らいぶらりぃ
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ザ・シンフォニー・ユース・オーケストラ

第12回演奏会

●日 時1997年4月10日(木)19時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演本名徹次指揮
ザ・シンフォニー・ユース・オーケストラ
●曲 目シマノフスキ/演奏会用序曲op.12
マーラー/交響曲第7番「夜の歌」


 シンフォニー・ユース・オーケストラというのは、関西の学生さんたちの集 まって作った、年に一度のオーケストラです。各大学で学生オーケストラなどに 所属してはる人たちの中から、オーディションによって選ばれた人たちが、練習 を重ね、その成果を発表する… 今年は、何と、「夜の歌」! なかなか聴けな い曲なのではないでしょうか。それを、しかも、学生アマチュアオケでやってし まうという、とんでもない(?)プログラムにひかれて、行ってきたのでした。

 1曲目のシマノフスキは、名前は何かで聞いたことがあったのですが、曲は聴 いたことがなく、初体験でした。出だしから、いい感じの曲ですね。メロディー もきれいですし、音を巧みに扱っているという感じで。パンフを読むと、この人 も「夜の歌」という曲を作っているとか。今度、CDを探してみよ…(^^;)

 で、演奏の方ですが、最初のうちは、何か、音がバラけているかなぁ、という 気がしました。いきなり盛り上がる曲ですから、仕方ないのかもしれませんね。 でも、だんだんといい感じになってきて、弦もきれいに歌っていました。金管の 音がちょっと割れ気味だったのが残念なところでしょうか。

 休憩の後は、おまちかねの、「夜の歌」。第1楽章の頭の低音から、思わず、 ぞくっときてしまいました。何故って、この曲、生で聴くのは初めてなんです。 すぐに出て来るユーフォニウムの音を聴いただけで、おぉっ!と感動してしまっ た… で、これだけでも一つの曲になりそうなこの楽章、様々に起伏を繰り返し ながら、進んでいきますが、やはり、fになると、ちょっとバラけるような気が … 音量はとっても出ていて、ごっつい、感動もんなんです。でも、何というか 音の粒が荒いというのか、そんな気がしまして… でも、各楽器とも、歌うべき ところはしっかり歌っていて、その辺はさすが、と思いました。途中の総休止へ の持っていきかたも感動的で、極めつけは、最後のクライマックスでしょう。す ぱっと切れ味のいい終わり方でした。でも、演奏している人たち、これで疲れ きってしまったんとちゃうやろか、という心配もしてしまいました…(^^;)

 第2楽章、ここのHrがとても印象的です。あまり期待してはいなかったので すが(失礼!)、意に反して、正確に、かっちりと歌っていました。いきなり爆 発(?)するところで、あまりバラけなくなくなったかな、と思いました。それ まで、どちらかというと、管に押され気味だった感じの弦が、聞こえるように なったんです… 各トップのソロもうまかったからそう思っただけかもしれませ んが。(^^;)

 ちょっとグロテスクな感じの第3楽章、そして、とっても美しい第4楽章。こ の室内楽的な美しさがまた、いいですね。弦の各パート、よくそろって歌ってま したし、また、各トップの演奏も素敵でした。特にコンミスのソロはなかなかで した。それに満を持して登場のマンドリンが、いいですね。CDとかだとあまり 注意したことがなかったのですが、今日はしっかり注目していました。(^^)

 そして怒濤のような第5楽章。冒頭のTimがいいですね。このTimのお姉 さんが、なかなかイイ感じで演奏してはるのが印象的です。ノっているというか … で、金管に出て来るテーマ、あまり音も割れなくなってきてますね。あとは もう、ひたすら、最後へ向けて突っ走るのみ(?)。ちょっとテンポが遅いよう な気もしたのですが、あんなくらいなのかな。そうそう、チェロのトップの方も 思いっきり体を揺らしながら弾いてはりましたね。ああいう一生懸命に演奏して いるぞ、という姿を見ると、おぉ、と思います。全体的に、疲れてはるような感 じも少し見受けられましたが、それでも、最後、思いっきり溜めて、そしてす ぱっと切るエンディング、格好いいですねぇ。いやぁ、熱演でした。

 学生オケでここまでできるとは、一般のオケもうかうかとしてられないかもし れませんね。(←?)