にケインドリック王国の危機を伝える一行。だが、歳老いた竜はなかなか重い腰を上げようとしない‥‥。

 

GM◆「ワシはファビウス。かつては“疾風の追い手(ゲイルチェイサー)”として名を馳せたこともある。むぅ、そんなこともあったのう‥‥じゃが、ワシゃもう歳を取り過ぎた。ここで静かに暮らしたいんじゃ」

サンポール◆「しかし国の危機です!」

アルビウス◆‥‥賢者がマトモなことを言っている!

フェニックス◆「しかし、帝国をあのまま放っておけばこの後いつ狙われるか‥‥」

GM◆「もうよいわ。人間共がどうなろうと、もう関わりとうない。帝国軍は強すぎる。妙な“テクノロジー”というやつを使いおるからのぉ」

フェニックス◆「て、てくのろじぃ?」

GM◆「魔法とはまた違う魔導科学とやらを使うのじゃ。ワシの同族も何匹か捕らえられてしまってのう。今頃どうなってしまったことやら」

フェニックス◆「しかし、ここでファビウス様の偉大な力を見せつけておけば‥‥」

GM◆「偉大か‥‥」と竜はため息をつきます。ため息は炎の塊なんですが(笑)。「ワシの体を見てみい。ワシはもう老いぼれじゃ」

フェニックス◆「あなたの体のうちに燃える炎は、正義の炎ではないのかッ? そんなんでこの先、生きていけるのですか(笑)?」

GM◆「フッ‥‥ワシら竜の寿命は永遠に近いのじゃよ」

フェニックス◆「もう知らない! あなたがそんなに弱気だとは思っても見なかった! オレは一人で行ってくる! オレは一人でも帝国軍に勝ってみせるッ!」

アルビウス◆これは熱血カードあげる!

GM◆よろしい! では今ので、相手の心を動かし掌握する『感動判定』を試みたとしよう。‥‥熱血偏差値で+4。熱血な台詞を言ったので+2。老竜の意志の強さで−5としよう。結局6以下!

フェニックス◆‥‥4で成功っ!

一同◆おおおっ!

GM◆天命を4点だけ削ってちょうだい。君の熱い心意気に打たれ、老竜はポンと手を叩きます。って叩けるんでしょうかね(笑)。
「おぬしの言うことはよく分かった! 久し振りに帝国軍の連中に“ゲイルチェイサー”の名を知らしめてやるわい! がっはっはっは!」

フェニックス◆「それでこそ偉大なる竜族ですッ!」

GM◆「‥‥ところで、出口はどっちじゃったかのう?」

アルビウス◆‥‥我々は後ろで転びます(笑)。

キース◆ガクッて感じ(笑)。

GM◆「あああ、裏口はこっちじゃった。いや迷路になっておって時々迷うんじゃ。この前もはぐれた帝国兵がやってきてのう」

 

 入り組んだ道を抜け、老竜と一行は外に出た。一行の姿を認めると、意識の回復しないままのマルチェルを抱えたパンドゥーラが駆けてきた。
 山の上からは下界の風景が一望できる。雲が流れ、美しい緑が風に揺らいでいる。ケインドリック王国の王城と城下町も、眼下遠くに見下ろすことができた‥‥。

 

GM◆「うぅむ、いつ見ても良い眺めじゃ」とか老ファビウスは言っている。ではここで全員<霊感>の判定をどうぞ。って言ってもそんな特徴はないんだけどね。

アルビウス◆殺気感知だ! ‥‥成功! (←注:のばなヤツ)

GM◆成功した皆様はとてもイヤ〜な予感がします。続いて<遠目>の判定をどうぞ。

アルビウス◆‥‥10でファンブル!

GM◆おめでとう。君は今後遠目が苦手になる。でパンドゥーラは再び望遠モードを発動。「あっ! 煙が見えます!

一同◆「な、なにっ!?」

GM◆「よくは見えませんが‥‥王都が、攻撃されているようです!

フェニックス◆「これは! 急がなくては!」

GM◆「はい、フェニックスさん‥‥ところで、マルチェルさんが気絶したままなんですが(笑)?」

フェニックス◆そ、そうだった(笑)!
(注:実は担当プレイヤーがホントに寝てしまっていたのだ!)

