Enlightened Nights

第六世界のひ・み・つ編


Item: サイバー化に対するアンチテーゼめいた場面がけっこういろいろあったけど?

 読解すれば分かるように、このゲームは企業とストリート、科学と魔法、人間と人間以外、都市と荒野、近代文明と土着文明、ハイテクと自然‥‥といった、さまざまな対立の要素を含んでいます。(それこそが、この『シャドウラン』の奥の深さであり、国産TRPGにはなかなかない魅力なのですが。)
 せっかくのキャンペーンなので、そうした所も少しでも表現できたらなと思い、いろいろな要素を入れてみました

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Enlightened Nights

Item: 第16章でシャーマンの十六夜が言っていた、前に倒したヴァンパイアが言い残したという『オルド・マキシマス(Ordo Maximus)』とは?

 オルド・マキシマスは『Threats』に載っている吸血鬼の秘密結社。
HMHVVに感染した第六世界の吸血鬼達の中には、自分達に起こった変化や世界覚醒の秘密を解き明かし、その他謎に包まれた目的のために、この謎の組織に属して世界的な陰謀に加わっている者がいるそうです。彼らのみ知る究極の目的の為に、吸血鬼たちは覚醒世界のあちこちで様々な事柄に関わっているとか‥‥。

 ちなみにエッセンスをマイナスにする Cybermancy の秘術も知っているそうです。圧倒的な火力や戦闘能力よりも、こういう不可解な組織の方が恐ろしいと言えば恐ろしい。

Threats

>>>>>[謎めいたKindredの秘密結社とは‥‥我らがWorld of Darknessも驚きですね]<<<<<

――トレアドール12世代 霞夕也

Paranormal Animals

 ちなみに聖印に心理的なアレルギーを持つヴァンパイアは『一部のみ』なので(SR2 SNE版の日本語訳は間違っているそうです)、日本帝国のヴァンパイアは十字架に弱い必要はないようです。

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Enlightened Nights

Item: 街頭の宣伝でプロ野球が出てきたけど?

 SR2前期の『Shadowbeat』にはこういうどうでもいいようなこともちゃんと載っています。

 2032年に選手はエッセンス消費3点まではサイバーウェアを埋め込んでいいことになっています。日本のプロ野球は北アメリカリーグ(NAL)より先にこうなりました。
 というのは、日本のサイバー技術はアメリカより優れており、そしてガイジン選手との体格の差を埋める必要があったから、だそうです。

Shadow Beat

 ヤンキースのレフト、“ロック-オン”ロレンゾ・ヘイエスは2049年にベーブ・ルース、ハンク・アーロン、オウ・サデュハル(原文通り/笑)の記録を破り、ホーマー847本。ヒットは4195本で世界レコードに迫っています。
 L.A.ドジャーズのハリー“鉄の顎の(アイアン・ジョー)”バートレットは2042年にオークにゴブリン化した後も2048年の引退までピッチャーを続け、奪三振5301本の世界記録を打ち立てました。

 2043年のワールド・オールスター戦で、日本で最も崇められているチーム、ヨミウリ・ジャイアンツを相手に彼がピッチャーに立った時は、ヨミウリ・コーポレーションのニュースネットはジャイアンツがマウンドで“カワルヒト(Changed Person:変化した人間)”と対峙していると怒り狂ったそうです。恐るべし日本帝国の差別!

 いやー、ヤマトの理想を追う“本物の”新日本帝国はかなりヒドい国のようです。2056年のトーキョー・オリンピックでも、メタヒューマンの選手は競技不可だと日本は言い張ったそうです(IOC等の勢力が反対したとかなんとか)。

>>>>>[他にも、このサプリメントにはフットボールやバスケのその後、UCASリーグの全チーム名、気絶弾を撃ち合う戦闘フットボールのアーバン・ブロウルのルールなんかまで載ってるよ。アメリカのRPGってスゴいでしょ?]<<<<<

――デッカー ネットボーイ

 そんなJISですが罰が当たったのでしょうか。SR3の2061年、ハレー彗星大接近の折には太平洋沿岸を大地震と火山活動が襲い、日本帝国では天皇一族のほとんど全員が死んでしまい、世界に展開している帝国軍には直ちに国内へ戻り復興を支援せよと指令が下ります。
 2062年には皇室唯一の生き残りの幼帝ヤスヒトが天皇に即位。後にヨミ・アイランドの勅令が取りやめになり、メタヒューマンの隔離政策が和らぎ、日本も少しはマシな国になるようです。
 現実世界のグローバル化を反映しているのでしょうか。さてはて、SR4の時代の日本帝国は一体‥‥?

