らいぶらりぃ
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第19回フェスティバル名曲コンサート

●日 時2001年9月8日(土)14時開演
●会 場フェスティバルホール
●出 演牧村邦彦指揮大阪シンフォニカー交響楽団
ヴィオレッタ:福永修子
アルフレード:小餅谷哲男
ジェルモン:田中勉
大阪シンフォニカー合唱団
●曲 目ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
ポンキエルリ/歌劇「ジョコンダ」より 時の踊り
ファリャ/舞踏組曲「三角帽子」第2部
ヴェルディ/歌劇「椿姫」(ハイライト版)

 今回のシフォニカーの名曲コンサートは、「椿姫」のハイライト版です。言うまでもなく、ヴェルディ・イヤーを意識したプログラムなのでしょう。なかなか気合の入った演奏を聴かせてくれました。

 さて、1幕は前奏曲に「乾杯の歌」、「ああ、そはかの人か〜花から花へ」の3つ。2幕は「燃える心を」に「プロヴァンスの海と陸」、そしてフィナーレ。割と淡々とした感じで進んでいきます。ソリストは3人とも、関西でいろいろなオペラ等に出演している実力派の歌手ですが、この3人、なかなかいいですね。小餅谷さんは、やや高音域が苦しいようなふうにも聴こえましたが、なかなかの熱唱です。福永さんも、華やかな雰囲気を漂わせながら、ヴィオレッタを熱演しています。田中さんも相変わらずの貫禄たっぷりの歌唱で、なかなかいい感じだと思うのです。でも、何か、私の座っている席の場所のせいか、あまり聴こえてこないような感じなのです。聴こえてこないというか、響いてこないというか。もっとドラマティックに盛り上がるようなシーンもあるですから、もっと響いてこないと、感動がなかなか伝わりにくいように思うのですね。特に3幕は、前奏曲から「過ぎ去った日々」、バッカナーレ、パリを離れて、そして終幕と、結構、見せどころ・聴きどころが続くから、もっと聴かせてほしい、と思ってしまいます。3人ともたっぷりと歌っているのは、よく分かるのですが、何故か、私のところには響いてきていない、そんなふうに感じてしまって、ちょっと不満なのでした。(ホールの構造上の問題なのかもしれませんが…)でも、演奏自体は素敵なものだったと思います。

 それよりも、印象的だったのは、前半の「三角帽子」です。この曲自体もまた、随分と久しぶりに聴いたのですが、改めてこの曲の面白さというようなものを認識することができました。それは、曲が面白いようにリズミカルであり、ころころと曲調が変わっていき、大掛かりな盛り上がりを見せてくれるという、その表情が豊かなところにあります。それを、シンフォニカーさんは見事に熱演していたと思うのです。非常にパンチのきいた、シャープな音で、くっきりとこの曲の魅力を表現していました。そして、こういう非常に”熱”のある演奏をするのが、シンフォニカーさんのいいところなのだということを、改めて思うのでした。

 今年の名曲コンサートも残すところあと1回。来月もまた楽しみです。