らいぶらりぃ
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平和コンサート 宮川泰&西村由紀江

●日 時2000年8月5日(土)18時開演
●会 場吹田市立文化会館メイシアター
●出 演ピアノ:宮川泰/西村由紀江
「名匠」宮川組
ヴォーカル:ココナッツ
●曲 目<第1部>宮川泰&西村由紀江
ドレミの歌
サウンド・オブ・ミュージック・メドレー
中田喜直メドレー〜夏の思い出/小さい秋見つけた/雪の降る街を/めだかの学校
ヘンリー・マンシーニ・メドレー(宮川編)
〜ムーン・リバー/シャレード/子像の行進/ひまわり
映画音楽メドレー(西村編)
〜いつか好きな王子様が/ラフマニノフ2番/アメリカ
西村由紀江/誕生
      風にむかって
      i・no・ri
<第2部>「名匠」宮川組 with ココナッツ
宮川作品等々…

 大阪に西村由紀江さんがやって来るというので、久しぶりに彼女の演奏を聴いてみようと出かけてきました。2週間前の、神戸での公演には抽選漏れで行けなかっただけに、今回は逃せません。(^^;

 第1部は、西村さんと宮川さんの名コンビのピアノ・デュオによる演奏です。「サウンド・オブ・ミュージック」や、中田喜直作品、ヘンリー・マンシーニ作品等々のメドレー、懐かしさや温かみの感じられる選曲ですね。選曲も良ければ、演奏の方も素敵で、西村さんのピアノがどちらかと言うと、情緒をこめてたっぷりと歌っていくのに対し、宮川さんのピアノはそれに飾りをつけ、盛り立てていく役に徹しているという感じ、その対比がまた、絶妙のバランスを作り出しているのですね。2年前に聴いて以来なのですが、やはり、このコンビの演奏は素敵でいいですね。本人達は、リハーサルの段階では結構、ヒヤヒヤしながらやっていた、なんてことを、演奏途中のお話のところで言うてはりましたが、そんなことはなかなか感じさせない、素晴らしいものでした。

 そんな中で、一番のお目当ては、やはり西村さんのオリジナルの曲です。今回は3曲、演奏してくれました。その中でも一番印象的なのは、「誕生」です。この秋に出されるアルバムの中に収録予定の曲なのだそうで、この新曲をいち早く聴くことができたのは、ラッキーでした。ピアノを弾ける喜びを改めて感じている今、その想いを音にしてみた、というようなことを仰っていましたが、なるほど、確かに全編に渡って喜びに満ちたような、とってもぬくもりのある曲です。西村さんの曲って、全体的に低音の使い方がとてもうまい、という印象があるのですが、それはこの曲でもそうです。中音域から低音域の辺りの音の歌わせ方が素敵なんです。こんなにいい曲、アルバムが発売されたら、すぐにでも買ってきたいですね… 楽譜も出たら買おうかな。(^^;

 また、私の一番好きな「i・no・ri」も演奏されました。私なんかが弾くと、どうしても力んでしまうような部分もあるのですが、西村さんの演奏はどこまでも、優しく、ふわっと聴く者と包んでくれるような包容力に満ちています。こんなにも素敵な演奏を聴いたら、ほんと、明日からもまた頑張って生きていこう、というように癒される、というものです。

 後半は、宮川さんのオン・ステージ・ショーです。(^^; 手兵の「名匠」宮川組と、ココナッツのお2人のヴォーカルにより、昔なつかしのピーナッツの曲など、宮川さんの作った作品の数々が演奏されていきます。でも、一番、印象的なのは、ジャズ風にアレンジされた「荒城の月」です。ずっと残していきたい日本のメロディーは何か、というような話題から出てきた曲なのですが、このアレンジがまたとっても凝っていて、サックスやピアノ、ドラムス等の各楽器のソロも見事に決まって、とても素晴らしいものでした。そして、最後は、案の定の「宇宙戦艦ヤマト」。私のお気に入りのこの曲も、こういうジャズ風になると、またとってもおしゃれでいい曲になるのですねぇ。

 そして、最後は、再び西村さんを迎えて、クラシックの名曲のメドレーになります。グリーグやショパン、モーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキー等々、様々な作曲家の曲が次から次へと登場してきます。でも、改めて思うのは、西村さんって、やっぱり素晴らしいピアニストなんだなぁ、ということです。これだけの曲をさらりと弾いてしまわれるなんて、やっぱり、すごいんだなぁ、と思ってしまいます。

 後半部の騒々しい(?)曲に比べると、やはり前半のような曲の方が、私には耳障りがいいです。少しではありましたが、西村さんの演奏に生で触れることができて、ほんと、よかったなぁ、と思うのでありました。