アルビウス◆しかも揺らしても起きないぞ(笑)!

GM◆さて。ファビウスは「よぉし、ワシが全員乗せてってやるわい。ワシの翼もまだまだ衰えてないからのう」とさっきと正反対のことを言っております(笑)。

キース◆すまない。私も乗せてもらう。

GM◆みんな乗りました。竜は翼を大きく羽ばたかせ、空に向かって飛び立ちます‥‥がドシンと同じ場所に落ちてしまいました。
「す、すまん、飛び方を‥‥忘れてしもうた(笑)!

サンポール◆「しっかりしろー!」

GM◆「すまんすまん。しかし人間のジジィに言われたくないのう」

サンポール◆「ジジィって呼ぶなー! 『おじさん』と呼べー(笑)!」

フェニックス◆「それでは、“ゲイルチェイサー”の名が泣くぞ!

GM◆「そ、そうじゃった! ふ〜む、今度こそ、落ち着いて‥‥」
 竜は深呼吸するとゆっくりと翼を広げ‥‥今度こそふわりと浮かび上がりました。力強く翼を羽ばたかすと、風に乗ってぐんぐんと大空を駆けていきます。

 

★という訳でついにワシの登場じゃ! 思えばこれがワシが反乱軍に協力するきっかけになったんじゃ。う〜む、実に感無量であるのう。
 どうじゃ。ワシが登場人物の一人、しかもドラゴンじゃったとは思わなかったじゃろう。はっはっは。
 なに、最初から見当はついていたじゃと? ばかもん、そういう時は年長者を敬ってお世辞を言っておくもんじゃっ!

 

 しばらく経つと、老竜は空の記憶を完全に思い出したように、風に乗ってぐんぐんと速度を増した。背中に必死に掴まっていたフェニックスの顔に、強い風が吹きつける。
「これが、竜の力か‥‥」後ろで、アルビウスが呟くのが微かに聞き取れた。
 眼下には美しい風景が広がっていた。全ての光景が、どんどんと後ろに行き過ぎていく。竜の力強い翼が乗っている一行のすぐ横で羽ばたき、靄を切り裂くように一行を運んでいく。やがてケインドリック王国の領地景が見えてきた。
 平原を見下ろしたフェニックスは息を飲んだ。帝国軍の浮遊戦艦が王城を目指して進んでいる。平原では、王国軍と帝国軍が戦いを繰り広げているではないか!
 老竜が高度を落とした。苦戦している王国騎士団。対する帝国軍は一般兵に交じり、妙に統制の取れた戦術的な動きで王国軍を翻弄する部隊があった。機械仕掛けの兵士‥‥噂の機装化兵団だろうか?
 靄が途切れ、眼下の光景が露になる。パンドゥーラが何事か叫んで指さした。浮遊戦艦の艦首に燦然と輝いているのは‥‥紛れもない鋼の鷲頭獅子(グリフォン)の紋章だった!

 

フェニックス◆戦いの真ん中にいきなり飛び降りますか。「とお〜っ!」と。

GM◆それはいかなヒーローといえどキケンです(笑)。では<集団戦知識>で。
 成功した人は、ここはひとまず低空飛行で火でも吹いて戦線を攪乱しておいて、ひとまず城に戻るのがいいのではないかと。

フェニックス◆じゃあ竜に「火をボ〜ッとやって貰えますか?」

GM◆「おう、任しておけ!」と言ってファビウスは大きく息を吸い込み‥‥「ハ、ハクション(笑)! し、しもうた! もう一回じゃ!」
 今度は成功、空からの不意打ちを食らった帝国軍は慌てふためいています。
 じゃあ‥‥ここで暇な方は『苦戦している王国騎士』の役をやって下さい。我こそはと思う人は?

