らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1997年4月18日(金)19時開演 |
●会 場 | シンフォニーホール |
●出 演 | 高関健指揮大阪センチュリー交響楽団 |
●曲 目 | オネゲル/交響曲第3番「典礼風」 |
ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68 |
前任のウリエル・セガルさんを継いで常任指揮者に就任した、高関さんの初の
演奏会です。 前半のオネゲルはまったくの初めての曲です。各楽章には、レクイエムの一節 からのタイトルが付けられているのですが、1楽章は「Dies Irae」。出だしか ら何かすさまじいものを感じました。まさに神の怒りが地に落ちてくるような、 凄みのある曲で、オケもそれをよく表現していました。いつものことですが、 とってもクリアな音で、金管もよく鳴っていました。それに高関さんの指揮も、 それを十分に引き出していたと思います。無駄のない、明確な指揮で、それでい ながら情熱のあふれるような印象を与えてくれる、そんな指揮です。 大音量が中心の1楽章に続いては、「De profundis」。これがまた、何とも苦 悩に満ちた曲で、とっても大きなうねりみたいに動きまわりながら、それが解決 されないまま、終わってしまう、という印象です。途中に、大きく盛り上がった 後に出てくる弦のメロディーが、とっても奇麗ですね。 そして、「Donna nobis pacem」。どこが「pacem」やねん、と言いたくな るような、葬送行進曲で始まります。この不気味さがたまらないですね。(^^;) 行進曲がクライマックスを迎えた後に、天上の音楽のような奇麗な音楽がはじま ります。2楽章でもそうでしたが、Vnの音が、高いところまで奇麗に響いてい ました。ほっとするように、曲は終わりましたが、ほんと、新たにいい曲を、い い演奏で聴かせてもらった、と思います。 この曲、全体を通じて、何か、震災から復興へと歩んでいるこの辺りに住んで いる者としては、考えさせられるようなものを持っていて、そういう意味でも、 とてもいい曲を知ることができた、と思います。 後半は、【在阪オケで『ブラ1』を聴くシリーズ】第3弾。(^^;) 全体的な印 象では、とても素晴らしい熱演だったと思います。欲を言えば、もうちょっとテ ンポがゆっくりめでもよかったんやない?というところでしょうか。ま、テンポ については、個々の好みにもよると思うのですが、個人的には、この前の朝比奈 隆さんの大フィルのような、あれくらいのテンポでの演奏が好きです。 あ、でも、決して、演奏があかんかったとかいうことは、全然ないんですぅ。 全体を非常に緻密に作り上げられたと思いますし、オケもそれに十分に応えてい ました。個人的にこだわっている、4楽章の「クララのテーマ」のHrも、たっ ぷりと美しく歌い上げていて、すごくよかったですし、Tbのコラールも素敵で した。(この部分だけには、妙にこだわっている…(^^;))コーダのところも、こ の前の関フィルさんのと同様で、むちゃくちゃ早かったですぅ。そないあせらん でも、という気もちょっとするのですが、これはこれで、迫力のある、いい演奏 だったと思います。 高関さんとのコンビで、これからも素晴らしい演奏が聴けそうで、センチュ リーさんの演奏会も要チェックかもしれません。(^^) |