らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 2001年5月20日(日)14時開演 |
●会 場 | フェスティバルホール |
●出 演 | トーマス・ザンデルリンク指揮大阪シンフォニカー交響楽団 |
ピアノ:佐々由佳里 | |
●曲 目 | パッヘルベル/カノン |
モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番 | |
ベートーヴェン/交響曲第7番 |
1月に聴いて以来のシンフォニカーの名曲コンサート。随分と間があいたように思うのですが、それは主催者側の都合もあるから、仕方ありませんね。さて、今回は古典派で固めたプログラムになっています。ソロに佐々由佳里さんを迎えてのモーツァルト。佐々さんは、割といろんなところでお名前はお見うけするのですが、実際に聴くのは、初めてです。どんなピアノを聴かせてくれるのかと思っていると… いかにもモーツァルトというような、繊細で可憐なピアノですね。とても音を丁寧に弾いているのはもちろんですが、まるで清純な乙女が舞うかのような、たおやかさみたいなものがあふれ出ている、そんな印象がします。音がとても素直な感じで響いてくるのですね。それが、聴く者の心を和ませてくれます。特に3楽章の軽快な音楽など、本当にそう。音がひらひらと舞っているのです。聴いていて、何かうきうきとしてきます。また、2楽章の美しさもまた、ひとしおです。うっとりとするくらいに奇麗に音を響かせていくのは、さすがだと思います。上品な演奏に、改めてモーツァルトの作品の魅力というものを思い知らされたような気がします。
ところで、久しぶりにシンフォニカー交響楽団の演奏を聴いたのですが、今回は、何か、全体的に演奏が荒っぽいような気がしました。特にベートーヴェンになってからは、その印象が強いのです。演奏が何か、ごつごつとした感じなのですね。ザンデルリンクさんの指揮も久しぶりに見たのですが、こういう音楽作りをされるのでしたっけ。しばらくの間、聴いていなかったので、ちょっと私の感覚が鈍ってしまっているのかもしれません。でも、1つ、はっきり言えるのは、1楽章の第1テーマが出てくる直前のフルートと弦とでEの音をやり取りする箇所、明らかに2つの楽器でピッチが違っていたのです。おいおい、と思ったのは私だけではないでしょう。そういう細かな部分で、何か荒削りな感じなのですが、でも、逆にそれがベートーヴェンらしさなのかもしれません(ほんとかな…?)。音楽全体的には、なかなかかっちりとまとめてはるし、演奏自体もなかなか気合の入ったもので、いい演奏だとは思います。欲を言うと、3楽章と4楽章の間は、あまり間をおいてほしくなかったですかねぇ。コバケンさんなんかがよくされるように、間髪入れずに終楽章へなだれ込む、というふうにしてもよかったのではないかしらん。その方が緊張感も持続して、一気に聴く者の感情もクライマックスへ持っていくことができるってもんです。実際、ラストはかなり盛り上がって終りましたし。
次回は来月に「第九」ですね。これもまた楽しみです。