フェニックス◆じゃあここは我々が。‥‥「くっ、やはり奴らは強いのか?」

アルビウス◆「こ、こんなはずはッ!」

フェニックス◆「やはり、あの賢者の言う通りになってしまうのか? そ、それだけは‥‥」

サンポール◆(天の声)「滅びるぞ〜」

フェニックス&アルビウス◆「ううっ!」

GM◆という声が頭に響くんですね(笑)。

アルビウス◆「『そんな事では、勝てないッ!』‥‥あの元帝国騎士の言っていた言葉が脳裏をよぎる!」

フェニックス◆「街には妻と、7才を筆頭に5人の子供がっ(笑)!」

アルビウス◆「オレは、オレは負けられないんだ〜っ!」

GM◆騎士団長も「ここまでか‥‥この何百年も続いたケインドリック王国がここで滅んでしまうのかッ!? 無念‥‥!」とか言っております。

フェニックス◆その時、上空に黒い影が(笑)!

一同◆「おおっ! あ、あれは!?」

アルビウス◆で火をボゥ〜ッと。

GM◆いや、影は1回失敗するのだ(笑)。

アルビウス◆「なんだあれは! 頼りないぞ(笑)!」

GM◆で2回目、炎の嵐が帝国軍の上に吹き荒れます。

フェニックス◆一気に士気が上がる。「おお、我が軍が護られた!?」

GM◆さんざん戦線を攪乱した後に竜は超低空飛行で頭上を通過していく。機装化兵団もかなりダメージを受けてるね。そして騎士団長が剣を掲げる。
「天は‥‥天は我らに味方してくれた! 今じゃっ! 全軍集結! 戦線を立て直せッ!!」

一同◆「おおッ!」

GM◆戦場の上を2、3回旋回した後、「とりあえず王城へ向かうぞい」とファビウスは城を目指します。通った後のところの軍はみんな士気が上がってるね。で城に着きますが‥‥。

サンポール◆ビュー。

キース◆ばっさばっさ。

GM◆「‥‥し、しもうた、着陸の仕方もよく憶えとらん(笑)! しっかり掴まっといてくれ!」
 と不時着気味に城の中庭に着地します。そうですねえ‥‥誰か今度はマーカス王かクローヴィス王子の役をやってくれない? 王様も病をこらえて出撃しようとしてるんですが。

サンポール◆じゃあ今度はわしが。「‥‥うう、まだわしの国を滅ぼす訳にはいかん!」

GM◆で王子が「おやめ下さい父上! そのお体では出撃は無理です(笑)!」

サンポール◆「‥‥いや、まだまだわしは‥‥戦える」

GM◆と言いながら咳をする訳ですね。で「父上!」

サンポール◆「ゴホ、ゴホ、わしはもうダメじゃ」

GM◆「ち、ちちうえぇ〜! ‥‥はっ、あれは?」
 と王子が中庭を見ると、辺りを薙ぎ倒してようやく着地したドラゴンと、英雄達の姿がっ!

フェニックス◆竜の背中からひらりと飛び降りて
「お待たせしましたっ! これで我らは勝ったも同然ですッ!」

GM◆王のそばに控えていたダンカン大臣が目を見張ります。「おおお! まさに伝説のドラゴン!」

フェニックス◆「伝説の鳥はもう逃げてしまいましたが、頼もしい味方を連れて参りました!」

GM◆老大臣は涙を拭います。「やはり‥‥伝説は本当であったか! 皆様よくご無事で‥‥」
 と見回してサンポールを見つける。
「そこな賢者様。やはりあなた様の言われたことは間違っていたではありませんか!」

アルビウス◆細かいツッコミをする大臣だな。

GM◆ライバル意識あるらしいよ(笑)。城に集結していた近衛兵達も歓声を上げて拍手喝采で歓迎してくれます。

一同◆おおおー。

GM◆その様子にファビウスは「うぅむ、テレるのぅ」とモジモジしております。

サンポール◆おおー、さすがドラゴン。

GM◆そうッスか(笑)?

 

 大臣が顛末を話してくれた。帝国軍からこんな手紙が届いたそうだ。手紙には、やはり透かしで鷲頭獅子の紋章が描いてあった。

本日午後、貴国に対し一斉攻撃を開始する
無駄な流血を避けたくば貴国全軍の武装解除ならびに全面降伏を要求する
返答なき場合は徹底抗戦と解する
貴国の賢明な判断を期待するものである

魔導帝国機装化兵団『クロームグリフォン』団長
魔戦将軍 アルヴェン・ノルド

 王国は徹底抗戦を選び奮戦したものの、有能な将軍に率いられた機械の兵達に苦戦を強いられ今に至ると言う。

 

