らいぶらりぃ
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大阪シンフォニカー交響楽団第23回名曲コンサート

●日 時2002年9月16日(祝・月)14時開演
●会 場フェスティバルホール
●出 演曽我大介指揮大阪シンフォニカー交響楽団
ピアノフォルテ:中野振一郎
●曲 目モーツァルト/セレナード第6番二長調K.239「セレナータ・ノットゥルナ」
       ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノーム」
       交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」

 最近モーツァルトばかりのシンフォニカーさんですが、今回の名曲コンサートもオール・モーツァルトであります。「ジュピター」は10日ほど前の「おおさか・元気・クラシック」でも聴いたばかりやんかぁ、と思いながら、聴いてました。

 さて、今回の目玉は中野さんを招いてのコンチェルトでしょう。使っている楽器がすごいんですね(たぶん)。1820年頃のウィーンで制作されたという「マテウス・アンドレアス・シュタイン」という代物なんです。この貴重な楽器を、山本宣夫氏のコレクションから借りてきての演奏らしいんですね。一体、どんな音がするのだろう、と耳をそば立てて聴いてしまいます。そう、音量は現在のピアノほどにはないんですね。チェンバロというよりは、チェレスタに近いような感じの音色で、ぽろんぽろんと奏でられるその音色は、1音1音が非常にくっきりとしていて、現在のピアノのように響きすぎないのが、また上品な感じを演出しているようです。中野さんの演奏も、この貴重な楽器に触れることのできる喜びをそのままに表現しているかのようで、とても明朗なものです。緩徐楽章である2楽章では、1音1音が響かない分、どうなのかなとも思ったのですが、変に響きすぎないからこそ、しっとりとした情緒が出てくるのですね。優しくて気品のあるその音は実に素敵なものでした。モーツァルトの時代の貴族達のサロンでの演奏というのは、おそらくこんなのだったのだろうという雰囲気だったのでしょうね。当時を偲ばせる雰囲気たっぷりの演奏でした。

 ところで、1曲目は「セレナータ・ノットゥルナ」。指揮者の曽我さんも本業(?)のコントラバス・ソロとして登場です。各パートのソロもそれぞれ見事に決まっていて素敵な演奏でしたが、こういうスタイルでの演奏ができるのも、曽我さんのシンフォニカーならではですね。いいなぁ、と何かほのぼのと思ってしまいます。

 この秋にはヨーロッパ・ツアーもされるようで、ますますシンフォニカーさんの活躍から目が離せなくなりますね。来年の名曲コンサートのシリーズのプログラムも決まったようで、今後もまた楽しみです。