あとがき
今より60年後の未来。魔法が復活し、伝説上の生き物が地上を闊歩する時代。コンピュータ・ネットワークが世界を結び、日本の巨大企業が世界を支配するもう一つの未来。第六世界の光と影の中、大都会の夜を疾走するランナー達のスリリングな物語‥‥という訳で、FASAの誇る超大作サイバーパンクRPG『シャドウラン』。 |
本作は青山学院大学SF研究会の1996年度の活動の最後を飾る5回シリーズのキャンペーンの最終セッションを、記念にリプレイに起こしたものです。
GM担当としては、まぁ、色々反省点や残念な点が沢山あった最終回だったのですが、プレイヤー達にはリプレイは好評でした。この度、インターネット上にも復活し、作者としては嬉しい限りです。
さて。最後までお読み頂いた方の中には、こう思っておられる方もいらっしゃるかも知れません。
「これがシャドウラン? 僕の知ってるシャドウランと全然違うよ? 富士見書房から出てるリプレイとかは全部読んでるけど、なんでこんなに違うの?‥‥」
あるいは、ゲーム歴ウン年を誇る方の中には、こう思う方もおられるかも知れません。
「ケッ、英語版資料を使ってるって言ったって、所詮はあのS●Eの設定したあの出来のヒドい東京を舞台にしてるじゃないか。コンタクトは親切すぎるし、資料の読込みが甘い。日本帝国のメタヒューマンには人権はないし、デュンケルツァーンはダンゲルザーンと読むのが正しいんだ。ビッグAのくせにあっけなくやられるし、ギャグは多いし、まだまだヌルいぜ。結局世界観や雰囲気だって自分の好きなように曲げて解釈したオリジナルじゃねーか。ケッ、もっとハードでダークでクールでドライじゃなきゃ、Shadowrunじゃねーぜ‥‥」
辞書を片手に資料を訳し、英語版の濃いイラストが受けたり間違った日本人名に笑ったり。シャドウランがほぼ初めてのプレイヤーを交えたテーブルでダイスをゴロゴロ振って(そしてテーブルの下によく落として)、リプレイのためにあれこれ考えを巡らした頃。
第六世界に想いを馳せた我々の心の中には、極彩色のネオンに霞む夜の東京スプロールが、霧の中に浮かぶ不気味なアズテクノロジーのマークが、そして愛すべきキャラクターたちが、確かに存在しました。
日本語版と英語版の明らかなズレについては色々と言われておりますが、論議の前にこういう気持ちも、TRPG本来の楽しさを味わう気持ちも大事にすべきではないかな、とも思っています。とにかく、『シャドウラン』がここにあるんですよね!
[追記] また、このコンテンツはSR4翻訳決定を祝って2006-20007年にリニューアル復刻し、ビジュアル面を強化しました。実世界で約10年が経った後に思い返してみると、色々と懐かしくもあり若気の至り全開でハズカシくもあるのですが。コンテンツを編集していると、実際のセッションで交わした実際の会話や笑いの記憶が蘇ってきました。10年も経っているのに不思議なものです。やはり、楽しかった思い出にはいつまでも価値があるのですね。
というわけで。長らくおつきあい頂き、本当にありがとうございました。貴方の心に何かが残りましたら、記念に[メール送信ページ]等でごレンラクいただけると、大変、嬉しいです。
それでは! 彼方の異世界でまたお会いしましょう。RI財団は、粋な貴方をいつまでも応援いたします‥‥。
RI-Foundation > Shadowrun > "While The Earth Sleeps" > Afterword |
||