GM◆ふと見ると全身に刀傷を負った騎士が呻いています。王子様は優しいから「大丈夫か。何があったのだ?」と声を掛けると痛みを堪えて話し出します。
「‥‥兵団はこちらの行動を全て予測したかのような動きで戦線を翻弄します‥‥それに敵の兵団長はかなりの剣の使い手です‥‥グフッ! サ、サーベルをまるで自分の手の延長であるかのように自在に操り‥‥あの剣裁きはとうてい人間業とは思えません‥‥うう

フェニックス◆「しっかりしろ、しっかりするんだ!」

GM◆「まったく歯が立ちませんでした。しかしあの兵団長は傷付いた私にはとどめを刺さずに‥‥。ああ、後のことを頼みまする‥‥」でガクッと気を失ってしまいます。

アルビウス◆「や、やはり‥‥」

GM◆「早く医務室へ運べ!」とその騎士は運ばれていってしまいます。さて、どうする?

フェニックス◆一刻も早く戦場へ! みんな行くぞ!

GM◆どうぞ! 具合よく馬が何頭か繋がれてますが。

フェニックス◆非常時、借りるッ!

GM◆どうぞ! では全員<乗馬>のロールを! ちなみにキースは抜群に上手なのだ!

アルビウス&キース◆ガッガ〜ン! 10でファンブル!

GM◆みんな、カッコ悪いと思った時にはヒーローに天命を借りるんだ!

アルビウス◆ヒーロー、頼む! ‥‥よし成功!

キース◆またファンブル! 天命を借りて‥‥‥‥??

一同◆うそぉー!? (何と、3回連続ファンブル!)

GM◆確率は1/1000ですねー。ヒーロー、どうする?

フェニックス◆もう知らん! ってオレも1回失敗してるのだ。もう歩いてでも行くぞッ(笑)!

キース◆おかしいな‥‥この私が(笑)。

アルビウス◆ではキースに手を貸して乗らせてから、パターン反応の『親友同士』の『叱咤激励』を。「キース、焦りは禁物だぞッ!」

GM◆おお。‥‥で結局フェニックスの後ろにマルチェルが乗る。同じ元帝国同士ということでアルビウスの後ろにはパンドゥーラが。サンポール老師は一人で馬に跨り、緊張気味のキースも一人で、ということで。
 王子様も軍勢を前に激励します。
「今こそこの国の誇りをかけて! 全軍前へ! フェニックス殿と共に戦いましょう!」「おおッ!」
で中庭の王国軍も君たちに続きます。
 でファビウスは「ワシは空から支援するぞ」と再び舞い上がり、各前線で絨毯爆撃‥‥いや時々の爆撃をしかけて王国軍を助けてます。

 

 出撃する王国軍の先頭に立ち、一行は馬で戦場に向かった。あちこちで激しい戦いが繰り広げられている。老竜の加勢もあり、王国軍はだいぶ士気を盛り返していた。
 だが油断は禁物だ。一糸乱れぬ隊列で進んでくるのは、例の機装化兵団だろう。戦闘モードへ移行し、体内の様々な武装を開放している完全戦闘用のバトルドール。パンドゥーラと同じようなシルエットをしたバイオロイド達。
 そして肉体に機械を埋め込んだ兵士達の首筋からは、コードが伸びているのが分かる。苛烈な戦闘にもまったく動じた風なく、兵団は進んでくる。そして砂塵立ち込める戦場の彼方には、大きな浮遊戦艦が見えた。西に傾きかけた陽の光を浴びて、艦首が不吉に輝いている‥‥。

 

GM◆浮遊戦艦の艦首の紋章を見て「あ、あれは‥‥! 思い出しました!」とアルビウスの後ろで君の肩に掴まっていたパンドゥーラが指を指します。

アルビウス◆「どうした?」

GM◆彼女の混乱していたメモリーが一部回復したようです。
 彼女の造られた帝国第四R&Dセンターで、あの浮遊戦艦が建造されたんですね。それにバイオロイドやバトルドール、サイバー化した兵士達が投入されて兵団が造られました。瀕死の魔戦将軍が一人、魔導医師達の待つ医務室へ急きょ運び込まれた時のことも完全に思い出したそうです。そしてその魔戦将軍は‥‥。

アルビウス◆「それが‥‥それがノルド将軍だというのかッ!?」

GM◆「はい。一瞬だけ見た顔を覚えています! ということは、この軍勢を率いているのは‥‥」

アルビウス◆「やはり‥‥。そうだったのか‥‥」

GM◆と馬上で交わしたと。そんな事は露知らず‥‥

フェニックス◆ヒーローのオレは「オラオラオラァッ!!」と突撃する(笑)。

マルチェル◆突入直前に降ります。

GM◆(がくっ!)‥‥またですか?

