らいぶらりぃ
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神戸フロイデ合唱団34回公演

●日 時2001年12月11日(火)19時開演
●会 場神戸文化ホール・大ホール
●出 演外山雄三指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
神戸フロイデ合唱団
ソプラノ:大橋ゆり
アルト:竹田称加
テノール:高橋敦
バリトン:田中勉
●曲 目ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱」

 年末はやはり「第九」ということで、今年3度目の「第九」を聴いてきました。演奏は地元の神戸フロイデ合唱団。フロイデさんの演奏って、今までにはサマーコンサートを2回ほど聴いたことがあるのですが、フロイデさん本来の活動主体である「第九」は、実は初めてだったりします。今世紀最初の「第九」、というて結構、気合も入っているようでしたが、いや、なかなか素敵な演奏でした。

 何がよかったのかというと、最近流行りのベーレンライター版ではなくて、従来どおりの演奏をしていたこと、これがよかったんですね。今年のこれまでに聴いた2回の演奏はいずれもベーレンライター版で、どこか違う、という思いがあったのです。確かに、ベートーヴェンの当時のことを考えると、あれくらい軽い感じになるのももっともなことなのかもしれません。でも、私の個人的な趣向からすると、どうも、あのように軽々しいのは好きではないんです。大きな人間愛というものを高らかに歌い上げる曲でしょう、第九って。ならば、もっとドラマティックに盛り上げる方がいいのではないか、これまでの2回の演奏ではいつも、そのように思っていました。そこへ、今回の演奏は、従来どおりの大がかりな(?)演奏だったので、何かほっと安心してしまったのです。

 いや、でも実際、安心して聴けました。オケも大フィルだから、そうそう変なことをするわけでもなく(もっとも、毎年、クリスマスも過ぎた頃にやる、彼ら主催の演奏の方がもっと盛り上がるのでしょうけれど…)、なかなかいい感じで演奏しています。1つ、ほぉ、と思ったのは、ホルンの音がなかなかに良かったこと。3楽章などでもふわぁっと優しい感じで響いていて、素敵でした。合唱も、なかなかよく声が出ています。1つだけ気になったのは、巻き舌が嫌みなくらいにすごいこと。「Freude」とか「Bruder」とかの単語を発する時の「r」の音が、半拍くらい前から「rrr…」とごっつい響いてくるのには、ちょっとびっくりです。そこまでせんでも、と思ってしまうのは私だけでしょうか。まぁ、それだけ気合が入っているということの証しでもあると思いますし、全体にはよくまとまった演奏でした。(テナーのパートがややベースに負けていたのは、ちょっと残念な気もしましたが…)

 いい「第九」を聴いて、これでよい年越しができそうです。(^^;