Shadows Of Asiae

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Enlightened Nights

Item: 真相は晴れることなき闇の中と言ってるが、第六世界にはそんなに秘密が多いのか?

 『X-File』ネタが多いのは、キャンペーン当時の96-97年に流行っていたからです。すいません。(笑)
 英語版資料を少しでも読み進めるとよく分かりますが、この第六世界には謎が非常に多い。知れば知るほど謎が深まる‥‥というこの辺、サプリメントの作り方が上手いですね。もうこんなんで世界はどうなるの?という位そういう要素は多いです。

 例を挙げると‥‥『アラモス20,000の中枢にはナチスの残党がいる』『この世界には魔法のサイクルがあり、そのせいでアトランティスは滅び、今また世界は覚醒した』『世界覚醒以前に覚醒を予期していた者がいる』『ドラゴンたちは世界覚醒以前から存在した』『第六世界には20数人のエルフのイモータルがいる』『エルフは別のプレーン‥‥トゥアハ・デ・ダナーンから来た』『アースドーンに出てくる鮮血エルフがティル・タンジェルの評議会にいる』『ティル・ナ・ノーグとティル・タンジェルは実は古代アトランティス人が作った国だ』『デュンケルツァーンの遺産の火星の写真にUFOが写ってる』『デュンケルツァーンの遺志を継ぐドラコ財団(Draco Foundation)の目的も不明‥‥』云々‥‥。
 何だか、当初のシャドウランから随分変わってしまっている所もあるような気がしますが。

Draco Foundation

>>>>>[古代アトランティスの遺産を集めることを目的にしてるアトランティス財団(Atlantean Foundation)ってのもシアトルにあるぜ。連中の配下のセキュリティ部隊、ミスティック・クルセイダーズは全員、脅威力が5以上はあるそうだ]<<<<<

――エルフ・デッカー メタリック・マウザー

 リプレイ中でも故意によく分からないまま終わらせた事項がありますが、サイバーパンクのようなリアリティの世界では、全てが明かされないことで余韻が生まれるのではないでしょうか?(もちろん、実はGMも深く決めていなかったという事項もありますが。)
 その後の21世紀の日本での国産TRPGのプレイスタイルでは、シナリオは定型化され、話の筋は単純に、謎はプレイヤーに全部分かるように、というお手軽な遊び方がもてはやされていますが、本サイト掲載のリプレイ、キャンペーンが行われたのはその少し前の時代のものです。

 スプロールの夜景がどんなにネオンで虚しく飾られても、この世界から闇が消えることはない。
 そしてシャドウランナーも、その闇の中を時にさ迷い、時に疾走する影の一つ‥‥というのも、『シャドウラン』の一つの渋みではないでしょうか。

Shadowrun Second Edition

>>>>>[それでも俺たちはプロの誇りを掛けて戦うんだ。それでこそ本物のランナーだぜ!!]<<<<<

――ストリート・サムライ レイザーエッジ

>>>>>[うふふ、サムライのお兄さんは何だかそれが多いわね]<<<<<

――NCB広報部 “広報部の華”静元涼子

>>>>>[うるせぇ!! こいつが“サイバーパンク”のやり方なんだ!!]<<<<<

――ストリート・サムライ レイザーエッジ

 そしてその後の展開で、幾つかの謎とプロットには決着がついたり、後の時代に持ち越されたりしてきました。
 第六世界が『アースドーン』と共通の背景を持ち、世界のサイクルが変わり魔法の力が増してきたのが第六世界の開始だったこと、『アースドーン』の重要NPCや魔法の品、ハーレクインたちイモータル・エルフ、そしてBig Dたち同じドラゴンが『シャドウラン』にも出てくること、世界背景にアトランティス文明があること、などなどは詳しい人ならご存知の事項です。
 ちなみにグレートドラゴンの遺産で目を引く、NASAがアレスに買収される直前に写された火星の写真の謎は、文明の証拠らしきピラミッドは本物でUFOは偽物らしいですね。

 さて、そして世界を揺るがす多くの出来事が起きた後、時は2070年代となりました。どんな秘密が、SR4の時代には待っているのでしょうか‥‥?

Runner Havens
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