アルビウス◆(がくっ!)‥‥ダサいぞちょっと!

GM◆一般戦闘中だって自分から攻撃しなけりゃダメージを受けることは絶対にないんだよ? 第一本当に好きな人間と一緒ならどこまでもついていこうと思うのが真実の愛だとは思わないかい?

フェニックス◆勝利の女神の振りして乗ってればいいじゃん(笑)。

 

★むむむ、これはちょっといかん。チョベリBなカンジじゃ。どうもマルチェルはこのセッョンじゅうずっとだが、『ルール上の有利』を求めがちじゃな。これはナウい言葉を使うと場の雰囲気がちょっとホワイトキックなカンジじゃな。
 熱血プレイ第二の流儀は『有利さよりも美学を追求すべし』。他ゲームでは称賛される(のかのう?)『戦術プレイ』が例え存在したとしても、それはこの『熱血専用!』では文字通り“死んでも”やってはいけないセコビッチなプレイであることが在りうる。そうした現象に対するアンチテーゼとしてこのゲームは造られたんじゃからな。
 さてさて、熱血戦闘も控えていることじゃし気を取り直そう。再び一般戦闘じゃ。今度の敵は手ごわいぞ。何せ敵は、魂を売り渡す代わりに一万ユーロ=ダラーのサイバネティクスを埋め込んだ、極秘の機 装 歩 兵(サイバーグラント)じゃからな‥‥い、いや、何でもない! “まにあ”なギャグを飛ばしただけじゃ! 話を進めるぞ!

 

GM◆砂塵が舞い上がる先に数十もの赤い目が輝きます。先頭の完全戦闘用のバトルドールが機械的に呟く。「優先目標確認。戦闘モード続行、強制排除。攻撃、開始」
 という訳で通常の一般戦闘。敵はその数130人

一同◆ひゃくさんじゅう!

アルビウス◆Aタイプ予約シーン《ファイナルバトル》か? ‥‥いやここで受け止めて死ぬのもダサいな‥‥。

GM◆これなら勝てるよ。《ファイナルバトル》は1対1万とかいうレベルで自分の命を犠牲にして勝つものです。せめて少なくても1千ぐらいはいかないと(笑)。
 では一般戦闘開始。戦況は‥‥そっちの劣勢! 敵は動きが速いようです。

アルビウス◆「素早い! これが奴等の力か?」という訳で飛ぶが如く馬を操りながら馬上から攻撃。‥‥失敗!

GM◆熱血ダメージが6点。死亡判定だ!

アルビウス◆ファンブル! ヒーロー、天命を貸してくれ‥‥よし成功!
「‥‥これが帝国の実力かッ?」

フェニックス◆23人攻撃‥‥失敗!

GM◆ヒーローは熱血ポイントがないので無傷です。

マルチェル◆後ろからヒーローに来る敵1人を素手‥‥いやひじ鉄で‥‥成功。

GM◆「イヤんボカ〜ン」ってカンジですね(笑)。

キース◆6人に‥‥失敗! ダメージ6点を《まもる君》で引いて5点。

GM◆ちなみに5ラウンド経って敵が残ってるとその数だけ天命が減ります。今の状態だとフェニックスの天命が129点減るよ。

一同◆うおおぉ、キツい!

GM◆そしてパンドゥーラは7人攻撃、成功。さあ敵は機装歩兵共だ〜! 強いぞ強いぞ〜。

フェニックス◆第2ラウンド‥‥こっちが優勢! 馬上で剣を構えて必殺技! 「この炎を受けてみろッ! フェニックス・ブリンガーッ!」‥‥人数は1d6×1d6。3と4で‥‥12人!

