らいぶらりぃ
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大阪シンフォニカ−第25回名曲コンサ−ト

●日 時2003年2月2日(日)14時開演
●会 場フェスティバルホール
●出 演 キンボ−・イシイ=エトウ指揮大阪シンフォニカ−交響楽団
ヴァイオリン:鈴木理恵子
●曲 目ベ−ト−ヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
        交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」

 シンフォニカ−の名曲コンサ−トの2002年度シリ−ズの最後は、ベ−ト−ヴェン・プログラムです。私のちょっと苦手なヴァイオリン協奏曲に「田園」、何か濃い感じのプログラムですねぇ。

 さて、今回のヴァイオリンは鈴木理恵子さん。…なかなか無難な演奏でこなしていきますね。音自体は安定しているから、割と安心して聴けます。高音部でも変に音がきんきん言うようなこともなく、全体にどっちかというとしっとりとした感じで弾いてはるのが、いい感じです。気合いの入ったカデンツァ等は、なかなかの聴き応えが婀ります。それに2楽章はほんと、その美しいメロディをたっぷりと歌いあげていて、思わず聴き入ってしまいます。でも、…何かが足りないような気もするんです。そう、やはり無難な演奏なのですね。綺麗なんですけど、何というか、それ以上のものがいまひとつ伝わってこないような感じの演奏のように思えてしまうんです。いや、決して表面的な演奏だというわけではないのです。ただ、いまひとつ心に訴えかけてくるパワ−のようなものがちょっと足りなかったのでは、そんなふうに思ってしまいます。私自身がこの曲を苦手としているからかもしれませんね… でも、概ね、素敵な演奏だとは思いました。

 後半は田園。指揮のキンボ−さんは初めてでしたが、なかなかいい指揮をされる方ですね。タングルウッドで小澤さんの補佐もしたことがあるというだけのことはあります。流れるように流暢な棒さばきで、とても優雅な感じの音楽を作り出しています。そう、とってもお酒落な音楽に仕上がっているのですね。ややアップテンポ気味にしていますが、それが軽やかさとなり、ふわっと田園風景の中をやさしく風が吹くような、そんな印象がするのです。2楽章などでも小川がさらさらと流れる感じそのままの演奏、まさにこれこそ「田園」らしい演奏と言えるのでしょう。のどかな雰囲気をたたえた演奏はなかなか好感が持てます。ただ、私自身がちょっと疲れ気味で、必ずしもちゃんと集中して聴くことができなかったのが、残念です…

 会場では、2003年度分の5回セット券を無事に購入できて、ほっとしています。さっさと買えばいいものを、何か買えなくて。もうないかと思っていたのですが、ちゃんとまだ残っていて、よかったよかった。また4月以降もシンフォニカ−を聴きにくるぞ!と意気込むのでした…