“幻龍”明日寺 霞:「やあみんな! 僕は最近タイトルも綺麗になった2ndのリプレイ『Revival Rozez 〜よみがえる薔薇〜』に出てきた霞くんだぜ!
あの頃からしばらく経った。今じゃあの弾王も赤の臥龍に名前が変わってるし、N◎VA軍も来ちまった。あのルテチアがらみの事件で一緒に戦ったカブトワリのサイファも今じゃ研究所の所長だもんな‥‥ってありゃサイファ違いか。
革命がおこって外界の低いチャクラはまた住みにくくなっちゃったよ。ルールも変わって華山龍星拳の奥義もだいぶ使えなくなった。なんでチャクラだけ<※見切り>がないかなー? <※治癒>や<※浮身>でなんとかするべきなんだろうか‥‥
なんて話はおいといて、今夜の僕はお呼ばれしてるんだぜー。トーキーのふみかさんたちがいる居酒屋《ニライ・カナイ》【青緑ヶ丘村喫茶店】に今から行くところなんだ!」
この”常夏の楽園”トーキョーN◎VAに夜がやって来た。
しかし日の沈んだこの都市にはそんな事には気にもせずにいろんなネオンの明かりが混じり、いろいろな人間達の欲望の渦巻く場所と、そこで生きる人々達がこの都市のもう一つの側面を浮かび上がらせる。
この都市のとある飲み屋街の雑居ビルに「ニライ・カナイ」という居酒屋がある。
最近オープンしたその居酒屋はその料理とともに中の星達がきらめく内装が評判を読んでいる。
他にも中二階の予約席に噂ではまだ誰も入ったことがないというVIPROOMがあると言う。
今宵もこのニライ・カナイにもまた一人のお客が扉の中に入っていった‥‥
(からんからん)
明日寺霞:「こんにちわ〜、今日はお招きありがとうございます。ふみかさんはいらっしゃいますか?」
記憶を無くした者“陽太”:「いらっしゃいませ、明日寺さんお待ちしておりました。まだオーナーは戻られてませんが、先にご案内させていただきます」
(と言って奥の目立たないところにあるエレベーターに案内する。)
霞:(へぇ〜、こんな所にエレベーターがあったなんて全然気付かなかったよ)
陽太:明日寺さん、オーナーから手紙を受け取ってると思いますが、カードをお持ちしていらっしゃいますか?
霞:「あっと、これですね」(と言ってカードを渡す)
陽太:「では失礼して‥‥(と言って、エレベーターのドアに側にあるスロットに差し込み)すみませんが右手をすぐ側の鏡に当てて下さいませんか?」
霞:「こうですか?」(と言って鏡に手を当てる。)
鏡に手を触れると抵抗もなくすっと中に入り水紋が広がった。
鏡に触れたはずなのに水の中に入っている感触がある。
霞:「あれれ? これは一体‥‥」
陽太:「お静かに。こちらはVIPROOM専用のセキュリティでして、明日寺さんの個人情報を入力したのです。
万が一このカードをなくした場合、カードに入った情報とこの鏡に入っている情報を一対にしてますので盗まれた場合に関してもサポートできるのです」
霞:「へー、いやすごい仕掛けだな!個人情報かぁ。ランクXの僕にはないもんなぁ」
陽太:(カードを返して)「ではどうぞ、お入り下さい」
霞:「あ、どうも」
チィーン、と音がしてドアが開く。
霞がエレベーターのドアから出ると適度に照明が落とされた廊下に出た。
その廊下を歩いていくと急に広い広間にでた。側には一階のカウンターよりは少し小さいカウンターがあり
奥には少し床が沈んだ造りになっていて、中三階と言う感じに見えた。
そこの席の一角にアインが霞を迎える準備をしている。
アイン・マクヴェルド:(手を休めて)「やあ、霞君いらっしゃい。今夜ここは君の貸し切りだからね」
霞:「あ、アインさんですね。お邪魔してます!」
アイン:「まぁオーナーも遅れると言っているから先にお食事でもいかがかね?」(と席に座るよう勧める。)
霞:「え、先にいいんですか。いや確かにぺこぺこなんですよ。しかし僕なんかに貸し切りでいいのかな。なんかこんなに広いのにもったいないや」
アイン:「では、支度を」(パンと手を叩きウェイトレスを呼ぶ)
“新米娘”喜屋武・真百合(きゃん・まゆり):「はい、ただいま」(と言い、鍋を持って出てくる。ちなみにいつもの制服ではなくメイドのような制服)
霞:「(あれ、前に店で会った真百合‥‥さんだっけ? なんか制服が違うな‥‥どきどきしちゃうよ、どうしよ)」
真百合:(うわ、やだ、どうしよう、緊張してあがってきたよぅ〜〜[少し赤面])
アイン:(それを知ってか知らずか無視して)「最近寒くなってきたので今夜は“扁炉”(ピェンロー)と言う中華風白菜鍋を用意しました」(と言って鍋の蓋を開ける)
中にはざっと見ただけで鳥の桃肉、豚のバラ肉、椎茸、ビーフン、そしてかすかにだが胡麻油の匂いがした。
霞:「ピ、ピェンロー?? 夏にいた頃も聞いたことない名前だけど‥‥?」
アイン:「この料理は材料さえあれば結構簡単に作れるんですよ」(といって鍋に胡麻油をたら〜りと一周するようにたらす)
霞:「へぇ、面白い作り方ですね‥‥」
アイン:「本当はオーナーが来てからお出しするつもりでしたが、霞君もお腹空いてると思ったので先に仕込んでおいたのですよ。