アルビウス◆「なかなかやるな」とニヤリと笑う。「パンドゥーラ、後は任せた」と後ろに言って馬を降りる。大地を踏みしめて‥‥「スパイラル・ウェイブッ!」‥‥あーっ、ダイスが1と3で、3人(笑)!

キース◆精霊術法【攻】使います。ハープを取り出してぽろろろん、ぽろろん‥‥「ソニックゥ・カッターッ!」超音波が出るけど‥‥5人(笑)!

サンポール◆キツい! 《ファイナル・ボンバー》使いますか。

フェニックス◆賢者様、爆発してどうするんですか。まだ生きていて下さいよ(笑)。

サンポール◆じゃあ1人攻撃。成功。

マルチェル◆1人攻撃に成功。

GM◆パンドゥーラも7人成功。残りは91人!

フェニックス◆第3ラウンドもこっちの優勢。手堅く19人攻撃します。ファンブル以外は成功‥‥ファンブルだ! ドラゴンの空からの助けはないんですか?

GM◆老ファビウスは戦場のあちこちを駆け回って援護しています。忙しくてここまでこれないようだね。

アルビウス◆では、12人攻撃‥‥失敗! 今回マジにヤバそうだ。天命を貸してくれ!‥‥成功!

GM◆借りた天命は友情ポイントに変換されます。もう13点ですね。アルビウスは死んだ後も残留思念になって残れるよ(笑)。

マルチェル◆1人‥‥失敗!

サンポール◆1人攻撃成功!

キース◆熱血ポイントを消費して熱血レベルを上げて‥‥再びハープをじゃんじゃか弾きます。「ソニック・カッターッ!」‥‥2と3で6人(笑)!

一同◆マ、マズい!

GM◆パンドゥーラもまた7人。成功。残りは65人!

フェニックス◆第4ラウンド。こっちが優勢か。必殺技を使おう!

アルビウス◆必殺技を乱射するのは本当は格好悪いんだがな。

GM◆そこがヒーローの至らないところなんですね。

フェニックス◆じゃあ再び《フェニックス・ブリンガー》を。「食らえーッ!」15人。

アルビウス◆仕方ない。再び《スパイラル・ウェーブ》を。「おおおーッ!」‥‥‥‥‥‥3人(笑)。

フェニックス◆残りは47人か。今の天命は78‥‥辛い!

GM◆ではみんな、焦って下さい!

アルビウス&フェニックス◆「くっ‥‥奴らはこれほどまでに強いのか!?」

GM◆敵は戦術演算回路を内蔵済みの機装化歩兵! 動きから見て反射神経が異様に速いです!

アルビウス◆‥‥ケレンジコフかっ(笑)?

GM◆さいでございます。(注:『サイバーパンク2.0.2.0.』に登場する常動型の反射神経増強システム)

キース◆3人攻撃‥‥失敗! 天命を借りて成功!

GM◆パンドゥーラは7人攻撃、成功。あと残りは37人!

アルビウス◆パンドゥーラには爆裂する必殺技みたいのはないのか?

GM◆Aタイプ予約シーンは《劇的復活!》しか持っていません。彼女は汎用人型バイオロイドなんでね。

フェニックス◆最終ラウンド! 限界の23人を攻撃‥‥

GM◆(ここは‥‥こっちの手を使おう)と、君たちが悲壮な覚悟を決めた時! 機装化歩兵達の目が光り、攻撃を終了して左右に分かれます。

一同◆「なにーっ!?」

GM◆そして、分かれた先に一人立っているのは、黒いマントに身を包んだ、すらりとした長身の男‥‥。

アルビウス◆しょ、将軍‥‥。

 

★なんとか一般戦闘は終了じゃ! 今回は全員極端にダイスの目が悪くて苦戦したようじゃの。
 ちなみに後でよく考えたら、同じ予約シーンは連続して発動することはできないことになっとった。即ち一般戦闘中に必殺技は各自1回しか使えないのじゃ。すまぬ。やはりワザの乱発はカッコ悪いということじゃな。確かにイマイチ効果が薄かったのう(笑)。
 元帝国軍だけあってアルビウスは機装化歩兵について詳しいようじゃな。確かに今回の話の元ネタになったのはその辺のゲーム世界からかも知れないのう。
 ドラゴンは物知りじゃからワシも知っておるぞ。『さいばぁぱんく』とかいうヤツじゃな。『スタイルは実像をしのぐ。カッコよければそれでいいのさ』とか言って自分で浸っとる訳の分からんヤツじゃろう? はっはっは、人間の考えることは分からんのう。
 さて、いよいよノルド将軍直々の登場! いよいよ物語はクライマックスじゃぞ‥‥。

