らいぶらりぃ
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第4回朝日ホール能

  
●日 時1997年3月20日(祝)14時開演
●会 場神戸朝日ホール
●演目&出演1)狂言「素袍落」
太郎冠者:善竹忠重
主:善竹忠亮
伯父:茂山忠三郎
後見:山口耕道
2)能「葵上」
六条御息所の生霊:上田拓司
照日の巫女:笠田昭雄
横川の小聖:福王茂十郎
朱雀院の臣下:是川正彦
朱雀院の臣下の供人:高井秀規
笛:左鴻雅義
小鼓:林光寿
大鼓:守家由訓
太鼓:上田悟
後見:下川宜長/上田大介
地謡:上田貴弘/笠田稔/山田義高/久田徹二/
鳥羽常雄/藤谷音彌/加藤又義/梅谷宏

 能については、ほとんど初心者なので、難しいことは分からないのですけど、 見ること自体は好きなんです。何か、能の謡とかを聴きながら、仕舞を見ている と、何か、妙に心が落ち着いてきたりして。

 で、今回は狂言は「素袍落」。太郎冠者と伯父のやりとりが面白いですね。 「さ、飲め飲め。」「なかなか。」仕草もユーモラスなのですが、言い回しもユ ニークですよね。それに、言葉がはっきりと聞き取れるのがいいです。普通に能 なんかを見ると、きまって、何を言うてるのか分からない、とかいうことがある のですが、狂言では、そういうことがないから、いいですね。楽しめました。

 そして、問題の能楽「葵の上」。「源氏物語」を基にした番組ですね。六条御 息所の生霊が、病の葵の上の所に現われ、嫉妬心から、暴れ出して、最後は僧侶 の祈祷に負ける、というような筋なのですが、劇としては、なかなかの設定です ね。恨みをとうとうと唄うところなんかは、ほんと、情感がこもっていて、言葉 が分からないにしても、聴き応えはありました。これが幽玄の世界やぁ!って感 じですかね。(^^;) で、一番の見所は、やっぱり、後半の生霊と僧侶との決闘 (?)のシーン。この決闘の場面での地謡がまた、場を盛り上げていますね。何 やら経典の中に出てくるような言葉を、一語一語、たたみかけるように謡いなが ら、鼓部隊とうまく織り合って、息を飲むような決闘シーンを演出していまし た。最後は成仏した生霊が静々と舞台から引き下がっていって、幕(?)です。 この、最後のどこで拍手をしたらええんやろ? いうのが、いつも思うことで す。引き下がり始めたらそこで拍手をしたらええ、とかいうようなことを聞いた 覚えもあるのですが、今回はそこで拍手が起こらなかったので、つい、私もしそ びれてしまった…

 う〜む、まだまだ勉強が足りないなぁ。機会があれば、こんな能の公演にも もっと出かけるようにしたいものです。(^^;)