真百合さん、椀と塩、一味唐辛子をお出ししなさい」
真百合:「はい」(といって盆に朱塗りの汁椀と箸に粗塩、一味唐辛子の入った壷を霞の前に並べる。)
霞:「これでどうやって食べるのですか?」
アイン:「鍋に入っている具には味がついてない。だから我々食べる人がそれぞれの椀に味付けをする為のつけ汁をつけるのさ」
(と言って彼の手元の椀に塩と一味唐辛子を少し入れ、煮汁を入れてといている。)
霞:「ふむふむ。ほー、こうやって食べるのか」
アイン:「真百合さん、“花酒”を持ってきなさい」
真百合:「はい、地下倉庫からですね?」(え、あのお酒を??霞くん大丈夫かしら‥‥)
霞:「どんなお酒なんですか?僕はお酒はそれほど苦手なことアインさん知ってるじゃないですかぁ。(笑)」
アイン:「まぁ飲んでみてからのお楽しみってやつだ」(笑)
霞:「じゃ、せっかくだから飲んでみようかな」
アイン:「では冷めない内に食べようか」
霞:「ふみかさんには悪いけど(笑)いただきま〜す」
アイン:「どうぞ」
霞:(ぱくっと一口食べて)「白菜とお肉だけでこういう味になるなんて!!」
アイン:「ほら、旨いだろう?」
霞:「うん、旨いです! いやー、ありがたいなぁ。ふみかさんにもお礼を言わなくちゃ」
アイン:(真百合がお酒を持ってきたのを見て)「真百合、お客様にお注ぎなさい」
真百合:「えっ、でも‥‥」(ちょっとためらう。)
霞「え、酒ですか? 一杯くらい大丈夫ですよ。せっかくだからもらって‥‥」
真百合:「じゃあ‥‥」(と言って霞の盃に注ぐ。)
霞:「‥‥‥‥み、みるんじゃなかった・・・・(バタッ)」
アイン:「おや?大丈夫かい??」
霞:「だ、だいじょぶ‥‥です‥‥」
真百合:「霞くん大丈夫??」(おろおろ)
霞:「‥‥な、なんで華山龍星拳の使い手がこんな酒一杯で‥‥」
アイン:「真百合さん、酔い覚ましの薬を取ってくるから彼に付いてて下さい」(と言ってフロアーから出る。)
真百合:「はい、店長。‥‥とは言ったもののどうすればいいのかしら?」
霞:「‥‥せ、世界が回ってる‥‥」(下から『ガシュー、ビーッビーッ』と音がする。)
真百合:「お水お水っと、でもさっきの音なんだろう?」(水の入ったコップを手に霞の側まで持ってくる。)
霞:「‥‥ど、どうも‥‥」
真百合:「‥‥それにしても店長遅いなぁ‥‥」
(突如カウンターの中にあるDAKから呼び出し音が鳴る。)『パラララララ、パラララララ‥‥』
真百合:「はい、三階です。え?ここへのエレベーターが故障しちゃったんですかぁ!?」(顔からサーっと血の気が引く)
アイン:『ああ、そうだ。業者を呼ぼうとしたら今日は定休日でお休みらしい』
真百合:「って事は明日までここにいなくちゃならないのですか?」
アイン:『すまないが我慢してもらえないかな??その分の時給も出すから、ね?』
真百合:「‥‥明日お休みいただいてもいいですか?」
アイン:『ああ、その休み『有給』でつけとくからもらっていいよ。あと奥の従業員控え室に毛布とかいろいろあるからそれを使いなさい』
真百合:(‥‥なんでここに毛布とかがあるの??)
アイン:『業者が来るまで辛抱してくれ。じゃあいったん切るぞ。』(カチャ)
真百合:(奥の部屋から毛布を取ってきて)「‥‥霞くん明日まで熟睡だよね?」(と言いながら毛布をかける。)
霞:「‥‥なんかあったかいな‥‥」
真百合:「困ったなぁ、一目惚れした人とこんな形で二人きりになるなんて‥‥」
霞:「‥‥ZZZ」
真百合:「ああ、どうしよう‥‥」
久高風海香:「‥‥で、真百合さんと霞くんは閉じ込められたまんまなの? 」
アイン: 「はい、オーナー申し訳ございません」
風海香:「アイン、“オーナー”って呼ばないで”風海香”で呼んで。
しかしRI財団からのインタビューはどうしよう‥‥静元さんにお詫びとメッセージを送らなきゃ。(^^ ;)( ;^^)」
風海香:『‥‥というわけなので申し訳ないのですけど、霞くんは店で一晩泊めます。大事なお仕事を駄目にしちゃってごめんなさい』
静元涼子:『あらあら、そうなんですか。どうぞお気になさらずに』 そうねー、確かにカッちゃんはあんまりお酒に強くなかったものね」
静元星也:「なんだって姉さん、今度は未成年の飲酒?」
静元涼子:「そんなんじゃないから大丈夫よ。(‥‥あら、でも確かに
カッちゃんまだ10代よね?)」
風海香:『お詫びに今度お店に来たらサービスさせてくださいね。それでは失礼します。』
静元涼子:「『あらー、悪いわね。じゃあ今度、機会があったらお邪魔させていただきますね』 そうね、多国籍料理店もいいわね。誰と行こうかな‥‥?」
風海香からの連絡が終わった後、入れ代わりで静元涼子のポケットロンに匿名の投稿メールが入ってきた。
中を展開してみると一つの画像が入っていた。
その画像には霞が女性の膝枕で眠っている画像が写っている。
女性の顔などは写ってなかったが、メールの発信時刻は風海香と話している時間であった。
from iwasiman: |
RI-Foundation > Access 20K > from Niraikanai