らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 2003年6月29日(日)17時30分開演 |
●会 場 | 吹田市民会館メイシアター |
●出演&曲目 | 1.神戸大学混声合唱団アポロン |
堀内貴晃/混声合唱とピアノのための組曲「猫祭」より | |
指揮:山本貴之 | |
ピアノ:田村真祐子 | |
2.大阪教育大学混声合唱団 | |
池辺晋一郎/混声合唱組曲「家族合わせ」より | |
指揮:中世古俊 | |
ピアノ:沼田薫 | |
3.大阪市立大学合唱団フリーデ | |
佐藤敏直/混声合唱組曲「旅の途の風に」 | |
指揮:東尾章司 | |
ピアノ:石毛明生 | |
4.合同演奏 | |
信長貴富/混声合唱とピアノのための「こいうた」 | |
指揮:伊東恵司 | |
ピアノ:細見真理子 |
後輩達によるジョイントコンサートであります。聴きどころは、何というても、信長さんの作曲による「こいうた」。伊東さんの指揮による合同演奏でこれをどう歌い上げてくれるかが楽しみでした。で、その合同演奏、期待どおりに素敵な演奏を聴かせてくれました。伊東さんの指揮というのは、非常に明朗で分かりやすく、どういう表情で歌ったらいいのかというのが、はっきりと分かる指揮だと思うんです。だから、3団の団員達の表情も実に生き生きとしていて、この曲の持っている魅力というものを十分に表現しきっていたように思います。この曲、詩はいろいろな人の書いた「こいうた」を集めてきたものですが、それらに共通するものというのは、ひとえに”ひとのことを想う心”だと想うのです。それらを歌ったこれらの詩に、その言葉に素直に曲が作られているのですね。だから、言葉も非常にはっきりと伝わってくるし、純粋な想いというものも伝わってくるのです。日本語の美しさに曲の美しさとを、存分に味わわせてくれる曲だと言えましょう。5曲ある中で、一番気に入ったのは、島崎藤村の詩による4曲目です。どこか陰鬱な感じもたたえながら、それでもしっとりと歌いあげていくという曲は、まさに日本人の心(?)でありましょう(って、演歌じゃないんですけどね)。シンプルな感じの3曲目も好きですし、お決まりのように非常に明るく盛り上がって終わる終曲も素敵でした。伊東さんはプログラムの中に、歌うことと恋することは、人が共に生きる誰かを求めて生きていくということと密接に関わりを持つことだ、というようなことを書いていらっしゃるのですが、若い人達がそういう感性のもとで、この曲を高らかに歌い上げたということは、とっても有意義なことのように思います。聴いている側も、何かほっとするようなものを感じさせられたのでした。
ところで、それぞれの団の単独の演奏はどうだったかというと、これはちょっと… どこの団もいまひとつ、言葉が何を言うているのかが分からなくて、それぞれの曲において何を表現しようとしているのかが分からなかったのです。せっかく、合同であれだけの演奏をできるのならば、単独でももっと頑張ってほしかったと思うのは、OBの欲張りなのでしょうか… ちょっと残念な気もするのでした。