 

GM◆人数は減らせなかったけど必殺技はカッコイイもんなんです。将軍は君たちの戦い振りに感心したようだね。一般戦闘はこれにて終了。残ったのは37人だから‥‥そうだね、半分の18だけ天命を減らしてくれ。フェロウは各自熱血ポイントを1d6だけ貰えます。
 さて、ノルド将軍はアルビウスの方に目をやると静かに言います。
「‥‥やはり‥‥この国に残ったのか」

アルビウス◆「将軍こそ! 機械の体になってまで、戦う価値があるというのですかッ!?」

GM◆「‥‥お前らしいな」彼は悲しげに笑う。そしてフェニックスの方に向き直ります。「よくぞ来た。機装化した我が兵団を相手にここまで善戦するとはな‥‥」

アルビウス◆フェニックスに『ライバル』の『叱咤激励』を。「将軍は強い。心して掛かれッ!」

フェニックス◆「分かっている!」と答える。

GM◆これから熱血戦闘に移行します。今のうちにやっておくことがあればやっといた方がいいかもよ?

アルビウス◆但しあんまりヘンなのは場の雰囲気が崩れるから却下だ。

マルチェル◆とりあえず予約シーンの《「おまじないです‥‥」》はやっとく。「頑張って下さい。ぷちゅ」

GM◆キスがぷちゅですか。相変わらずダサイですねえ。

サンポール◆フェニックスに指示を。「心してかかれ。左から攻めるのじゃ!」

アルビウス◆「いや、将軍には小手先の技は通用しないぞ!」

フェニックス◆「大丈夫だ。オレは、心の炎の命じるままに戦う!」

マルチェル◆「やっぱり貴方様はカッコイイです!」

キース◆「彼なら‥‥やってくれるだろう」と心の中で思う。

フェニックス◆「‥‥‥‥。分かっている」と目を見て頷く!

アルビウス◆これは格好いいから熱血カード!

GM◆さて! ちなみに熱血カードは熱血戦闘中でもあげられます。フェロウのみんなは熱血な台詞を言ってポイントを分け合うんだ! 戦況解説でも熱血ポイントは増えます。そして熱血レベルが5になれば【熱血介入】が可能となります!

アルビウス◆って言っても‥‥やったら死ぬべな(笑)。

GM◆それは死んでも言っちゃいけないんだ(笑)!
 それでは気を取り直して。先ほどの戦闘でかなり傷付いたパンドゥーラも一言だけ「フェニックスさん‥‥頑張って下さい」と体を押さえながら言ってます。
 一方ノルド将軍はマントを払い、サーベルのように見える鋭い剣を抜き放つ!
「‥‥その勇気と力に敬意を表し、この私がお相手しよう。魔戦将軍アルヴェン・ノルドの名にかけてなッ!」

 

★いよいよ熱血戦闘開始! ラストはヒーローVSダークサイドヒーローのタイマンバトルでビシギメじゃ!
 ヒーローは《超闘気》《超危機》《超緊迫》《超熱血》の各戦闘演出から推奨されるものを選び、それを実行することで超闘気ポイントと超危機ポイントを貯めていく。ダークサイドヒーローもしかり。そしてポイントが溜まったら必殺奥義を放つ。そしてフェロウたちは側でその解説をする‥‥これが熱血戦闘の基本的な流れじゃな。
 それではッ! 『熱血専用!』の伝統に従ってッ! 「それでは皆さんお待ちかね! 熱血戦闘! レディ〜ス、GO!!」

 

仕切り線も真っ赤に燃えるッ!
............ CRY-MAX RPG 熱血専用!リプレイ『飛び翔ける不死鳥』 ...... 五章 マイティ・ウィングズ ............
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